軟着陸

アメリカのアトランタを本拠地にするインベスコが、日本でインベスコ・オフィス・Jリート投資法人を設立して、2014年より上場させていましたが、2021年11月9日に上場廃止となりました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%99%E3%

当時の報道された記事を読むと、インベスコ・リートがスターウッド・キャピタル・グループから株式公開買付け(TOB)をしかけられ、インベスコ・リートがスターウッドに支配されるのを嫌って、インベスコ側がリートの株式を買い付けて上場廃止にしたという印象を持ちました。

TOBされるのを嫌って上場廃止を選択する、一般の株式会社なら起こりうることだと思ってましたが、Jリートでこんな事態が起きるとは意外でした。

JリートへのTOBで話題となったスターウッド・キャピタル・グループは、今どうなってるだろうとググってみると、けっこう大変そうだなという記事が検索上位にきました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN210370R20C24A5000000/

4ヶ月ほど前の日経新聞の記事になりますが、スターウッドが運営する私募の不動産投資信託(RIET)の資金繰り難が表面化してきたと伝えてます。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-18/RY0GYMDWLU6801

こちらは2023年7月19日のブルームバーグの記事ですが、スターウッドが満期日までに2億1250万ドル相当の商業用不動産ローンの支払い義務を履行できなかったと伝えてます。

こういう記事を読んでるとスターウッドのTOBに対抗して、インベスコ・リートの自社による株式買付けによる上場廃止の選択は、妥当だったという気がします。

スターウッドの苦境が報道されるようになったのは、リモートワークの拡大とFRBの利上げの影響が大きく、資金繰りに苦しんでるアメリカの不動産会社やファンドは珍しくないでしょう。

アメリカの不動産、特にオフィスの不振については今日の日経新聞に関連する記事があり、「ニューヨーク大の推計によると、2019年〜2023年の全米オフィスは5680億ドル、約80兆円の価値が失われた」と記載されてました。

インフレ退治も大事ですが、高金利による負の影響を考えると、利下げの時期に来たということでしょうか。

アメリカの不動産市況を後退させた原因の一つである5.25%の政策金利について、FRBは0.5%下げると報道されてます。

アメリカの不動産の不振が続くと、やがて世界経済を後退させてしまうのではないかと心配になります。

今回のFRBのの利下げが、アメリカ不動産市況の適正な回復につながって、景気を軟着陸させてほしいところです。

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