『矛盾社会序説』を読みました
三文でまとめるなら、
強いポジションにいる人々が便利・自由・快適な社会と人間関係を求めたせいで作られた負の側面が無視できないほど大きくなっている。
負の側面が生まれているのに、それでも便利・自由・快適な社会と人間関係を求め続けるのであれば、それは間接的に人を嫌悪し、疎外しているのと同義である。
『透明な人たち』に手を差し伸べるか、さもなくば人権の蹂躙や暴力の発生を『仕方のない被害』として受け入れるかを選ぶ必要がある。
……といった感じ。
保健所の捨て犬の内、飼い主が見つからず殺処分されるのは、かわいい/かわいそうから最も遠く離れた、大きく黒い犬ばかりだ。……というエピソードが初っ端から語られるような本だから、わかる人にはわかるだろう?
わからない人二こそ読ませたい(たとえルドヴィコ療法を使ってでもだ)本でもある。
それぞれの具体的な話は、私にとってはあまりにも当たり前すぎてどう語ればいいのか分からないのでパス! 買って読もう!
『透明な空の収容所』という私のブログタイトルの、『透明』の部分はこの本に出てくる『透明化された人びと』とほぼ同一のニュアンスを意識している。(より直接に近い由来は輪るピングドラムだった気がする。こっちも罪深い作品なのでおすすめしたい。)
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