「レンタルなんもしない人」で感じた「弱いつながりの本当の強さ」

「弱いつながりの強さ」とは弱いつながり(例;SNSなど)の人の方が多様性に富み自分に無いものを持っていることが多い為、強いつながり(例;親子、会社か学校の仲間)の人に比べて新しい知識や有用な情報が得やすという理論です。しかしながら知識や情報を得る以上に「自分らしくいられる場所」があることで人生の防御力・回復力を高められることこそが「弱いつながりの本当の強さ」だとドラマ「レンタルなんもしない人」を観て感じたのでドラマの内容と合わせてご紹介します。

はじめに

どーも、中小企業診断士の「どばしんだんし」です。

自分の好きなコンテンツ(マンガ、アニメ、ドラマ、映画、本、歴史など)と資格を活かしたビジネス、企業経営を絡めた情報をなるべく毎日発信しています。

コロナの影響で最新作の放送が休止していたテレビ東京ドラマ「レンタルなんもしない人」が9月9日から再開されることが決まりました!!

1話完結でとても観やすく、色々と考えさせられるドラマなのでご紹介します。

ドラマ「レンタルなんもしない人」


ドラマ史上初!?
“なんもしない”主人公が、出会う人の心を温めるーそんな不思議で新しいヒューマンドラマが誕生します!
「なんもしない人(ぼく)を貸し出します。」「ごくかんたんなうけこたえ以外、なんもできかねます。」
“何かすること”が求められ続ける現代において、そう堂々と宣言しながら誕生した、不思議なサービスがあります。
2018年6月、Twitterに突如現れた「レンタルなんもしない人」。初日こそ反応のなかったこのサービスは瞬く間に拡散され、フォロワーは1年半でなんと25万人!テレビやラジオ、そして漫画や書籍も出版され、今では「レンタルなんもしない人」として、世間に認知されるようになりました。
「マラソンのゴール地点で待っていて欲しい」「離婚届けの提出に同行してほしい」「出社が怖いのでついてきてほしい」-。
何もしないにも関わらず、今もなお依頼が殺到しているこのサービス。
頑張り過ぎたくない、ガツガツしたくないー、ほどよく生きたいと思っているにも関わらず、職場や家庭などでは常にナンバーワンになること、オンリーワンになることが求められる現代。SNS上では必要以上の「つながり」が求められ、便利なはずのツールも、いまや「SNS疲れ」と揶揄されるほど。
恋愛や友人関係、仕事に家庭など、いつも何かに追われている現代人が欲していたのは、「なんもしない」「ただそばにいてくれる」“レンタルなんもしない人”だったのです。そんな「レンタルなんもしない人」の“なんもしない”お仕事ぶりを初のドラマ化!
“なんかする”があふれた今の時代に
”なんもしない”が生み出すものとは?
(公式サイトより)


Twitterで始められた「レンタルなんもしない人」というサービスがバズった理由は色々と考えられますが、一番はネットとの相性の良さだと思います。

自分の興味関心あるものを気軽に共有やお勧めでき、物理的な制約もないため一気に情報が伝達されるのがネットの強みです。

リアルの世界では何かを共有やお勧めするにしてもその内容を担保しないと自分に思わぬ被害が及ぶ可能性があります。

また、匿名や最低限どのプロフィールで発信できる点もネットの強みです。(これについては一長一短ありますが)

このようなネットの強みとキャッチーなサービスが相乗効果を生んだことがバズった大きな理由かと思います。

この様なつながりが価値を生む現象を見ると「弱いつながり(紐帯)の強さ」という理論が思い浮かびます。

弱いつながり(紐帯)の強さ

「弱いつながり(紐帯)の強さ」は

弱い紐帯の強み
社会学における「弱い紐帯の強み」"The strength of weak ties" 説はグラノヴェッターの名を高からしめた。この説は、緊密な社会的繋がり、例えば親友や核家族は力を行使するには適当だが、密なネットワークは高度に冗長な情報を持つため、探索にはほとんど無用であるとするものである。一方、弱いつながり、即ち単なる知り合い関係では情報の冗長性がはるかに低いため、探索には極めて有効である。しばしば情報は力よりも重要であるから、個人が発展していく(求職等)には弱い繋がりの方が家族や友人関係よりはるかに重要となる。
この説は1970年、ハーバード大学の博士課程在籍中に行われた調査に基づく。282人のホワイトカラー労働者を無作為に抽出し、現在の職を得た方法を調べたところ、よく知っている人より、どちらかといえば繋がりの薄い人から聞いた情報を元にしていたことが判ったのである。これは「よく知っている」人同志は同一の情報を共有することが多く、そこから新しい情報が得られる可能性は少ないが、「あまり知らない」人は自分の知らない新情報をもたらしてくれる可能性が高いからだと考えられた。このような「あまり知らない」間柄を「弱い紐帯」と呼び、その重要性を明らかにしたのがグラノヴェッターの功績である。
出所;ウィキペディア 「マーク・グラノヴェッター」より
簡単にまとめると、「弱いつながりの強さ」とは弱いつながり(例;SNSなど)の人の方が多様性に富み自分に無いものを持っていることが多い為、強いつながり(例;親子、会社か学校の仲間)の人に比べて新しい知識や有用な情報が得やすという理論です。

となります。

今でいうところの「多様性」が大事といったところでしょうか。

確かにこの理論の通り新たな気づきを得るには弱いつながりの方が有利な面もあると思いますが、それ以上に大事な面が弱いつながりに隠されていると個人的に思います。

その大事な点を考えるにあったてPM理論をご紹介します。(なんか今日は理論を紹介してばっかで恐縮です。)

PM理論

PM理論とは、

リーダーシップをP:Performance「目標達成能力」とM:Maintenance「集団維持能力」の2つの能力で構成されるとし、目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより目標を達成する能力(P)と、メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持する能力(M)の2つの能力の大小によって、4つのリーダーシップタイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)を提示し、PとMが共に高い状態(PM型)のリーダーシップが望ましい

とした理論です。

(ご参照;以前にPM理論について書いた記事はこちら↓↓↓)

ここではリーダーシップは置いておいて集団においてのP「目標達成能力」とM「集団維持能力」と「弱いつながり」について考察します。

言葉が硬いのでRPGで例えるならばP「目標達成能力」は「攻撃力」、M「集団維持能力」は「防御力・回復力」とするとイメージしやすいかと思います。

「弱いつながり」は知識や情報を得られる=P(攻撃力)が高められるという強さがあるわけですが、個人的にはM(防御力・回復力)を高めてくれる効果こそ真の強さでは無いかと思うわけです。

ドラマ「レンタルなんのしない人」でも何かに失敗して落ち込んだり、困っている人がレンタルさんと会うことで本来の自分自身を取り戻していくというエピソードが1話完結で描かれています。

題名の通りレンタルさんは何もしないわけですが、だからこそ会った人も気軽に素の自分を出せますし後腐れもありません。

これが「強いつながり」であれば弱みを見せられなかったり、今後の関係性を考えるあまり本音を言えなかったりします。

つまり「弱いつながり」にこそ「自分らしく居られる場所」が見つけやすく、困った時や辛い時の休憩所という意味合いこそが「弱いつながりの本当の強さ」であると思うのです。

最後に

決して「強いつながり」を否定しているわけではありません。

親子や会社、学校など「強いつながり」には「強いつながり」の良さや強さがあります。

しかしながら「強いつながり」ならではの煩わしさやおおっぴらにできない「自分らしさ」があるのも事実。

そんなおおっぴらにできない「自分らしさ」でも受け入れてくれる「弱いつながり」があればきっと人生における防御力・回復力を高めてくれる場所となるはずです。

私自身もこのnoteで「強いつながり」では見せていない「自分らしさ」を表現させて頂いておりますが、「弱いつながりの本当の強さ」=「自分らしくいられる場所の存在意義」を価値を日々感じています。

今後ともこの場を通じて「自分らしさ」を表現していきたいと思います。

本日は以上になります。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。


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