【やちむん通り】赤瓦屋根の風景が残る那覇市壺屋の焼物通り①
国際通りの筋道を抜けた先に、壺屋という陶器で有名な地域があります。
壺屋は、建物ひしめく那覇市内にあり、現在でも琉球王朝時代より続く陶器文化が根付く場所。
中でも「やちむん通り」と呼ばれる通りは、沖縄の伝統的な陶器である「やちむん」を扱うお店が立ち並ぶ通りで、観光客に人気のスポットです。
国際通りの喧騒と隣り合わせにありながら、歴史情緒残る穏やかな街並みを眺めるのが好きで、これまでに何度も足を運びました。
今回は、沖縄県民の私も大好きなやちむん通りの魅力を紹介しつつ、やちむん通りの風景を写真多めで紹介していきます。
・国際通りの近くで観光スポットを探している
・赤瓦屋根や沖縄の歴史を感じる風景を見たい
・のんびりと沖縄散歩を楽しみたい
そんな人におすすめの「やちむん通り」。
沖縄観光は初めてじゃないけれど、「やちむん通り」という名前は初めて聞いた、という方もぜひこの記事を参考にしてみてください。
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やちむん通りの基礎情報
那覇市の国際通りに隣接する壺屋には、古くから伝わる陶器文化が根づいています。
特に、「やちむん通り」周辺は、琉球王朝時代から続く伝統技術を受け継ぐ職人たちが集まる場所として知られています。
アクセス
国際通りの中にある「平和通り」を抜けた先にあります。
(牧志公設市場からからは徒歩約5分)
那覇の中心部である国際通りのすぐ近くにあるため、アクセスが便利で、時間がない時でもサッと足を運ぶとができます。
・ゆいレール安里駅から徒歩約10分
・壺屋バス停から徒歩約1分
・那覇空港から車で20分程度。
※専用駐車場はないため、近くのコインパーキングをご利用ください。
「やちむん」とは?
沖縄の方言で「焼物」(陶器)のことを指します。
やちむんは厚みのある形状に、魚や唐草の力強い模様などが特徴です。
歴史背景
壺屋の「やちむん」の歴史は遡ること、1600年頃。
琉球王朝時代の沖縄に、朝鮮人の陶工により陶芸の技術が伝えられました。
その後、琉球王府により県内各地に散らばった陶工たちが壺屋に集められたことで「壺屋のやちむん」が誕生するきっかけになったそうです。
壺屋は、良質の土と豊富な水があり港も近く、最高の立地だったようです。
沖縄戦では、奇跡的に被害が少なく、使用できる窯が残っていたことから、戦後の生活必需品(食器など)を作るために陶工たちが壺屋で焼物作りを再開。
そんな壺屋を中心に、警察署や配給所、市場などが出来ていったそうです。
戦後の闇市から派生したと言われている那覇市の台所・牧志公設市場が近くにあるのも納得です。
現在では、道などが整備され「やちむん通り」が壺屋を代表する観光地となっています。
やちむん通りの特徴
やちむん通りには多くの窯元や陶器を売るお店が並んでいます。
海外から訪れる人も多く、観光客にとっては一度は訪れたいスポットとなっています。
また、やちむん通りは風情のある瓦屋根のお店が、現在でも数多く並んでいます。
そのため、石畳でできたを道歩いているだけで那覇市の中心部にいながら「古き良き沖縄」の雰囲気を味わうことができます。
触れて・見て楽しむ「やちむん」
昔ながらの伝統的なやちむんを販売しているお店。
若手作家のおしゃれな作品を取り揃えたお店など。
伝統的な力強い模様のものから、現代的なシンプルかつ可愛いデザインのものまで。
やちむん通りのお店には、様々なデザインのやちむんが売られています。
沖縄のやちむんの模様は縁起物ばかり。
食器として使うだけでラッキーアイテムになりそうですね。
旅の思い出に、気に入った「やちむん」を購入してみてはいかがでしょうか?
また、食器に壺屋のやちむんを利用した食事処やカフェも数多くあるので、歩き疲れた際は一休みする場所もたくさんあります。
やちむん作りの体験ができる工房もあるので、興味がある方はぜひ申し込んでみてください!
歴史と文化を感じる散策コース
やちむん通りのおすすめの楽しみ方は、琉球王朝時代の歴史や文化を感じながら街並み散策をすること。
石畳のやちむん通りは、国際通りと全く違うゆったりとした雰囲気があり、思わず写真を残したくなるような赤瓦屋根の古い建物も数多く残っています。
また、大通から伸びる筋道から裏路地に入っていくと、昔の集落の面影を残す石垣の風景が続き、歩いているだけで観光になります。
それでは、やちむん通りの入り口方面から順に、おすすめの散策コースを紹介していきます。
那覇市立壺屋焼物博物館
沖縄のやちむん文化や歴史を学びたい方におすすめです。
やちむん通りの入り口付近にあるので見つけやすいです。
【開館時間】
10 :00~18:00(最終入館は17:30まで)
【休館日】
月曜日、年末年始(12月28日から1月4日)
【観覧料】
一般:350円(個人)/350円(団体)
大学生・小中高校生・未就学児:無料
>>壺屋焼物博物館ホームページ
博物館の屋外には、集落の上へと登る階段があり、可愛らしい「やちむんの花壇」が並んでいます。
階段を登った先は、博物館の屋外展示(古い窯を移設した展示)と、焼き物の神様が祀られている祠を見学することができるようになっています。
ぜひ博物館横の階段を登ってみてください!
焼物の神様「北ヌ宮(にしぬめー)」
博物館横の階段を登った先にあるのが、「北ヌ宮(にしぬめー)」です。
焼物の神様を祀る「北ヌ宮(にしぬめー)」は、焼物作りの土地ならではの神様です。
北ヌ宮の周辺はいつでも綺麗に整備されており、現在でも、壺屋の人々に大切にされている様子が伺えます。
南窯 (ふぇーぬかま)
沖縄県の文化財に指定されている南窯の歴史は古く、16世紀ごろに琉球王府によって作り与えられたと言われています。
南窯は「登り窯」という上へ階段状に伸びていく形状の窯です。
赤瓦に石柱といった作りが、琉球王朝時代の趣を残しています。
南窯は一般公開されており、誰でも無料で見学することができます。
【注意】
草が生い茂り足元が悪く、虫も多いため、夏場にサンダルや露出の多い格好で行く際は注意が必要。
那覇市の中心部にも関わらず、南窯周辺はガジュマルの群生地ということもあり、なんだかここだけ違う空間のようです。
裏路地散策
やちむん通りの裏路地に入ると、風情ある建物が並ぶ散策コースが広がっています。
裏路地には赤瓦屋根の民家や古い石垣も数多く見受けられるため、歩いているだけで観光になります。
また、裏路地にも工房やギャラリーが並んでいるので、ひっそりとした雰囲気の中、散策ポイントを見つける楽しさがあります。
新垣家住宅
今回は、以前より行ってみたかった琉球王朝時代の陶工の住宅「新垣家住宅」を見学することに。
新垣家住宅は、陶工の伝統的な住宅で、1974(昭和49)年まで陶業を営んでいました。
「新垣家住宅」は、伝統的な壺屋陶工の住宅形式を知る上で、唯一残された貴重な建造物であることから、平成14(2002)年12月26日に国指定重要文化財に指定されました。
現在も人が住んでいるそうですが、かつて陶工たちが作業をしていたエリアは、博物館のようになっていて、誰でも無料で見学することができます。
展示用に復元・追加された箇所も見受けられますが、当時使っていたものを展示しているものもあります。
屋外の展示スペースには井戸、粘土の不純物を濾過する場所、登り窯があります。
登り窯(通称:アガリヌカマ)は、赤瓦の屋根で覆われていて、琉球王朝時代の趣を残しています。
【公開日時】
金・土・日・休日(一部除く) 13:00~17:00
※臨時休・年末年始休(12/28~1/4)あり
【観覧料】
無料
【観覧時の注意】
・所有者が居住する区域は非公開となっているため、非公開エリアには立ち入らないようご注意ください。
・プライバシー保護のため非公開エリアの撮影等はNGです。
やちむん通りの井戸
水が豊富で焼物作りに適した場所と言われる壺屋には、現在も昔使われていた井戸が残されています。
沖縄では井戸や湧水の場所を「神聖な場所」として、年中行事では線香を炊いたりお供え物をします。
ここ壺屋でも、陶器作りに欠かない水を与えてくれる井戸は、特に神聖なものとして考えられているのかもしれません。
やちむん通りの端にある東ヌカー(アガリヌカー)は、壺屋集落ができた際に初めて作られた井戸と言われています。
水道の整備が整い、東ヌカー次第に使われなくなりましたが、現在でも拝所として大切にされています。
まとめ
さて、歴史と文化を感じるやちむん通りの散策はいかがでしたか?
やちむん通りを散策して、のんびりとした時間を過ごすのもよし。
お店に並ぶやちむんを手に取って買い物を楽しむのもよし。
やちむん通りでの過ごす時間は、賑やかな国際通りとはまた違う特別な旅の時間になるでしょう。
・国際通りの近くで観光スポットを探している
・赤瓦屋根や沖縄の歴史を感じる風景を見たい
・のんびりと沖縄散歩を楽しみたい
やちむん通りでのひとときは、沖縄旅行の合間に、那覇にいながら穏やかな時間を過ごすことができるかもしれません。
続きの記事では、やちむん通りを歩いた後に立ち寄った「てんぷら坂」の様子を紹介します。
やちむん通りと細い筋道で繋がっていおり、ローカルなお店が並ぶ、また味のある場所でした。
食事休憩のために入った食事処も写真多めに紹介しています。
▼興味がある方はぜひ続きの記事も読んでみてください。
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