死の恐怖と向き合った体験
私はこれまでの人生で何度か死の恐怖に向き合って来ました
初めて向き合ったのはプロボクシングのデビュー戦が決まったときです
プロボクシングと言うものは危ない競技で
時々リング禍と言われる事故が起きます
私が現役の頃にも何度か試合中に亡くなる選手が出ました
プロボクシングの試合をするというのは
自分がそのリングに上がるのですから
死に対する恐怖がありました
その時、私がどうやって死の恐怖を克服したかと言うと
「自分は強い、リングで殺されることなど絶対にない」
と思うことでした
それともう一つは「飛び込むことです」
戦う前、思い切って自分の中での
「自分を守る意識」を無くすのです
その試合の結果は1ラウンドKO負けでしたが
最後まで相手に勇敢に向かって行くことが出来ました
次に死の恐怖と向き合ったのは
やはりプロボクシングのデビュー2戦目
その時も「自分の方が強い」
と思い、死の恐怖を克服しました
その試合も1ラウンドKO負けになってしまったのですが
次に死の恐怖を感じたのは
舌癌になったときです
あの時は天に命を預ける感覚になりました
24歳の時です
その時の舌癌は
放射線治療で治りました
でもその2年後、舌癌はリンパ節に転移しました
入院中
「自分はもう助からない」
と言う妄想が浮かんだ瞬間がありました
自分が哀れに感じて涙が出ました
26歳の時です
幸い、私は6時間の全身麻酔の手術の末、助かりました
時は過ぎ
37歳の時に
私は、9年半付き合っていた彼女を亡くしました
私は悲しみに打ちひしがれ
41歳の時
とうとう絶望して、飲食しなくなり
6日間身体拘束されました
その時は
ただただ悪夢の様に苦しくて
死に対する恐怖を意識することはありませんでした
拘束の最後の方は
このまま死ぬのかと思い
「オーマイガー」
とつぶやいたかどうだったか
絶望した記憶があります
でも実際には私は死なず、身体拘束は解かれました
そこから私の人生は本気モードになりました
それまでは何か
楽しい事や、幸せになることを求めていた感覚だったのですが
その時から
「とにかくやり続ける」
と言う意識になりました
最近は少し自分に対して緩くなってきましたが
人間、死にかけたときに思うことや感じることは
皆同じではありません
更に、何回も死にかけると
その回数だけ学びがあります
私に対して「もう楽になっていいと思う」
と言ううわさも聞いたことがありますが
「本気でやること」
が自分にとってやりたかったことなのです
これからもやっていきたいです
読んで頂き有り難うございました