好きだったこの場所
東京を離れて2年ほど経つらしいのだけど(あまり記憶がない)好きだったカフェはもうほとんどが閉店してしまった。
今はグンマに住んでいるので、閉店は主にSNSで知ることになる。笹塚にあった「茶日」というカフェが閉店するのを知ったときは呼吸を忘れたくらいだった。
離れている間に好きだったお店がなくなってしまうのは入院している友達のお見舞いに行こう行こうと思っているうちに死んでしまう感覚に似ている気がする。
いくら後悔しても、もう声は聞けない。
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好きだった珈琲やご飯も含めて、あの空間に居られないんだなぁ、もう戻れないんだなぁ、と思うとじわじわ心にくる。
手触りが好きで撫でるのが癖になっていた木のテーブルも、柔らかな音の鳴るスピーカーも、明るいところの苦手なわたしにも優しい暗めの橙色の照明も、店のドアを開けたときの色んなものの混じった匂いも、ぜんぶがたまらなく愛しい。"お店は生きている"というのはよく聞く話だけど、本当だと思う。
さすが康、いいこと言うね。
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吉祥寺のmoiの閉店の知らせを見たときも呼吸が止まった。時間は流れる。日々は過ぎる。生きているうちに好きなお店にはたくさん通わないと。
moiの店主の岩間さんがnoteをはじめられたので何回も読んでいる。好きなお店の好きなひとの文章がこれからも読めるのは嬉しい。
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