見出し画像

【ファンコットの日本史】「大MOGRAファンコットまつり」(後編)



第2章 「大MOGRAファンコットまつり2018」

記憶が確かなら、2018年春頃。
私は数人のファンコットDJに声をかけていた。

「MOGRAでファンコットのイベントをやりたいのですが
 いかがでしょうか?」

あの日から私の中で、「秋葉原MOGRAでファンコットオンリーをやりたい」という思いがずっと残り続けていたのだ。

MOGRAでファンコットオンリーイベント。
過去に秋葉原MOGRAでファンコットを選曲するDJが出演する例は多数存在していたが、
開催時間まるごとファンコットオンリー、というのは前例がなかった。
(実はある などございましたらそっとお知らせくださいませ)

イベント名はあくまでも「大MOGRAファンコットまつり」としたかった。
あのブースレンタルデーの延長でもあり、正式なイベントとして行いますよ!という決意も表したかったのである。
発案者にイベント名をこれで行きたいとお伝えしたところ、「好きにやったらいい」というお返事を頂いた。
・・・それにしても、個人のチームで企画したイベントに思い切り店名が入った状態で 企画を通して下さったMOGRA様の懐の深さに、改めて感服する次第である。

8月、私はあの時ブースレンタルデーでDJをしていたファンコッターを集めて、開催日程・企画内容ふくめてプレゼンテーションを実施した。

一番念頭に置いていたのは、MOGRAというハコの規模でイベントを催すなら、現世代のファンコットDJを集めたい、ということだった。
この時点で既に、類似コンセプトのイベント「MEGA DUGEM」が最後の開催より4年前となっていたこともあり、
ファンコットDJが順調に増えていた今このタイミングで、それに近いことを実現させたいと考えていた。

会話した方々の同意を得て、MOGRA様へ店舗レンタル依頼を実施し、
日程調整を行い、DJを確保し、SNSや即売会で広報を行い、
その他ここに書くべきではないことを多数実行。
私にとってはじめての本格的なイベントオーガナイズとなり、

万全の状態で迎えた当日。
2018年11月17日。

・・・。

私はそのほとんどの時間で、記憶を飛ばしてしまっている。

唯一はっきりと覚えているのは、

DEATH STAR™のDJ中にブースに立っていたら 目眩がした

お酒を飲みすぎたのか、緊張しすぎたのか、運営という立場上色々動き回って楽しむどころではなかったのか。
はっきりとした記憶がまるでないのである。
私の中の「大MOGRAファンコットまつり2018」は、文字通り「夢のような時間」となったのである。終わった後の記憶が曖昧なことも含めて

パーティフォトの写真が残っている。
https://www.flickr.com/photos/chiptrick/albums/72157675797968598/

大MOGRAファンコットまつり

最後の方で、ブースに並べたボトル(スパークリングワイン)を数えたら、34本あった。

事前にMOGRA様から伺っていたボトルの在庫は30本。

・・・4本どこから出たのだ?
あとで聞いたのだが、どうやら夜営業分の在庫を販売したらしい。MOGRAの懐の大きさよ。

イベント終了後にご来場者向けのアンケートを募ったところ、そのほとんどで好意的な内容、また来場したいというご意見を頂いた。
それだけでも、「MOGRAで6時間ファンコット」という企画を実行して良かったのかなと思う。

そして私達は次なる目標を立てた。

もう1回やりましょう!大MOGRAファンコットまつり!!

・・・まさかそのもう1回が3年と半年後になるとは、このとき想像だにしなかった。

第3章「幻のまつり2019、2020春」

本企画を長い間応援されている皆様はご存知と思われるが、
まつりの「もう1回」は、これまでに2度企画され、
そのどちらも、イベント主催側では防ぎようのない事態にともなって、開催が中止となった。

1回めは2019年10月12日開催。
大MOGRAファンコットまつり2019」。

ファンコットまつり2019フライヤー 無想りんね様作

・・・この前々日に、台風の上陸が予想され、12日当日に大雨・強風が発生する可能性が予期された。
これを踏まえて、MOGRA様よりイベント主催側に、当日の営業中止・イベント開催中止が伝えられた。

企画から準備にゆっくりと時間をかけていたこともあり、非常に残念な気持ちでいた。
台風があけた13日、晴れ上がった外を歩きながらぼんやりとした気分でいたのを今でも覚えている。

台風で開催が叶わなかったということもあり、すかさず私達は代替日程をMOGRA様・出演者各位と調整実施した。
「台風が来ないタイミングの方がいいよね」という意見でまとまり、
「2020年4月4日」の開催で日程を抑えた。

大MOGRAファンコットまつり2020春」。
この企画名をつけた時点では、秋ころにもう1度開催できたらいいかな、という気持ちでもあった。

ファンコットまつり2020春フライヤー 無想りんね様作

・・・・・・。

2020年3月末、4月上旬のMOGRAについて営業を中止する旨が発表され、それにともない、「4月4日の開催」も叶わないものとなってしまった。
あまり明記はしたくないが、当時猛威を振るっていた感染症による、緊急事態宣言発令に伴うものだった。

ここで私の気持ちは一回折れてしまっている。それまで自分なりに楽しく取り組んでいたDJ活動を、ほとんど実施できなくなってしまうくらいには。

おわりに 「そして2022」

再起まで長い時間を要した。
ようやく、今年の5月21日に、
「大MOGRAファンコットまつり」ができる。

ファンコットまつり2022フライヤー 無想りんね様作

私一人の力、運営チーム(大MOGRAファンコットまつり実行委員会)だけの力では、ここまで来られなかったのではないかと思っている。
本イベント企画を応援して下さった方が、少なからずいらっしゃったことが、なによりの励みとなった。
ファンコットまつりを待っている人がいる。その事実が私達の心を動かした。

時期について慎重になるあまり、前回開催から3年と半年が経ってしまった。
ファンコットのシーンが少しばかり変容したこともあり、2019年に思い描いた企画とは少し趣が変わったが、
それでも、「いまの日本のファンコット」を「MOGRAの音響で6時間」楽しむ機会を作りたいという気持ちは揺らぐことがない。

奇遇にも多数の大型クラブイベントが連立している日となっているが、
その中でも、「秋葉原でファンコットを聴く」という選択をして下さる方が居るならば、これに勝る喜びはない。
筆者もたくさんのエクスクルーシブトラックを準備しながらまつりに備えている。そちらもすこしだけでも楽しみにして頂けると嬉しい。

そして今度は「夢」ではなく「現実」になった。
2022年度の開催は下記記事にまとめているので、引き続きお読みいただけますと、これに勝る喜びは無い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?