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組換えスパイダーシルク:見込みとボトルネック(Ramezaniaghdam et al., 8 Mar 2022)

抄録:クモの糸は,強靭性,弾性,低密度などの優れた機械的特性を持ち,他の繊維素材と比較して最大値に達する.ケブラーや鋼鉄と比較しても,その優れた特性は明らかである.このような並外れた特性は,長い長さと特異なタンパク質構造に由来している.スパイダーシルク・タンパク質は20,000以上のアミノ酸から構成されている.ポリペプチドの伸張はタンパク質全体の90%以上を占め,これらのドメインは100回以上繰り返されることがある.それぞれの繰り返し単位は特定の機能を持ち,その結果,シルクの最終的な特性が決まる.このような特性は,医療や技術製品,化粧品などの革新的な材料開発にとって魅力的である.しかし,クモは家畜として飼育されると共食いをするため,大量のシルクを得ることはできない.スパイダーシルク・タンパク質(スピドロイン)を大量に得るために,植物,細菌,酵母,昆虫,カイコ,哺乳類細胞,動物など様々な発現系での組換え生産が試みられている.大規模生産を実現するためには,費用対効果が高く,効率的な生産システムが必要である.本総説では,様々な種類のスパイダーシルク,そのタンパク質と構造を説明し,植物系に重点を置いて,異なる宿主生物におけるこれらの難発現性タンパク質の生産について論じる.

Ramezaniaghdam, M., Nahdi, N. D., Reski, R. 2022. Recombinant spider silk: Promises and bottlenecks. Frontiers in bioengineering and biotechnology, 10, 835637(1-18).


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野口 大介(のぐち だいすけ)
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