今期のアニメ感想(続)(1/2)
多くのアニメが最終回を迎えつつあるということで、振り返り感想。
けものフレンズ2
積極的に苦痛を与えに来ている。
かばんちゃん再登場で何らかの期待を持たせてからの無意味なリレー走や、ヒトによる支配を示唆しておいての放置など、上げて落とすのが上手い。前職で拷問とかやってらしたんですか……?
ペパプ回や11話を見たところ、けものフレンズ2の面白くなさの原因はこれだけじゃなくて、『話が複雑骨折している』『期待や伏線をへし折る』『シリアスとギャグの緩急を勘違いしている(11話で顕著)』あたりの……なんでプロの大人の作品にこんな話をせねばならんのだ……減点要素も大きい。
ジョジョの奇妙な冒険
たぶん原作通りに、順当に面白い。
この記事を書いている現在、ナランチャvsティッツァーノ&スクアーロ戦。ナランチャの2度目の戦闘になる。
強すぎるフーゴ、戦闘向きじゃないアバッキオ、そして案外強すぎるナランチャ――ミスタが苦戦した相手もナランチャなら大体安全圏から勝ててしまうくらいには強い――それぞれに妥当な理由はあるものの、チームの半数がほとんど戦闘に参加していないのはどうなんだろう? 荒木先生的にはどう思っていたのか。
パープルヘイズが明らかに主人公チーム向きじゃないのは誰の目にも明らかだし、"案外"強すぎて退場したアヴドゥルとは違って、フーゴが一度しか戦闘しない(読者に思い入れを持たせすぎない)のは計画的な感じがする。
ボスが娘のトリッシュをぞんざいに扱ったことで、父親を守るためにギャングになったブチャラティが激怒し、反逆を覚悟する――親子関係は5部のテーマのひとつだということを踏まえると、ジョジョASB(あまり評価の良くない格ゲー)のオリジナル掛け合いでジョルノが父親について知ろうとしているのもきちんと原作の延長線上だなあと思う。
多弁に語られないものの、トリッシュと父親の関係はジョルノとDIOにもそっくりだ。
荒木先生は手癖や感覚で話を作っているように見えて、実は暗喩であったりオマージュ/パロディであったりを活かすのが上手くて、ヴェネツィア行き特急での戦いは浦島太郎のオマージュ(老化、釣り、亀)だったり、4部の透明な赤ちゃんはジョセフにとっての仗助(きちんと向き合ってこなかった隠し子)の暗喩であったり、1部のディオ・ブランドーが一般的な吸血鬼のイメージ(領土と屋敷と誇りを持った貴族)へのアンチテーゼだったり……偉い。
ボスへの反逆を決意するシーンで、ジョルノが全く描写のないままボートに乗るの、キングクリムゾンの能力が能力だけに余計なややこしさを生んでいる……原作ではどうなってるの、あれ。
ケムリクサ
たつき監督、ありがとう。
この作品に関しては、ネタバレは隠しつつ書くね。
いやがおうにもけものフレンズ2と並行で見る中で、重要でない戦闘や移動を本編の外(話と話の間)で済ませている所が引き締まった物語を生んでいるのかなと感じた。もし仮に、今の物語に対して2クール与えられていたら、今ほどの名作にはならなかったと思うくらいには。
……にしても、何も説明されない第1話から「仲間が一人死んだっぽい」「死んだけど、クローンみたいなのが数体いる」「数体いるけど、無限ではないらしい」という設定や、「絶望的とまではいかないけれど、精神的にも物質的にも追い詰められている」雰囲気を視聴者に掴ませるのが本当にうまい。本編の外での出来事を語らずに理解させられるのも、この技術ありきだなあ。
遊戯王VRAINS
順当に進んでるけど、展開がちょっと遅く感じるかも。
ラストダンジョン突入よりだいぶ前の時点で、敵の面子も目論見もデッキ内容もわかってしまっていて、「実はこんな過去が……!」「なんだって!?」(ぶつかり合いを経て心境の変化……!)みたいなドラマの余地がないことも明白だ。
人類を滅ぼそうとしているデュエル人工知能と、人類を滅ぼされたくない主人公と、デュエル人工知能を滅ぼそうとするライバル(主人公とライバルは共同戦線を張っている)。全員が覚悟を持って合理的に動いているせいで、作業的に殺し合って生き残った方が勝つ……としか言いようがない。
毎週1話ずつ、だらだら見ているから楽しめるけど、新規ファンが後から一気見するには辛いかもなあ……。
ブギーポップは笑わない
さすが伝説のラノベ。
スプーキー・Eが、精神操作系の能力者によって攻撃性を奪われて自殺するシーン(「前からずっとこうしたいと思っていたんだが、お前がこうしてくれたおかげでようやくそれが叶ったよ」的な)、Twitterと共に生きる我々には「攻撃性のおかげで自殺せずにいる人っているよね~」と簡単に共感されてしまうけど、執筆された当時だったら「おお、深いなあ……! まるで文学作品みたいだ……!(ラノベが文学作品じゃないとかって話じゃないけど)」みたいな感想を持たれてたんだろうか?
Twitterによる内心の共有は、文学や芸術をも陳腐化しうるかもしれない。
どろろ
手塚治虫原作の、未完の漫画が原作……らしい(今調べた)。
アニメオリジナルの要素もかなり大きく、また必然的に結末までオリジナルになる。
一番大まかなあらすじとしては、鬼神に目や鼻、喉や耳を奪われた青年が鬼神を退治することで身体能力を取り戻す話。運命はメインにもモブにも手厳しく、さながら児童向け忍殺のようなありさま。ショッギョ・ムッジョ、インガオホー。
……眠いので続きは明日!
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