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【グラップリング】データで予想するMica Galvao VS 岩本健汰

みなさんこんにちは、まごっとです。
現地時間2024年2月9日、日本時間だとおそらく2月10日、日本ノーギグラップリング史上一番ビッグな試合が決まりました。
Mica Galvao VS 岩本健汰です。

なんやかんやノーギグラップリング界で一番権威のあるWNOチャンピオンシップのウェルター級なので、77kgになります。
噂によるとNicky Ryanが内定していましたがNickyが怪我で欠場となったため、岩本健汰となったようです。
同じB-TeamからならJozef Chenかなと思い、実際にFlograpplingのランキングでもJozef Chenのほうが上ですが、なんと今回岩本健汰が出場となりました。
これに勝てば日本人初のWNO王者となり、ノーギグラップリングの歴史において大変な事件となります。
さて、今回はこのビッグマッチをデータで見ていきたいと思います。
今回も選手名は敬称略です。

1.ステロイド検挙歴

Mica Galvao→あり
岩本健汰→なし

最初にまず、このステロイドについて述べなければなりません。
Mica Galvaoは2022年のIBJJFの大会でドラッグテストで引っかかっており、2023年の6月までIBJJF出場禁止になっていました。

「病気の治療のため」と言っていていましたが、真実は不明です。
そして出場禁止明けにはIBJJFの大会に復帰しています。上記の説明記事だと「治療のためだったためこの薬物についてどうするかはIBJJFと話し合いが済んでないから復帰がどうなるかわからない」ということが書いてあった気がしますがすんなり復帰していました。
実際にスポーツにおける厳格なドラッグテストはオリンピックとUFCと本当に上位の一握りの団体しかできていなくて、格闘技の団体は軒並みちゃんとしたドラッグテストはしておりません。
それはドラッグテストに莫大な費用がかかるからであり、それを払えるだけの財力、つまりは市場規模ないとできないためです。
グラップリング・柔術は当然ながら全然その市場規模に達していないため、ドラッグはめっっっっっっちゃくちゃ横行しています。
なんせグラップリング最強のGordon RyanとかGordon RyanとかGordon Ryanとかが堂々とステロイドやっていますので、そういう業界です。
ただし、IBJJFはアンチ・ドーピングを掲げており、大きな大会の上位入賞者にドラッグテストを行うようにしました。
なんせ前述の通り柔術界では横行していますので、ある大会では大会上位者が軒並み大会から逃げたという噂話もあります。
Vagner RochaやRoberto Arbeuなどもひっかかって罰則を受けたはずです。
Mica GalvaoはIBJJFに復帰しているので、今はやっていないと思いたいですが、キックボクサーの城戸康裕は「一度ステロイドを使うと筋肉の構造が変わる」と言っていたりしましたので(医学的事実は不明)、過去のステロイド使用歴が現在どう影響しているかはわかりません。
ちなみに、これは医学的事実としてステロイドは肉体に永久的に不可逆なダメージを与える寿命の前借りみたいなものですので、若い頃からステロイドをやっているGordon RyanやMica Galvaoはほぼ間違いなく早死します。
Gordon Ryanは本当に突然死とグラップリングで負けるのどちらが早いかわからないレベルだと思っています。
ご利用は計画的に。

2.直近10試合の戦績

Mica Galvao→10戦10勝
岩本健汰→10戦7勝

https://www.bjjheroes.com/bjj-fighters/micael-galvao  より
https://www.bjjheroes.com/bjj-fighters/kenta-iwamoto  より

トーナメント形式の試合だと1日でたくさん試合数が稼げたり、載っていない試合もあるので注意です。
そのためMica Galvaoのほうが圧倒的に試合数が多いので同じ期間ではありません。
やはりMica GalvaoのほうがJay Rodriguez、PJ Barch、Kody Steeleなど上位選手に勝ちきっており、実績が上だと言えるでしょう。
一方、岩本健汰はここ10戦で勝っている上位選手はKeith Krikorianくらいですが階級が違います。また、他に上位選手といえる選手はいないのが実際でしょう。
直近の戦績だとMica Galvaoのほうが客観的に勢いがある、となるでしょう。

3.一本勝ち率

https://www.bjjheroes.com/bjj-fighters/micael-galvao  より


https://www.bjjheroes.com/bjj-fighters/kenta-iwamoto  より

ギあり・なし混ざっていますが
Mica Galvao→77%
岩本健汰→36%

とMica Galvaoが圧倒的に攻撃力が高いのがわかります。
試合を見ていてもMica Galvaoは漬けて勝ち切るというよりはタップを取りに行く攻撃的なスタイルだと思います。
この前のPJ Barch戦ではノーギなのに飛びつき腕十字で勝ち、驚きました。
また、Mica Galvaoはギありもたくさんやっている選手なのもあり、腕十字やRNCなどオールドスクールな上から攻める戦い方をノーギでもする選手です。
一方、岩本健汰はMica Galvaoに比べて試合数が多くないのもありますが、一本勝ち率は36%と比較的低めです。
最近のノーギの傾向的に判定・ポイント決着はよくあるのでそんなに違和感のある数字ではないですが、Mica Galvaoの試合数が多い&攻撃力がずば抜けているのが目立ちます。

4.主な獲得タイトル

Mica Galvao
●2021年ADCCブラジル77kg予選優勝
●2022年ADCC本戦77kg準優勝
●2021年WNOチャンピオンシップ84kg準優勝

岩本健汰
●2019年ADCCアジア・オセアニア予選66kg優勝
●2022年ADCCアジア・オセアニア予選77kg優勝
●2023年ADCCアジア・オセアニア予選77kg優勝

ノーギに限ると上記の形になりますが、Mica Galvaoは他にギありの大会でたくさん優勝しており、小さい頃から結果を残しています。
岩本健汰のADCCアジア・オセアニア予選3連覇は圧巻ですが、客観的な事実としてADCCのアジア・オセアニア予選は他の予選に比べてレベルは高くなく、実際にアジア・オセアニア予選で優勝した人が本戦で上位に入るということは稀です。
Mica Galvaoは本戦でも結果を残しており、獲得タイトルの実績としてはMica Galvaoのほうがある、となるでしょう。
ちなみにADCC本戦決勝にてMica Galvaoはとんでもないポカ負けをしており、そちらはこちらのnoteにて解説しましたのでぜひご覧ください。

5.総評と個人的試合展開と予想

以上のデータから結論の予想としては、Mica Galvaoのほうが圧倒的有利である、と言わざるを得ないでしょう。
個人的な試合展開予想としては、どっちもトップを取りに行くスタイルなので立ちのレスリングが続き、どちらかがテイクダウンされる、もしくは立ちの展開に折れて座ったら、ボトムが負けるでしょう。
というのも両者足関節の耐性は十分あるので、トップを取った人がパスパスパスパスパスパスパスの展開、もしくはボトムがレッスルアップをするもまたスタンディングに戻って一度ボトムを取った人がまたボトムになってパスパスパスパス、からのバックの展開になって試合時間終了、そして判定でバック取った人が勝って「やっぱり」となる気がします。結構現代グラップリングあるあるの展開ですね。
その競り合いはトータルでMica Galvaoのほうが強いのではないか、と思います。
Mica Galvaoが負けるとしたら、まずADCC決勝のKade Ruotoloのようなポカ負け。もしくはトップ・ボトムの取り合いで岩本健汰が競り合いに勝って流れを掴んで判定勝ち、ではないかと予想します。
これまた個人的な願望を抜きにしてニュートラルな心持ちで想像すると、岩本健汰はこの前のDante Leon戦を踏まえてタップする姿が想像可能なのですが、Mica Galvaoがタップする姿は想像できません。
ポカ負けは本当に本当に小さな確率です。
しかし、何が起こるかわからないのが格闘技であり、勝ったやつが強いのが格闘技です。
Mica Galvaoは当日超絶体調悪くてコンディション最悪な可能性だって0ではないですし、それを含めての格闘技です。
ちなみに、Dante Leon VS Diego Patoというグラップリングマニアにとって最高すぎるカードもあります。個人的にはこっちも超絶楽しみです。
この歴史的な一戦はFlograpplingにて有料会員登録するとご覧いただけますので、ぜひ!!!


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