見出し画像

(追記あり)Echoes of Lifeライビュ観てきました!〜ネタバレありの個人的感想〜


Echoes of Lifeライブビューイング観てきました!
個人的なことになりますが、ちょっと11月中は体調を崩してしまいまして、ライビュとはいえ2時間強(だいたいそれぐらいと思われる)映画を見続けるのって大丈夫かな?と心配していたんですが、無事体調も回復したということで観に行くことができました。
ということで、映画館での鑑賞から一日経った今もまだ興奮冷めやらぬ状態ではありますが(笑)折角なのでこの興奮状態を維持したまま本当に率直な感想を書いていきたいと思います。


前代未聞の「事前にストーリーブック販売」

羽生くんのショーは「アイスストーリー」という名のごとく、従来のアイスショーとは違いそれぞれ違ったテーマを設けてそのテーマに沿って物語調に羽生くんのスケーティングも交えながらストーリーが展開していくという独特のショーとなっております。
特に前回の「RE_PRAY」は羽生くんファンのみならずゲーム好き界隈の人達からの反響も大きく、ゲームの内容と照らし合わせながらの考察合戦がSNSでも盛り上がっていました。
そんな当時の状況を知ってか知らずか(まぁ多分知ってたと思います、ツイ廃っぽい羽生くんのことなので)、まさかのショーの前にストーリーブックなるものを販売するというやり方
これ、もう事前に「予習」してきてくれたら嬉しいな、ということですよね
勿論私も購入させていただき、読ませていただいたのですが一言で言うとかなり私好みの世界観の物語でした。

いろんなサブカルチャーからの影響が詰め込まれている中に羽生くんなりの解釈が詰め込まれている

この「Echoes」、はっきり言ってしまうとごく普通の短編小説として面白いです。
ぶっちゃけて言うと著者が羽生くんであることを忘れるぐらい読んでいてワクワクしましたし惹き込まれました
いきなりの覚醒から始まる正体不明の主人公。
謎の「案内人」の存在。
人間と「造られしもの」との間に過去に起こった戦争と、崩壊してしまった世界。
物凄く個人的なイメージなのですが、ゲームの「ニーアレプリカント」「ニーアオートマタ」っぽい世界観なのかな、と思いました。
(勿論私が勝手に思っているだけで羽生くんがこの二作を知っているのかどうかまでは分かりませんが…)

とにかく読んでいてワクワクする一方でこの小説をどうスケートで表現するんだろう?という疑問は凄くありましたし、RE_PRAYのときだっておもいっきり羽生くんの趣味丸出しで従来のスケオタさんからしたらぶっちゃけ初見ではどう思われただろう…と思ったのですが、今回はあのRE_PRAYを楽しめたんならこの作品も楽しんでもらえるよね?と半ば試されている感もあるなぁとちょっと斜め上からの目線になりますが感じてしまいました。笑
そんなこんなで、ライビュ当日を迎えました。

アイスストーリーの率直な感想〜「造られし者」と「人類」とのぶつかり合い

自分がなぜ生まれてきたのか、命とは何なのかを知る旅路に出た主人公ですが、正義と正義のぶつかり合い、戦争、憎悪、など本当に重苦しいワードが続いていきます。
そもそも、主人公=VGHたちが多様な職や生活にそれぞれ適応できるよう遺伝子を操作されて生み出されたという背景自体がなかなかエグいです。 (この辺の主人公の背景に関してはストーリーブックの方により詳しく書いてありましたのでまだ手に取られていない方は是非とも読んでみてほしいです)
より優秀に遺伝子操作されて生まれてきた「造られし者」と「人類」とのぶつかり合い。(個人的にはこの辺の背景に関してはポケモンのミュウツーの逆襲を思い出しました。)
本当に不毛な争いでしかありません。

無数の「言葉」に埋め尽くされていく恐怖と苦しみ

羽生くんといえばアイスストーリーだけでなく普段のインタビューやそれこそメンシプでの語りを聞いていて本当に言葉というものをとても大切にしているな、と思います。
その大切な「言葉たち」がどんどん連なっていって氷上をびっしり埋め尽くして真っ黒になっていく様子や、日記のページが破かれ、無数の紙の数々に羽生くんが飲みこまれていく様子などは見ていて本当に胸が引き裂かれるように辛かったですし、色々と考えさせられるものがありました…
正義と正義のぶつかり合いは言葉と言葉のぶつかり合いでもあるんですよね。
以前、メンシプで心理学のことに触れたり、SNSのエコーチェンバーの話など結構踏み込んだ話をしていた辺り、羽生くんなりに言葉の暴力というものについて色々と思うところがあるんだろうな、と思いました。
(日記を記した人達が名もなき登場人物Aとかじゃなくてそれぞれに名前があり人生が在るのだろうとか、まさに匿名で顔が見えないというSNSの特性そのものを表してるんじゃないかなぁと…)

苦しみのない世界はない、けどそれでも今そこにあるだけで、生まれてきただけで素晴らしい

四苦八苦という四字熟語がありますが、あれは仏教の考えで文字通り人は生まれてきてから死ぬまでにそれだけの苦しみ(ここらへん語りだすと話が長くなるので割愛)を背負うことになるという意味なんですよね。

それでも、悲しいことや苦しいことがあるということは、それだけ楽しいことや幸せなこともあるということで。
四苦八苦の中の「愛別離苦」という概念がありますが、これは「愛する人と別れる苦しみ」を表しており、確かにとても辛いことではあります。
ですが、苦しいということはそれだけその人と過ごした時間が自分にとって幸せだった、ということで。
主人公=「わたし」は過去の人間達の痛みや苦しみを音として感じ取り、自分とは何なのか、何故自分はここにいるのかということを自問自答し続けていましたが、誰にとってもなかなか答の出ない問題だと思います。
ひょっとしたら永遠に出せない答かもしれません。
それでも、悲しみや苦しみや怒りが渦巻くこの世の中でも生まれてきたこと、生きるってことは本当に尊いことなんだよ、と思えるようにありたいな…と自分自身も色々と考えさせられました。
より広い目で見ると幸せも苦しみも含めて私達人間は生きることで「学ぶ」ということをしていっているのかもしれません。

ちなみに、仏教的な考えに基づくと生命に関しては輪廻転生という概念があり、これは人が一生を終えて肉体が滅んでも魂はなくなることはなく、何度も生まれては死にゆくということを繰り返していくという考えなんです。
で、ふと思ったのがこの「案内人」という人物、この世界のチュートリアル役な役割を担って主人公に色々と説明したり道を示したりしてくれるのですが実は主人公自身(もっと言うと「一生を終えた後の自分自身」)なんじゃないか?と
(ていうかぶっちゃけ演者は同じですよね?ボイチェンで声は変えていたけどすぐ分かりました笑)
そして、もしかしたらこの物語の主人公である「わたし」もこの人生の旅を終えた後、この「案内人」から役割を引き継いで「次の自分」を案内する役目になるのではないかな、なんて思ったりしました。
まぁ、あくまで私の個人的な想像というか妄想にすぎないのですが(苦笑)

ついでにいうと、主人公が旅を終えて案内人に「おめでとうございます」と迎え入れられたとき、私の脳内では父にありがとう、母にさようなら、そして全ての子供達におめでとうというあの明朝体の文字が浮かんできました

(ずっとアニメを視聴していた人からすればハァ!?と言いたくなるような最終回だったでしょうけど、まぁ一つの結論としては「そうなるよなぁ」とも言える最終回だったと思います。
それでも26年かけて改めて再構成して旧作では成し遂げられなかった父と息子の物語をしっかり完結させた庵野さんには本当にお疲れ様でしたと声をかけたいですね…
思いっきり脱線してしまってすみません汗)

スケートの演技に対する感想

まさかの傀儡謡
アニオタ、サブカルオタ界隈で知らない人はいないであろう攻殻機動隊のあの曲を羽生くんが滑ってくれたという時点でもう天に祈りを捧げたい気分でした。笑 
(確か大昔、真央ちゃんの全日本の鐘の演技にこの曲を合わせてみたMAD動画を見たことがありまして、この手のMADは好き嫌いはっきり分かれるだろうけどこれはこれでアリだな〜と個人的には思ったものです)

あとは、おおかみこどもの雨と雪の曲(産声)も意外なチョイスで驚きましたね〜。
私は正直この映画はあまり自分には合わなかったのですが(好きな方ごめんなさい汗)この曲はとっても好きです。
なんというか、心が洗い流されるような静かに涙がつたってくるような曲だなぁと思います。

ペルソナシリーズは残念ながら私はプレイしたことがないのですが、あぁ確かに羽生くんの好みそうな作品だなぁと。

また、バラ1再演は個人的にすごく嬉しかったです涙
羽生くんはSEIMEIを自分の代表作、羽生結弦といえばこれだと思っている的なことを何度も言っていますが、同じぐらいバラ1も特別なプログラムなんでしょうね〜。
3Aは相変わらずの物凄い高さのあるジャンプで着氷した瞬間の「ゴッッ」という音を聞いてヒヤッとしたぐらいでした…笑

Goliathも素晴らしかったです。
羽生くんのプロ転向後の個人的に嬉しいこととして、ゲーム好き界隈の人を取り込んでくれたことは勿論ですがフリーBGMにもこんなに素敵な曲が沢山あるんだよと知らしめてくれたこど嬉しいんですよね。
この手のフリーBGMって、YouTuberさんの動画とかで聞いてる人もおられるでしょうけど大概はバックで流れてる曲にそこまで注意して聴いてる人っていないでしょうし…。
特に「アクアの旅路」は大好きな曲なので羽生くんにチョイスしてもらえたときは本当に嬉しかったです。
(ちなみに自分がこの曲を知ったきっかけは、特攻の回天についての歴史解説動画でした)

そして、ダニーボーイ。
羽生くんといえばどのプログラムが好きかと聞かれると多すぎて大変困るのですが(笑)確実にこのプログラムは自分の中で上位に来ますね。
そして、恐らく20代そこそこの頃の羽生くんではここまでの円熟味は出せなかっただろうなと、年齢を重ねたからこその深みのある演技だなぁと思いました。

以上、個人的に印象に残ったプログラムたちの率直な感想です。
まぁ今更なんですがジャンプもスケーティングもスピンも現役の頃と比べても全く衰えていないのなんの
4-3(を多分やろうとしたんじゃないでしょうか)の転倒は少々悔しかっただろうけど、後の公演でリベンジしてくるんじゃないかなと楽しみにしてます笑

まとめ

ここに来て語彙力ゼロの感想になってしまいますがめちゃくちゃ素晴らしかった
ライビュで観た自分も圧倒されましたが、会場で直接「これ」を観たお客さん達、ちゃんと落ち着いて歩いて電車乗って帰れたんでしょうか?笑
そう思うぐらい本当に圧倒されましたし、GIFT、RE_PRAYを経てのさらなる進化を感じられる作品でした。

そして、彼の一ファンとしては、生まれてきて良かったー!という一言が本当に嬉しかったです。
「生まれてきてくれてありがとう」
「生まれてきて良かった」

これらの言葉って本当に物凄く重く温かく愛に包まれた言葉なんですよね。
先にも述べましたが、羽生くんは本当に言葉の力を大事にしている人だと思われるので、単なるファンからのハッピーバースデーに対するレスポンスとしてポンとこの言葉を発したというわけではないでしょう。
ここまで来るためにいろんなものを捨ててきたとまで言いきっていた彼の口からこの言葉を聞けたというのがなんというか本当に重みのある一言だなぁと思いました。

改めて羽生くん、30歳のお誕生日おめでとう。
素敵なアイスストーリーをありがとう。
羽生結弦というプロスケーター、フィギュアスケーターとしても、30代の一人の男性としても、実りのある人生を送れるよう一ファンとして応援しています。

※※※12/11追記※※※

沢山の方に記事を読んでいただけているようで嬉しいです。
記事を読んでフォローして下さる方には大変ありがたいのですが、フォローして下さった方が誹謗中傷記事をスキしている場合は大変申し訳ないのですがフォロー解除させていただいております。
以下、別記事にて自分の考えを書かせていただいておりますので何卒よろしくお願いいたします。


いいなと思ったら応援しよう!