インフルエンザウイルスの新薬について
ゾフルーザ、成分名 バロキサビル マルボキシルです。今までの薬はリレンザ、タミフルなどありますね。これがインフルエンザの増殖を止め、人をインフルエンザから守ります。良いところは1回の投与で効きめがあるのと治癒期間の短縮が期待できるということです。
さて、今までのタミフルとは何が違うのでしょうか?今までのタミフルの作用機序は、ノイラミダーゼ阻害です。それでは、ノイラミダーゼとはなんでしょう。
インフルエンザウイルスは人の細胞で増えます。人の細胞の中でしか増えることができません。人の細胞を利用して子孫を増やしまた違う人へと渡っていきます。
人に感染しないようにするためにはワクチンを打って防ごうとしますが、なかなかウイルスも賢いというか、なんとか人に感染しようと、ウイルス自体を変化させてなんとか生き残りをかけます。
そして感染してしまうと、人は早く治したくて薬を飲むわけですが、今まではインフルエンザの治療薬はタミフルを代表とする、ノイラミダーゼ阻害が主流でした。作用機序としては細胞で増えているウイルスが細胞外へでる際にノイラミダーゼという酵素の作用で細胞から切り離す必要があるところを、この酵素を阻害してウイルスを細胞外へ出れなくしてしまいます。これでウイルス感染から逃れられるということになります。
そして新薬です。ゾフルーザですね。この作用機序は細胞からウイルスを切り離すのを阻害することで増殖を止めることではありません。
ウイルスは人の細胞の中で増殖します。細胞の中では、ウイルス遺伝子を増やしていくことが必要です。遺伝子を増やすには、まず遺伝子をコピーして行かなくてはいけませんが、その役割を担うのがmRNAということになります。
この新薬、ゾフルーザはこのmRNAについて作用します。mRNAがうまく作用しないとタンパク質は合成できません。ウイルスの構造タンパク質ができなければ感染性を持ったウイルスはできません。この作用で急速に体も回復してくるということです。
新しい薬の紹介でした。