
PCRの仕組み。
感染症の原因となる、細菌、ウイルスなどを特定する時はPCR(polymerase chain reaction)を使い遺伝子を特定することが多くなっています。
そこで、PCRの仕組みを説明してみます。本来のPCRは2本鎖を加熱して1本にした上で、2本それぞれに塩基からなる短い配列をもつプライマーと呼ばれるものを反応して2本鎖を合成します。
2本を1本にしてそれぞれを酵素の力を借りて、再度2本鎖に再度編成していきます。
A,T,C,Gとは塩基と呼ばれるDNAを構成するものです。この4種類のみでアミノ酸を決め、ペプチド、タンパク質を決定していきます。すごいですね。ちなみに20種類のアミノ酸を決めるのは3つの塩基でトリプレット配列とも呼びます。
イメージです。まず加熱して2本鎖を1本にします。
増やしたいDNAと対となる塩基からなるプライマー(DNA断片)を混ぜ合わせに温度を下げてやると結合します。DNAの2本鎖では2本それぞれの"向き"(5'末端、3’末端と言います)が決まっておりプライマーはDNAの端に結合しての方から挟み込む感じで増幅をしていきます。
以上の繰り返しでたくさんのDNAを作っていきます(n回繰り返すと、2n倍のDNAが得られます)。通常ですと30サイクルぐらいで遺伝子のあるなしが確定できます。
PCRをする時に必要なものですが、中心的なものを上げます
95℃、55℃ 72℃ぐらいに温度を変化させることができること。
プライマーと呼ばれる短い塩基(増やしたいDNAと相補的なもの)。
2本鎖に合成していく場合の材料である塩基(A,T,C,G)
そして、合成するの最も重要な高温に耐えられる酵素!
綺麗な水と塩
この材料を元に温度を上げたり、下げたりの繰り返しでたくさんDNAをたくさん作ります。これら材料の中では酵素(DNAポリメラーゼ)の性能が重要です。
ウイルスなどはRNAしか持っていないウイルスが多いです。この場合どうするかですが、実は、無理やり2本鎖DNAにしてからDNAと同じく増幅できます。
新型コロナウイルス ウイルス、COVID-19もRNAウイルスでなので、1本鎖RNAを2本鎖DNAにしてPCRしていることでしょう。