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バンコク・ロックダウン(1)3月22日
タイの首都バンコクがロックダウンした。
2020年3月22日~4月12日までの間、大型ショッピングモール、レストラン、コンビニのウォークインスペース、美容室、運動場などなど。影響は、少なくない。
数日前から、兆候があった。タイ人のSNS上では、それらしい話が出ていたし、スーパーマーケットの棚は、心なしか商品が少なくなっていた。
3月21日の夕方、保健相からのCOVID-19に関する発表を受けて、バンコク都が判断した。そして、タイ国内務省から、バンコク都に近接する5つの県(ノンタブリー県,ナコンパトム県,パトゥムタニ県,サムットプラカン県,サムットサコン県)のバンコクと同様のロックダウンの宣言がされた。
これらの県は、バンコクに隣接していること、交通機関も延びていることなど、バンコク郊外と思える場所もあるので、当然のことかもしれない。
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在タイ日本大使館からのメール通知の内容から★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
保健省発表にあるように新型コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の感染拡大状況を受け,国家の経済、交通及び観光の中心であり,多数の人々が居住し、急速に感染拡大の危険性を有するバンコク都として,感染予防の観点から人々が集う施設などを制限し,感染拡大の危険性を減退させる必要がある。
仏暦2558年感染症法第35条(1)に則し,バンコク都知事は、バンコク都感染症委員会の3月21日の決議5/2564号により,3月17日の施設の暫定的な閉鎖に関するバンコク都告示を廃止するとともに,以下の施設を、3月22日から4月12日まで暫定的に閉鎖することを指示する。
1.レストラン(テイクアウトの場合,もしくはホテル内レストランが同ホテルの宿泊客にのみ食事を提供する場合のみ開業可)
2.ショッピングモール。ただし,スーパーマーケット,薬や生活必需品を販売する店,テイクアウトが出来るレストランは除く。
3.コンビニエンスストア内の飲食可能なエリア
4.市場・定期市(生鮮食品、水気を伴わない食品、テイクアウトのために調理された飲食物,ペット食品、薬や生活必需品を販売する店のみ営業)
5.美容室,理髪店
6.刺青や身体の一部に針等を刺す場所
7.スケート・ローラースケート場,その他の遊技場
8.遊園地,ボーリング場,ボードゲーム場
9.ゲームセンター,インターネット屋
10.ゴルフ場,ゴルフ練習場
11.プールや類似の活動を行う施設
12.闘鶏場,闘鶏養成場
13.仏教のお守りや仏像販売所
14.見本市場,会議場,展示場
15 .すべての教育レベルの教育施設と私塾
16.フィットネス,美容クリニック、美容関連店
17.健康増進施設(スパ,マッサージ店,美容マッサージ店)
18.ペット用スパ,入浴、トリミング,飼育,一時預かり施設
19.個室付浴場
20.入浴,サウナ,薬用サウナのサービスを提供する店
21.興業場(映画館,劇場,興行場)
22.運動場
23.エンターメント場や右に類似する施設
24.ボクシング場,ボクシング学校
25.競技場
26.競馬場
現状を看過すれば都民の健康に重大な影響を及ぼし得る緊急時であるため,本件により,仏暦2558年行政施策法第30条(3)に則した不服申し立ての権利行使を行い得ない可能性が存在する。
本件告示への違反は,感染症法に基づき,1年未満の禁錮刑又は10万バーツ未満の罰金乃至はその両方に処される。
本件告示は,告示をもって直ちに発効する。
仏暦2563年3月21日
アサウィン・クワンムアン警察大将
バンコク都知事
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それでも、遊ぶ若者
この措置とともに、域内(バンコク+周辺5県)の移動の制限が、かけられているそうだが、まるで効いていない。
バンコクの夜遊び場のクラブやバーが休業と聞けば、バンコクから車で1時間ほどにある、タイの湘南海岸、チョンブリ県バンセンのビーチまで来て、夜遊びしている。
タイのビーチは、砂浜にデッキチェアと日傘が置かれた『タイ風海の家』が連なっているのだが、夜にはデッキチェアもないので、ゴザを引いて友達と飲み食いしている姿が投稿されている。
また、バンコク脱出組も多数いるようだ。新型コロナウィルスの封じ込めのための『バンコク・ロックダウン』のはずが、バンコクから地方への人の移動を促進してしまった。これは、仕事ができなくなった出稼ぎ者だけでなく、休業となってしまった知識人も同様と聞く。
医療崩壊が起きるとしたら……
チャチェンサオ県の医師からフェイスブックに投稿があった。『マスクがない、寄付をして欲しい』と。
チャチェンサオ県は、バンコクの東、パタヤビーチのあるチョンブリ県に移動するときに通過する県で、バンコク⇒サムットプラカーン⇒チャチェンサオと、バンコク・ロック・ダウンの対象県に隣接している、バンコクから1時間程の距離。その田舎町の医師からの声だ。
この声からわかるように、医療用物資の供給が滞っている、あるいはできていない、あるいは予算がない等々、COVID-19の感染拡大を目の前にして、迎え撃つ体制ができていないようだ。
また、軍を擁して、行われている消毒活動だが、いわゆる防護服ではない状態での出動をしているとの投稿があった。これがどれほど真実であるかは、現場に行っていないので、わからないが、もし、そうだとすると、軍のみなさんには、頭が下がる。
国境閉鎖……鎖国状態へ
3月22日からタイ国と隣接する国との国境閉鎖が次々と伝えられている。
ラオスとの国境があるノンカイ県の通知を下記に記す。
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在タイ日本大使館からのメール通知の内容から★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
○感染症対策法の規定及び閣議決定等に基づき,ノンカイ県は,人・車両・物資の出入国を一時停止する。ただし,物資輸送車両及び乗員(1両につき1名に限る)は,友好橋出入国管理事務所の検疫担当官によるCOVID-19のスクリーニングを受けることにより通行可能とする。
○当該措置は,3月22日より事態が原状に復するまで実施する。
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おおむね、上記のような内容で、各ボーダー(国境)の閉鎖をしている。
ラオス:ノンカイ、ウボンラチャタニのチョンメック
カンボジア:アランヤプラテート
などは、閉鎖情報が聞こえてきた。
日本からの入国は……
日本からのタイへの入国には、
・72時間以内の健康証明書
・COVID-19罹患時に使える保険
の書類の提示が必要となった。
日本の空港でのチェックが入る。搭乗券が発行してもらえないということだ。ほぼ渡航は無理と感じる。
空の便の減便、休止の情報は、ずいぶん前から流れてきているが、これからどうなるのか。とりあえず、シラチャーで籠城することになりそうだ。