歩くだけで筋肉はつくのか?

リハビリを介入していると、多くの方に
”よく歩くから筋肉がだんだん筋肉がついてくるだろう” や
”歩いたら筋肉つきますか?” など聞かれることがあります。
皆さんはどう思いますか?

私の答えは”NO”だと思います。
まったく運動しない方が散歩するなどの運動を行うのは多少なりとも変化を認めると思います。しかし、歩くだけで筋肉がついていれば、仕事をしているほとんどの人がムキムキになっていると思いませんか?

あくまでも私の個人的な考えなので、そのような研究をしている人がいないか調べてみて、1つ見つけたので紹介します。

渡邊らが書かれた
”地域在住高齢者の日常の歩数と下肢骨格筋の量および 質,運動機能との関連”

対象者
地域在住 高齢者282名(男性118名,女性164名,74.6±5.2歳)
14日間の平均歩数を分析に用いた.

結果
対象者の 一日当たりの平均歩数は6041±3379歩(男性 7021 ±3820歩,女性 5336±2831歩)であった.なお,有 効な歩数データを取得できた平均日数は13.2±1.8日 でした。

分析の結果,日常生活における歩数は筋組織厚と有意な正の相関関係を,筋輝度と有意な負の相関関係を有することが示された.しかしながら,男女別に分析すると男性では筋輝度との間にのみ,女性では筋組織厚との間にのみ有意な関係性が観察された.とあります。

この研究からわかることは、歩行は筋肉量維持に一定の関連があるということです。ただし、筋肉を増やすためにはほかの要素も必要かもしれません。
また、今回の対象者は高齢者であるため、若い方は当てはまらない可能性も考えられます。


では、歩くだけでなく、具体的にはどのようにすればいいでしょうか?
・個別の筋力トレーニングを行う。
例えば、お尻の筋肉をつけたい(ヒップアップ)のであれば
ヒップブリッジなどを行うなどです。

・運動の難易度を上げる。
歩くではなく、ジョギングや平坦道ではなく坂道を上る、階段を上り下りするなどが挙げられます。
ただし、運動習慣がない方がいきなり運動負荷を上げると、ケガの危険性が高まりますので、気を付けてください。

いいなと思ったら応援しよう!