コンバット柔術の「メタ」の変化
こんばんは。コンバット柔術を創世記から見てきた、まごっとです。
Eddie Bravoが作った寝技掌底可能グラップリングの「コンバット柔術(Combat Jiu Jitsu。略称CJJ)」ですが、日本に輸入され、じわりじわりと認知度を上げてきました。
私の1年以上前に書いたコンバット柔術の大会ガイドも最近になって一番の閲覧数となっています。ルールもこちらに書いてあるので、気になる方はぜひご覧ください。
1.グラップリングの延長線上だったコンバット柔術
私はずっとコンバット柔術を見てきて、どこか「ノーギグラップリングの延長線上でしかない」と思っていました。
結局決着は関節技か絞め技だし、TKO決着はほとんどありませんでした。
やはりポイントは、掌底の使い方。
掌底でどうグラップリングとは違う展開を生み出していくか、というところに1観戦者としてまだ物足りなさを感じていました。
2.進化する掌底
そんな中、日本でもほんの少しずつコンバット柔術が広まりつつあり、最近行われたIREを観てコンバット柔術の進化を感じました。
村田選手VSタツノスケ選手の試合です。
KO決着まではいかなかったものの、KOしようとする勢いと迫力が感じられて、今まで見たことなかったような「グラップリングとは違うコンバット柔術の展開」を感じました。
MMAPLANETをして
これだけ頭部へのダメージがあるのであれば、試合毎にドクターチェックが必要と思われる一戦だった。
と言わしめた試合だったのです。
3.岩崎正寛さんの研究
タツノスケ選手が岩崎正寛さんのYoutubeによく出ており、試合の感想を聞きたく動画を観たのですが、岩崎さんは掌底の研究をなさっていました。
おそらく、岩崎さんからの教えがあって、タツノスケ選手はあれほどの強い掌底を打てたのだと思います。加えて、タツノスケ選手の「掌底を打とう」という意志力もあったのでしょう。
その一方で、敗因を岩崎さんは「殴りすぎ」とおっしゃっていて、期待した試合内容とも違ったのかと思います。
最初に行われたコンバット柔術のアメリカでの大会で、数少ないKO勝利がVagner Rochaによるものだったのですが、岩崎さんが研究した掌底の打ち方と違って、あまり効くようなものではないように私には見えました。
最後のストップも「効いてるかは別にして、掌底打たれまくっているから止めた」というものだったと思います。
岩崎さんの研究、そしてタツノスケ選手のファイトスタイルが合わさって、グラップリングとは独立した「コンバット柔術の戦い方」を新たに提示したように見えました。
4.コンバット柔術の今後
コンバット柔術はまだまだ「メタ」が変わっていくのではないかと思います。そのきっかけとなるのが、掌底の効果的な打ち方と、それによって「比較的容易にKOできるようになる」という状況の変化だと思います。
今後の世界、そして国内のコンバット柔術を楽しみにしています。