kinetic1の感想
ユライア・フェイバーが突如始めたQUINTET風チームグラップリングイベント「kinetic」
その感想を書いていきます。
①QUINTETとの違い
ほとんどQUINTETと同じです。
同じすぎてジョシュ・バーネットがキレていたという噂があるとかないとか。
違うところは主に
・全ての技が可。つまり、ヒールホールド可。
・体重差で試合時間が縮まることなく、全て8分。
というところくらい。
②BJJ FANATICSチーム強すぎ!!!
BJJ FANATICSチームには最初はJake Shieldsがいましたが、怪我で抜けて変わりにGordon Ryanがイン。
Gordon Ryanは間違いなく現在グラップリング世界最強の男。
というように私は読んでいましたが、間違いありませんでした。
初戦はLachlan Gilesが5人抜き、二戦目はNick RodriguezとGordon Ryanで全員抜いて勝ち。
Craig JonesとEdwin Najmiは出番なし笑
正直、もうチーム発表の段階で勝敗が見えていたのでつまらなかったです。
「ああ、やっぱり」という感じで、グラップリングの予備知識がない人でもチーム戦ならではの抜きつ抜かれつのハラハラ感がなく「無双して終わりじゃん」という印象を抱いたのではないでしょうか。
マッチメイキングの時点でチーム戦の良さを出せていなかったのではと思いました。
③コンセプトの不在
私がQUINTETと比較して一番気になったのは、コンセプトの不在です。
QUINTETは桜庭和志が「動き続ける・魅せる」「チーム戦の良さ」を出すというコンセプトを持って創り上げたものであるのは間違いありません。
具体的には、「膠着への指導」「体重差での時間の変更→体重差があるときにそれぞれのチームメンバーがどのように戦うか」「制限体重の設定」など。
実際に、それが良い結果として出ていると私は感じています。
Geo Martinezがハイサム・リダからタップ取ったときの感動は、追い詰められた10th Planetチームが短い時間で果敢に戦ったからこそ生まれたものだし
湯浅麗歌子とGrace Gundrumの試合の興奮も、膠着の禁止や体重差を見越したチームの戦略ありきだったと思います。
しかし、kineticは感動や興奮を生むための仕組みが一切ないのです。
言ってしまえば、kineticはQUINTETのガワだけをパクり、「どういうコンセプトを実現しようとしたものなのか」という深いところまで再現できていません。
加えて、前述のマッチメイキングの失敗により、なんか微妙なイベントだったなという印象です。
④盛り上げるコンテンツがない
これは日本のPRIDEからの流れかもしれませんが、QUINTETは煽りVがあって、これがなかなか楽しいです。
誰がどういう背景をもっていて、どういうコンセプトのチームなのか、という視聴者の理解へのフォローと、それによって気持ちを高めるコンテンツがkineticにはありませんでした。
ただ試合前に選手がおもむろに顔を上げるだけの選手紹介しかありませんでした笑
だから、「なんか薄味だな」と思わざるを得ませんでした。
⑤ヒールホールドありはなかなか面白かった
やっぱり世界的に猛威を奮っているヒールホールドが結構見られて、これは違う「味」がして面白かったです。
体重軽い人が重い人からタップを取りやすい技とヒールホールドは言われていて、これは私もそう思いますが、実際にLachlan Gilesがヒールホールドで重い人からタップ取っていました。
とはいえ、QUINTETでヒールホールド解禁したら、体重差の意味がだいぶ減ってしまうので、なしのままでいいかなとは個人的に思います。
⑥まとめ
以上のように、kineticは「とりあえずパクって、制限なくしてやってみようぜ」というような感じで、結論として微妙だったと言わざるを得ないと私は感じています。
逆にQUINTETはコンセプトからしっかりと計算されて創り上げられているんだなと改めて思えました。
QUINTETが今後もっともっと人気出ることを祈ります・・・。
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