マイナンバーカードの仕組み
1.マイナンバーカードとは
プラスチック製のICチップ付きカードで、本人の顔写真、氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバー(個人番号)が記載されている。本人確認の身分証明書として利用でき、自治体サービス、e-tax等の電子証明書を利用した電子申請サービスにも利用できる。
2.ICチップの中身
⑴券面記載事項(氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバー、本人写真等)
⑵総務省で定める事項(公的個人認証に係る電子証明書等)
⑶市町村が条例で定めた事項
※地方税関係情報や年金給付関係情報等の特定個人情報は記録されない
4つのアプリケーション(AP)と空き領域からなっている。空き領域利用には、国や民間企業であれば総務省の定めるところ、市町村や都道府県は条例で定めるところにより利用が可能になる。
住基AP:住基ネット関係事務の際、住民票コードをテキストデータとして利用するための情報が記録される。
券面事項確認AP:マイナンバーカードの表面情報(4情報(氏名、住所、生年月日、性別)+顔写真)と裏面情報(個人番号)の画像データが記録される。
券面事項入力補助AP:個人番号や4情報を利用する事務を行う際、個人番号や4情報をテキストデータとして利用するための情報が記録される。
【記録・利用する情報】
⑴個人番号及び4情報(並びにその電子署名データ)
⑵個人番号(及びその電子署名データ)
⑶4情報(及びその電子データ)
公的個人認証AP:署名用電子証明書と利用者用電子証明書の情報が記録される。
【電子証明書】
⑴署名用電子証明書(イメージとしては実印)
インターネットなどで電子申告や電子文書を作成、送信するときに、本人のなりすましやデータの改ざんがないことを証明する。
①利用者情報:発行番号(署名用)、公開鍵(署名用)、有効期間、基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)
②暗証番号:6〜16桁の英数字
③有効期間:発行日から5回目の誕生日まで(15歳未満には原則発行不可)
⑵利用者証明用電子証明書(イメージはID)
マイナポータルなどの各種webシステムやKIOSK端末などにログインするときに利用者が本人であることを証明する。
①利用者情報:発行番号(利用者証明用)、公開鍵(利用者証明用)、有効期間
②暗証番号:4桁の番号
③有効期間:発行日から5回目の誕生日まで
【マイナポータル】
政府が運営するオンラインサービスのこと。子育てや介護をはじめとする行政手続の検索やオンライン申請がワンストップでできたり、行政からのお知らせを受け取ることができる。
3.主な利用方法
⑴個人番号を証明する書類として
⑵各種行政手続きのオンライン申請
⑶本人確認の際の公的な身分証明書
⑷各種民間のオンライン取引
⑸様々なサービスを搭載した多目的カード
⑹コンビニなどで各種証明書を取得
※⑸及び⑹は市区町村によりサービスの内容が異なる
特に⑹は利用機会が多いと思われる。さらに2021年3月からはマイナンバーカードを健康保険証として利用することが可能になる予定である。
4.健康保険証としての利用開始(予定)
マイナポータルからマイナンバーカードの健康保険証としての利用申請を行うと、医療機関や薬局などで健康保険証としての利用が可能になる。ただし、医療機関側がマイナンバーカードの利用に必要なカードリーダ等の準備が必要なため、受診予定の医療機関等が対応しているか確認が必要である。
また、受診の際はマイナンバーカード内の利用者証明用電子証明書を利用してオンライン資格確認等システムから患者の資格情報を取得する。そのため患者側は今までの保険証の利用方法とさほど変わらないが、病院側は保険証の情報を医療機関システムに入力する必要がなくなるため、事務の手間を省くことができるとされている。さらに、限度額適用認定証等もオンライン資格確認を導入し、患者本人から情報閲覧の同意を得られれば、病院側で限度額的用認定証等の情報を得ることができる。この他にも細かなメリットがあるため、気になる方は総務省のホームページを参照してほしい。
今後、本格導入が始まるまでは今までどおりの保険証も配付されるようなので、マイナンバーカードの健康保険証としての利用申請をした人は、通常の健康保険証も持参して医療機関を受診すると良い。
5.まとめ
なんとなく「個人情報が心配」「政府に個人情報を勝手に抜き取られる」と思っている人も多いと思うが、今回の内容については、総務省から発表されている情報を調べれば不明点が解決する情報も多く、マイナンバーカードの普及に批判的になりすぎてもいけないのかなと感じた。