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ナガコガネグモArgiope bruennichi研究の解題

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ナガコガネグモ(Argiope bruennichi)を扱う研究論文のタイトルと抄録を和訳し,発行年月日順に示す.一部は,判断の上で対象から適宜除いた. #論文紹介 #生物がすき
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#論文紹介

クモ系の研究(自著・共著)

 インターネット上で参照可能な、当方によるクモに関連した出版済みの読み物を、ご紹介いたし…

生息範囲拡大中のナガコガネグモArgiope bruennichi(クモ目:コガネグモ科)のゲノム…

抄録: 成長、生態、行動における雌雄の違いは、種の生態を力強く形成している。クモのような…

ロシア,ウドムルト共和国のクモ(Sozontov, 24 Aug 2021)

抄録: 背景 長期プロジェクト「ウドムルト共和国のクモ」(2007-2018)は,クモ〔ナガコガネ…

カナリア諸島固有のクモDysdera silvatica(クモ綱:クモ目)の染色体アセンブリは,…

抄録:本論文では,カナリア諸島に生息する夜行性地表徘徊性クモDysdera silvatica Schmidt, 1…

サラグモ類の染色体レベルのゲノムは,毒の組成と進化への洞察を提供する(Zhu et al.…

抄録:クモは世界で最も豊富な毒を持つ捕食者である.クモの毒に関するこれまでの研究は,ほと…

総説:驚くべき隠された属性を持つスパイダーシルクと卵嚢シルク(Sethy & Ahi, 21 Ja…

クモ〔ナガコガネグモA. bruennichiを含む〕は多くの場合,いくつかの形態の絹糸を生成し,そ…

組換えスパイダーシルク:見込みとボトルネック(Ramezaniaghdam et al., 8 Mar 2022)

抄録:クモの糸は,強靭性,弾性,低密度などの優れた機械的特性を持ち,他の繊維素材と比較して最大値に達する.ケブラーや鋼鉄と比較しても,その優れた特性は明らかである.このような並外れた特性は,長い長さと特異なタンパク質構造に由来している.スパイダーシルク・タンパク質は20,000以上のアミノ酸から構成されている.ポリペプチドの伸張はタンパク質全体の90%以上を占め,これらのドメインは100回以上繰り返されることがある.それぞれの繰り返し単位は特定の機能を持ち,その結果,シルクの

アカオビゴケグモLatrodectus elegansの染色体レベルゲノムアセンブリから、毒と糸タ…

抄録: 背景 クロゴケグモは,非常に強い神経毒を持つ毒と,多様な糸からなる立体的なクモの巣…

MACE:化学生態学のための質量スペクトルのオープン・アクセス・データ・リポジトリ(…

抄録:MACEは,ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)用の電子衝突(EI)質量スペクトルのオ…

野生動物の保全科学と伝統的な知識の架け橋:専門家の指導と地元の知識保有者の参加の…

多くの人々は,学術科学と先住民族や地域の知識システムとの間の知識の共同生産を強化すること…

高性能配列解読による費用効果の高いマイクロサテライトの分離とジェノタイピング(Kr…

抄録:高性能配列解読(HTS)は,集団遺伝学や血統解析のための遺伝マーカーを迅速に単離する…

カマキリはクモの網から逃げることができるか?(Sugiura et al., 01 Nov 2019)

はじめに:クモは自分の網の中で捕食性の昆虫に遭遇することがあるが,どのようにして捕食して…

イベリアのコガネグモ属の種のニッチ分離(Peña-Aguilera et al., 27 Apr 2019)

抄録:イベリア半島の3種のコガネグモ属の生態的ニッチはこれまで定量的に詳細に研究されてお…

コガネグモ属のクモの糸の装飾:パターン変異の集約と特異的シグナル機能(Walter, 16 Sep 2019)

クモの網に施された糸の装飾は視覚信号と考えられている.しかし,模様のバリエーションが多いため,単一のシグナル機能である可能性は低く,現在の文献ではしばしば矛盾した説明がなされている.そこで本研究では,網の装飾の形状が特定の機能を果たすのか,あるいは様々な配置が単一の機能を果たすのかについて議論した.私は,ナガコガネグモArgiope bruennichi  (Scopoli, 1772)の絹の装飾形状の変化に固有の特性を,野外および不変の実験室条件下で研究した.その結果,ナガ