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「弱み」は他の人の「強み」がカバーしてくれる。『私の家政夫ナギサさん』を観て思ったこと
8月18日放送TBSドラマ「私の家政夫ナギサさん#7」は「ドーパミン(目標達成追求)タイプ」、「オキシトシン(人間関係重視)タイプ」、「セロトニン(安心・安全優位)タイプ」、この3タイプの「強み」と「弱み」が垣間見える回でした。そしてそれぞれのタイプの「弱み」を別のタイプの「強み」が上手くカバーしていると感じました。
なぜその様に感じたのか放送内容と合わせてご紹介します。
今週の「私の家政夫ナギサさん」
(公式サイトより)
メイ(多部未華子)の仕事先で、ある女性・箸尾(松本若菜)を見かけたナギサさん(大森南朋)は、それ以来料理の失敗が続くなど心ここにあらずな様子。
ナギサさんの緊急事態と感じたメイは、彼の自宅を訪ねることに。
するとナギサさんはこれまで秘密にしていた過去をメイに話し始める。
一方、メイと田所(瀬戸康史)は、互いのことを意識するあまり、ぎこちないやり取りを続けていた。
そんな二人を見た薫(高橋メアリージュン)は、あきれ顔。
あと一歩踏み出すきっかけをつかめない田所は、メイと煮え切らない関係を断つべく思わぬ行動に...。
※以下ネタバレ注意
これまで語られなかったナギサさんの過去が明らかに・・・
これまで張られていたナギサさんの過去の伏線が遂に回収され、MRになった理由や辞めた理由そしてナギサさんの「戒め」が明らかになりました。
その「戒め」とはひとつは母親を、もうひとつはMRの後輩だった箸尾さんをしっかりと見守れなかったことです。
母親がガンになったことをきっかけに薬に詳しくなりたいという思いでMRに転職したナギサさんでしたが、だんだんと仕事に忙殺されてお見舞いに行く回数も減り最後はお母さんの死に目にも会えませんでした。
後輩の箸尾さんは仕事ができるナギサさんのノウハウを盗もうと教えを請うほど仕事に対して真面目で努力家ですが、無理をし過ぎる嫌いがありナギサさんも心配していました。ただ、ナギサさん自身も自分の仕事やお母さんの死で大変だったので箸尾さんを見守ることが十分に出来ず、結局箸尾さんは無理をし過ぎてパンクしてしまい精神を病んでMRを辞めてしまいます。
辛いのにそれをわかってあげられなかった。しっかりと見守ってあげられなかったという後悔がナギサさんの心にずっと引っかかっていて、それを忘れない様に箸尾さんが職場に忘れていった手帳を「戒め」としてずっと手元に置いてたのです。
前回の放送の最後でナギサさんが病院で箸尾さんを見かけたことで後悔の念が再燃し家事代行の仕事でミスを連発。そんなナギサさんを心配したメイがナギサさんのために行動します。
その後メイはナギサさんのもとに箸尾さんを連れて行くことに成功し話し合いをすることに。
最終的には後悔していたことはナギサさんの思い違いで、箸尾さんは色々と気を使ってくれたナギサさんに心から感謝していました。(ナギサさんが持っていた「戒め」の手帳の中に感謝の言葉が書いていた)
更にMRを辞めた後結婚して子供も産まれ今とても幸せだということと、病院に行ったのは治療のためでは無く医療事務として働くためだったことも判明します。
結局何もかもナギサさんが一人相撲、それを正してくれたのがメイでした。
これまでメイはナギサさんに対し自分の弱い部分は知っているのにナギサさんの弱みを知らないのはずるいと言っていましたが、今回でお互いに弱みを見せ合いまた助け合ういわば対等な関係性になったわけです。
これが今後の話しの展開にどう影響するか次週も放送が楽しみです。
メイの変化
「私の家政夫ナギサさん」を第1話から観ているますが、メイの変化や成長にスポットを当ててみますと、
当初のメイは掃除、洗濯、料理と家事全般が苦手ですが仕事は出来て充実している様に見えました。ただ仕事に没頭するあまり無理がたたって体調を崩してしまいます。
母親の「あなたはやればできる子」という呪いが小さい頃からメイを縛っていたのです。そんなときに家政夫のナギサさんと出会うことで自分自身を大事にすることの大切さに気付きます。
またリーダーを任された当初は自分で全てこなそうと無理をしていましたが、メンバーの個性を活かして仕事を分担することや、メンバーの話を聴いて寄り添うことでチーム全員が活気付き仕事面も好転してきます。
3つのモチベーションタイプ
メイの変化を神経伝達物質とその出やすさで3つに分けたモチベーションタイプで見てみます。
①ドーパミン優位=目標達成追求タイプ
②オキシトシン優位=人間関係重視タイプ
③セロトニン優位=安全安心優先タイプ
それぞれに分泌されやすい神経伝達物質が違います。
これらの神経伝達物質がどういう働きをするかがわかればそのタイプの特徴がわかります。
①ドーパミン
人が何かを達成した際に喜びを感じさせるのがこのドーパミンです。
「強み」ドーパミンが分泌されやすい人はやる気に満ちていて目の前の困難を克服し目標を達成した李、好奇心旺盛で新しいものを手に入れることに喜びを感じます。
「弱み」反面、達成欲した後は飽きっぽかったり、成果や効率ばかり追い求めるあまり周囲と軋轢を生み敵を作りやすいという面もあります。
②オキシトシン
人と人とが共同作業をしたり、困っている人を助けた時に嬉しいと感じさせるのがこのオキシトシンです。
「強み」オキシトシンが分泌されやすい人は誰かを喜ばせたり良い意味で期待を裏切ったりと人とのつながりを大事にします。
「弱み」反面、自分の考えというものがあまり無く八方美人に見えたり、頼めれたら嫌と言えない面もあります。
③セロトニン
目覚めの良い朝やお風呂に入ってリラックスする時に心地良いと感じさせるのがこのセロトニンです。
「強み」セロトニンが分泌されやすい人は自分の快適な時間や空間を大切にし、それを脅かされないよう守ろうと努力します。
「弱み」反面、大きな変化を嫌うので行動に移すには時間がかかるため臆病で消極的に見えてしまう面もあります。
メイの変化を時系列に示すと以下の様になります。
メイの変化
仕事最優先(ドーパミン優位)→
頑張り過ぎて倒れる→
自分を大事に(セロトニン優位)→
復活→
リーダーとして挫折→
メンバーを活かす・傾聴する(オキシトシン優位)→
チームとして機能
回を追うごとにメイが人間といしてもビジネスパーソンとしても成長が感じられる点もこのドラマから目が離せない理由です。
(※ご参照;以前モチベーションのタイプについて書いた記事はこちらです↓↓↓)
タイプ別の弱点
実は今回は3つのタイプそれぞれの「弱み」もドラマの中で表現されていました。
それぞれの「弱み」とドラマ内でのエピソードは以下の様になります。
①ドーパミン(目標達成追求)タイプ
→無理をしすぎる。話を最後まで聞かない。
(例;仕事を無理して潰れてしまった箸尾さん、ナギサさんの話を最後まで聞かないメイ)
②オキシトシン(人間関係重視)タイプ
→優柔不断で人に振り回される。自分に自信がない。
(例;その気が無いのに誘われると薫とデートしちゃう田所、条件をつけて告白する田所)
③セロトニン(安全安心優先)タイプ
→自分で勝手に解釈してしまう。自分の殻に閉じこもる。
(例;箸尾さんに対し勝手な解釈で長年苦しむナギサさん、メイに聞かれても自分のことはあまり語らなかったナギサさん)
どのタイプも「強み」、「弱み」の両方あって、そのバランスが重要です。
最後に
これまでは
・仕事で無理をし過ぎたメイ(ドーパミンタイプ)をナギサさん(セロトニンタイプ)が人間らしい生活を促すことで癒す
・メイが傾聴すること(セロトニンタイプ)ことで天馬さん(オキシトシンタイプ)がチームに貢献する心が芽生える
という関わりがありましたが今回初めて
・悩むだけで行動しないナギサさん(セロトニンタイプ)をメイ(ドーパミンタイプ)の行動力で解決する
こととなりました。
何が言いたいかというと
それぞれのタイプの「強み」・「弱み」があって、
その「弱み」を助けてくれるのは別のタイプの「強み」
ということです。
今回ナギサさんが抱えていた悩みもナギサさん1人では何の解決もしなかったと思います。
メイが積極的に動いたからこそ解決できたわけです。
強い面を活かしながら弱い面を別のタイプがカバーしてくれる
そんな人と人との関わり合いが観られるのがこのドラマの大きな魅力の一つです。
来週はメイとナギサさん、そこに田所も関わってきそうな形で終わりましたのでその関係性がどうなるかに注目して次回の放送を楽しみたいと思います。(了)