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小さな水力発電所

水力発電所といえば大きなダムにある発電所を想像しますが、発電容量が1000kwに満たない小規模な発電所もあり、Wedge9月号に小水力発電について興味深い記事が載ってました。

Wedhe9月号 上坂博享氏の記事によれば、私達の身近にある小川でも用水路でも水力エネルギーは存在し、論理的に算出される水力エネルギーの例えとして、毎秒1㎥の水が50cm落下する場所では5kwのエネルギーが存在する、「実際には水車効率などによって4kw程度に減衰する」と記述されてます。

これだと100kwくらいの水力発電所なら、建設できる場所が多数存在する気がします。

ただし上坂氏の記事によれば100kwくらいの水力発電所でも、建設するには2億円から3億円はかかるそうです。

安定した水力を利用するため、建設のための資金調達として、金融機関からの融資がうけられるケースは多いというとWedgeで書かれてますが、小規模水力発電所でも建設のためには大きな決断がいるわけですね。

小規模水力発電所の例として、Wedge9月号では福井県池田町にある「水海川水力発電所」が紹介されてました。

福井県池田町へは、今年の4月に車で行きました。

福井県池田町 道の駅 4月

道も整備されていて、池田町は自然の豊かさを味わえる観光の町と感じました。

水力発電所が建設されたのは池田町の水海地区で、出力は199.9kwです。

水海地区は2000年以後に人口が45%減少し、水海地区出身の小水力発電の専門家である大学教授と友人が「衰退する故郷をなんとかしたい」と思い、故郷で実現できる事業として、水海川水力発電所は建設されたとあります。

建設のために様々な苦労があったことが記事にかかれてますが、費用も4億5000万円と大きく、4億円は銀行からの融資、5000万円は県と町の助成、賛同者の出資とあり、199.9kwの水力発電所建設のための資金でも簡単に集められる額ではありませんね。

いろいろな課題を乗り越えて今年4月に完成した水海川水力発電所の年間発電量は、設備利用率75%として130万kwhと見込まれてます。

記事によれば水海地区の全世帯の年間電力使用量は水力発電所の発電量の半分くらいで、余った電力は地区外に売ることができ、売電収益のうち200万円は地域のための資金にする予定で、記事を読んでると水海川水力発電所は衰退する地域を活性化させる動力源になりそうな気がします。

過疎のためにこれといった産業はないが、小規模な水力発電に適しているという地区は他にもあるはずで、水海川水力発電所が、小規模な水力発電に適した場所ならこのように活性化することができるという先行事例になるといいですね。




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