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耐え難い喪失感に対抗するには(アニメ銀英伝#23より)

掛け替えのない親友や愛する家族などを失った場合の喪失感は計り知れません。その様な耐え難い喪失感に対抗するにはどうすれば良いか。9月7日放送のNHK Eテレアニメ『銀河英雄伝説』を色々と考えさせられた点を書かせて頂きます。

あらすじ(9/7放送 #23 「さらば、遠き日」より)

(アニメ公式サイトより)
リップシュタット貴族連合との戦いは決着した。ラインハルトは敵の本拠地だったガイエスブルク要塞において、戦勝式典と捕虜の引見を行う。式典会場に入ろうとしたキルヒアイスは、衛視から銃を持ち込まないよう注意を受ける。これまでが特別扱いだったのだ、と自身を納得させるキルヒアイス。会場のラインハルトの前に、ブラウンシュバイクの腹心、アンスバッハが主君の遺体を収めた棺とともに現れる……。

※以下ネタバレあり

裏切り者の汚名を着せられてもアンスバッハがラインハルトに近づいたのは主君ブラウンシュバイク公の最後の命令を果たすためでした。

すなわち

ラインハルトを暗殺せよ

それを実行すべく棺に隠していた武器を手にとりラインハルトに向けた瞬間、キルヒアイスがその身を挺してラインハルトを守ることに成功。

しかし、その凶弾によりキルヒアイスは命を落としてしまいます。

腹心の部下であり、幼少期からの親友でもあったキルヒアイスを失いかつて見せたことの無いほど取り乱すラインハルト。

さらに姉のアンネローゼもこの事実を知り事実上の絶縁を告げます。

掛け替えのない親友と愛する唯一の家族である姉を同時に失ったラインハルトの喪失感たるや如何程でしょう。

それでも歴史のうねりは止まる事を知らず、失意にくれるラインハルトをそのままに、その部下たちはこれを好機と政敵達を一掃しラインハルトは事実上銀河帝国の支配者とな離ます。

そして「銀河を手に入れる」という亡き朋友との約束を果たすため、心に開いた穴を埋める様に自由惑星同盟との戦いに身を捧げることを誓うのでした。

耐え難い喪失感に対抗するには

ラインハルトはキルヒアイスとの約束でもある「銀河を手に入れる」つまり全宇宙を統一するという野望を胸に失意の内から脱します。

そして自由惑星同盟にはラインハルトが認めたヤン・ウェンリーが居ます。

ライバルと認めた彼と戦うことだけが今のラインハルトの喪失感を埋めてくれる唯一の方法なのです。

これが健全かどうかはさておき、耐え難い喪失感に対抗する最も効果的な方法は何かに

「没頭する」

ことです。

人間の脳は基本的にマルチタスクをする様にはできていません。

つまり何かに没頭すると、他のことは考えられないのです。

逆にこの人間の性質を活用すれば「耐え難い喪失感」も別の物事に「没頭する」間は考えられないということになります。

「忙しい方が悪いことを考えなくて済む」

という風な話を聞いたことがあるかもしれませんがまさしくそれです。

ただ、「没頭する」ことの中でも健全なものもあれば不健全なものもあります。

不健全なものの代表としては

お酒、ギャンブル、クスリ、自分や他人を傷つける

等々があります。

この様な不健全なものに没頭することを防ぐためにも

・自分の役目、天命、ミッションなどを意識する

・良き仲間を持つ

の2つを意識することが大事です。

常日頃から自分は何のために生きるのかを考え、その考えに沿う仲間の存在があれば必ず耐え難い喪失感にも対抗出来るはずです。

自分に何を教えようとして起こった事なのか意味を考える

「没頭する」ことで喪失感を一時忘れることはできますが、これは痛み止めの様なもので時に喪失感がぶり返してきます。

その喪失感が大きければ大きいほどその痛みも大きく頻度も多いでしょう。

そんな時に必要なのが喪失感を生んだ出来事が

自分に何を教えようとして起こった事なのかその意味を考える

ということです。

キルヒアイスの死がラインハルトに何を教えるために起きた出来事なのか。

これは今後の展開を待たねばなりませんが、大事な何かを教えるためであったことは間違い無いと思います。

事実を変えることはできませんが、それが自分にとってどんな意味をもたらすのか、その「解釈」を変えることはできます。

むしろ「解釈」を糧に自分の人生をより良くしていくことこそが起きてしまった「事実」に対する唯一の恩返しなのかもしれません。

(※ご参照;以前に「事実」と「解釈」について書いた記事です。併せてお読みいただければ幸いです。)

最後に

耐え難い喪失感に対抗するために必要なことは大きく

・(健全な物事に)没頭する
・自分に何を教えるためにそれが起こったか考える

の2つになります。

今現在この様な状況に陥られている方の生きるヒントに少しでもなることができれば幸いです。

最後までありがとうございました。(了)

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