ボックスシート懐旅情、浅草から揺られたあの日-仲間をつないで
2017年4月15日、廃止が迫る「東武快速」に乗車した旅。会津田島で一息つき、12時31分発の区間快速で新藤原まで戻ってきました。同駅で前に2両増結、すでに停車中の編成の後ろに付きます。
6050系は登場当初は密着自動連結器が装備されていましたが、90年代半ばに電気連結器付密着連結器に交換され、自動解結装置によって連結・解結作業が効率化されています。
寂しくなった鬼怒川公園
新藤原からひと駅、鬼怒川公園で下車します。
向かいに特急スペーシア日光詣塗装(14時10分発きぬ126号)が停車していました。2020年現在のダイヤでは同駅を始発とする列車は設定されていませんので、1番線に停車するスペーシアは貴重な姿ではないでしょうか。
土曜日のお昼、鬼怒川温泉駅ホームではそれなりに観光客の姿を目にしましたが、ここ鬼怒川公園駅はほとんど人の気配はありません。かつてはもう少し賑わっていたのですが・・・
鬼怒川公園から新藤原まで徒歩で移動します。新藤原駅は一部列車で東武鬼怒川線方面と野岩鉄道方面双方に折り返す列車が設定されていたり、早朝には特急スペーシアの発車もあるので構内は広々しています。
14時12分、4番線に会津田島発新栃木行きが入線してきました。そして9分後、野岩鉄道線方面に繋がっていない1番線には栃木始発の新藤原止まりの列車が入線、同駅始発の会津田島行きが接続して発車します。
同駅止まりの列車は15時16分発の区間快速・浅草行きとして折り返しますので、この列車に乗車することにします。6050系の幕回しは実に楽しいですね。
14時54分に到着した快速AIZUマウントエクスプレスからの乗り換え客もチラホラ。列車は定刻通りに浅草に向けて出発です。
4両編成の列車は下今市に到着します。ホームには先に東武日光発の2両編成が到着済みです。この列車と併結して6両編成となりますが、区間快速ですので新大平下までは各駅に停まります。
下今市では同年夏から予定されているSL大樹の運行開始に向けて準備が進んでいました。転車台の設置や駅の改良など、見違える姿となってSLファンを待ち受けることになります。
下今市からの帰路は特急きぬ130号に乗車することにして、最後の6050系快速・区間快速の旅にピリオドを打ちました。
長い歴史を持つ「東武快速」。将来復活する可能性もかなり低いことでしょう。そして2020年11月以降、ボックスシート6050系の運用自体が減っていことになりました。
”特急列車ではない、快適な鉄道旅の演出”が今後も失われずに残っていくことを願っています。
2017年4月15日撮影
【写真解説】
1・5~7枚目:新藤原
2~4枚目:鬼怒川公園
9・10枚目:下今市