ワクチンでウイルスをやっつける仕組み - 3
1、2と予備知識ということでまとめてきましたが、ここからが本題のワクチンです。
ワクチンはこれらの免疫の力を人工的に、ほんとのウイルスが感染する前に準備しておこうという発想のもと行われているものです。
ワクチンを投与して本当の病気になってしまうと大変なので病原性をなくしたものを投与して防御機能だけ事前につけておくことが大事です。
今現在、よく使われているのが、弱毒した感染性のあるウイルスを直接使ったもの、感染性のないウイルスタンパク質を使ったもの、必要なウイルスの遺伝子を使ったものです。そして今注目されている遺伝子でもmRNA(メッセンジャーRNA)という遺伝子の雛形を使ったものです。
mRNA以外のものは通常の免疫機能、ウイルスの機能を使って特定の細胞をターゲットにしています。
mRNAはというとウイルスでもタンパク質でもないので普通に体の中に入れても分解されてしまいます。そこで脂質の膜をつけていろんな細胞の取り込まれるように設計されているということです。
ウイルスは感染する細胞は決まっていますが脂質の膜で覆われたmRNAはどの細胞にも入っていきウイルスタンパクを作らせることができるようです。
ウイルスをやっつける! - 感染細胞を死滅させる。
ウイルスが感染した細胞はT細胞に認識され破壊されます。一方抗体が出来てくるとより効率的に排除、不活性化が進みます。
やっつける方法は一番自分の体が知っているということです。大切なのはいつものように生活すること、体に無理をさせないで自分の力を最大限発揮させればある程度のウイルスであればやっつけられます。
ちょっと厄介なものに対しては事前に防御力をつけるためにワクチン接種が有効であるということです。ワクチンは基本的には無害であることが重要で感染防御に有効なものを作ろうと日々たくさん研究もされています。
ワクチンの限界
そんなワクチンも限界があります。ウイルスも子孫を残すために変異して免疫から逃げることが出来ます。それでも人間は予測してワクチンで防ぐべく日々研究されて効果のあるものを模索し続けているのが現状です。
いろいろ研究され実用化もされていますが、ウイルスなどの感染症をやっつけるのは今のところ自分自身の免疫が最強です。健康管理が大事でありワクチンはそのサポートをしてくれるという認識が良いのかなと思います。