旅行から帰ってきて「やっぱり家が一番」という気持ちがわかる?名著3冊
旅行から帰ってきてまず一言あるある
「は〜、やっぱり家が一番落ち着くな〜!!』
これを言ってしまうとせっかくの旅行は何だったんだと思うかもしれませんが、
逆を返せば「旅行に行ったからこそ家の良さがわかる」とも言えなくもありません。(ちょと無理がある??)
「外の世界を知ったからこそ内の世界の良さがわかる」という気持ちささせてくれる名著3冊を瞬読したのでご紹介します。
3つの名著とその共通点
『代表的日本人』 内村鑑三
『武士道』 新渡戸稲造
『茶の本』 岡倉天心
この3つの名著には以下の様な共通点があります。
共通点①日本人とは何かについて書かれている
共通点②英語で書かれている
共通点③書かれた時代がほぼ同じ
それぞれ詳しく解説していきます。
共通点①日本人とは何かについて書かれている
この3冊の共通点の一つ目は「日本人とは何かについて書かれている」ことです。
『代表的日本人』は5人の日本人の生き様を通して日本人の根底に流れるDNAを記しています。この5人に共通する点は私利私欲には決して走らず大義のために生死をかけて信念を貫く姿です。
『武士道』はこの3冊の中では一番有名だと思いますが表題の通り日本の武士、侍の生き様を書き記したもので海外でもベストセラーになりました。一神教では無い日本でどの様に道徳を教えているかという疑問に答える形で、盟主や親の為に身を捧げる「忠孝」など武士道の教えを紹介しています。
『茶の本』は名前から想像するのは難しいのですが実は日本の茶の歴史や文化を通じて日本人の心、精神性(例えば侘び寂びや不完全を好む美意識、もののあわれ等)を伝えています。
共通点②英語で書かれている
この3冊に共通する2つ目の点が「英語で書かれている」ということです。
著者は3人とも幕末の時代に生まれた純粋な日本人です。
それなのになぜ日本語ではなく英語で書かれた?
その理由は著者が3人とも海外に留学経験があるというのもありますが、1番の理由は海外の人に読んでもらう為です。
海外の人に「日本人」とは何たるかを示す為に書かれたのがこの3つの名著なのです。
ではなぜ海外の人に「日本人」とは何たるかを示す必要があったのでしょうか?
それは3つ目の共通点と関係してきます。
共通点③書かれた時代がほぼ同じ
3つ目の共通点は「書かれた時代がほぼ同じ」ということです。(何なら著者もほぼ同い年です)
それぞれの著書が出された年と著者の生没年を以下に記します。
1894年(明治27年)『代表的日本人』内村鑑三(1861〜1930)
1900年(明治33年)『武士道』新渡戸稲造(1862〜1933)
1906年(明治39年)『茶の本』岡倉天心(1863〜1913)
この3冊は日清戦争(1894年)から日露戦争(1904年)の頃に書かれた本で、日本という国の存在感が列強各国で増してきていたという時代背景がありました。
わずか2、30年前まで鎖国していて工業的な発展も遅れていた小さな島国がなぜここまで短期間に躍進できたのか?
そんな時代の求めがこの3冊を書かせた言っても過言では無いでしょう。
最後に
この名著3冊を読んで一番感じたことはその内容の素晴らしさもさることながら
本当の良さを知るには外の世界から見る必要がある
ということです。
著者の3人も海外に留学し外の世界から日本と日本人を見たからこそ、その良さを著書に書き記せたのだと思います。
だから、旅行から帰ってきて「やっぱり家が一番」というの決して悪いことでは無いです。
外の世界を知ったからこそ家(ウチ)の良さを知ったわけですから・・・(了)
おまけ
1960年に43歳の若さで米国大統領に選出されたジョン・F・ケネディは「尊敬する日本人は?」と聞かれて「上杉鷹山」と答えました。
ケネディは内村鑑三の『代表的日本人』の中に書かれた「上杉鷹山」について読んでいたとのことです。
※ご参照;以前に上杉鷹山について書いた記事はこちらです↓↓↓