イベルメクチンとウイルス増殖抑制

ワクチン、治療薬の開発が急がれています。ワクチンは臨床試験が始まっておりその成果が期待されています。今のところ実用化されて評価されているワクチンはありません。

治療薬として今ある既存の治療薬も試されているところですが、その中で注目したいのがイベルメクチン(ivermectin)です。以下の論文ではそのウイルス感染症についての検証をしていて、ウイルス抑制効果はありという結論としています。

Ivermectin: a systematic review from antiviral effects to COVID-19 complementary regimen

作用機序などは完全には解明されてはいませんが、一つの仮説としては以下がわかりやすいです。

動物薬が新型コロナウイルス感染症治療の救世主になるか？ | 酪農学園大学動物薬教育研究センター

他の論文では、

４月８日 抗寄生虫薬イベルメクチンが新型コロナウイルスに効果がある理由（ Antiviral Research オンライン掲載論文） | AASJホームページ

この研究ではどのウイルスタンパクの作用が阻害されているのかについても明らかではない。仮説として、ウイルスの増殖に直接関わるタンパク質ではなく、ウイルスに対する自然免疫作用が核内でインターフェロンなどを誘導するのを抑えるタンパク質のインポーチンとの結合が阻害され、その結果抗ウイルス反応抑制が外れて、二次的にウイルス増殖抑制が復活すると考えている。

インポーチンというタンパクとの結合が阻害されるためにインターフェロンが産生されやすくなり、間接的にウイルスが抑制されるという仕組みのようです。

なんにせよ治験がもっと早く進み、安全で安心な薬ができればよいですね。