2019-nCoVが感染研で分離(写真を公開)
トップにあげた画像が感染研で分離されたウイルスの電子顕微鏡写真像です。
動物細胞由来であるVeroE6/TMPRSS2細胞(TMPRSS2というプロテアーゼを発現している)で分離されたようです。
細胞上清中のウイルスゲノムを抽出して、ほぼ全長のウイルスゲノムの配列を確定しました。これは、最初に発表されたウイルスの遺伝子配列と99.9%の相同性がありました。
ということで、この分離されたウイルスでいろんな研究がされることになりそうです。
国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルスを試験研究に利用する研究機関等へ分与することといたしました。
分与は、感染研病原体等安全管理規程による「病原体等の分与等に関する取扱要領」に書かれた手続きに従って行います。
上記規程にそってですが、他機関への分与も始まりこれからいろんな場所で研究がスタートすることができそうです。
もう1つ公開されている画像を紹介します。
VeroE6/TMPRSS2細胞に新型コロナウイルスを感染させて、細胞変性後に感染者の血清中の抗ウイルス抗体とウイルスが反応するのを観察したものです。抗体を緑色の蛍光抗体で検出しています。緑色に光る像がウイルスと反応した抗体を、青色に光っているのは細胞核を表します。
ということが補足で説明されています。
どうやって染色するかしくみをご紹介。順番に書いていきます。(実際にやられている方法とは違うかもしれません。一般的な方法ですので参考程度としてください)
1 分離したウイルスを人工的に培養できる動物細胞に感染させる
2 感染したヒトより血液(この血液にはウイルスに対する抗体ができています)を譲り受ける。
3 感染させた細胞に譲り受けた血液の抗体を反応させる(ウイルスと抗体を結合、くっつけてやる)
4 蛍光色素でラベルしたヒトに対する抗体を反応させます。
5 蛍光顕微鏡で観察(写真撮影)
という感じで染めることができます。蛍光染色ですので、暗い中に緑の光観察され見やすくなっています。蛍光抗体法と呼ばれ試験研究ではよく使われる手技です。
この写真については核も染めているようで、核以外のところが緑に染まっているのが観察されます。細胞質で増えているということがわかります。
なお、写真は以下の条件の、もと公開されています。
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