形態学的解析により明らかになったナガコガネグモ(Argiope bruennichi)の毒腺の区分された管(Schmidtberg et al., 09 Apr 2021)
抄録:クモは最も成功した有毒動物の集団の一つだが,その毒液系の構造を決定するために十分な詳細が調べられた種は,驚くほど少ない.コガネグモ科(造網性クモ)の毒液系をより詳しく知るために,我々はナガコガネグモ(Argiope bruennichi)を選び,光学顕微鏡で毒器官の一般的な構造と形態を調べた.その結果,同様の調査が行われた少数の他のクモで報告されているものとほぼ同様の形態的特徴が明らかになった.しかし,毒管を詳細に観察したところ,構造的に異なる4つのコンパートメント〔仕切られた区画〕が存在することが明らかになった.これらのサブユニットは,マムシ(科の毒ヘビ)やイモガイの同様のサブユニットで既に報告されているように,毒成分の発現と分泌を促進するものであると考えられる.
Schmidtberg, H., von Reumont., B. M., Lemke, S., Vilcinskas, A., Lüddecke, T. 2021. Morphological analysis reveals a compartmentalized duct in the venom apparatus of the wasp spider (Argiope bruennichi). Toxins, 13(4), 270(1–16).
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