クリープハイプアリーナツアー2023『本当なんてぶっ飛ばしてよ』に参戦してきた
出会い
私がクリープハイプというバンドに出会ったのは、小学6年生の時だ。クリープハイプは、曲から入ったというよりラジオで話す尾崎さんから入った。携帯電話を持っていなかった私はウォークマンでラジオを聴いていた。その時話す尾崎さんの声は、優しく低い声で私の好きな声だった。流れてきた曲に衝撃を受けたことを今でも覚えている。私が初めて聴いた曲は、「憂、燦々」。出会いの曲だ。中毒性のある歌声に、度肝を抜かれた。そこから、沼にハマったように聞き込んでいった。「破花」が私にとってクリープハイプをどこにも分類化することのできないアーティストにした。歌詞にこんな意味があるのかと歌詞の説明を聞き、驚いた。私は、クリープハイプが好きだ。
初めて参戦したワンマン
クリープハイプを聴き始め、好きになって、8年が経っていた。大学進学とともに都会に進出し、ライブに行きやすい環境になった。2022年12月25日の「RADIO CRAZY」で初めてクリープハイプのフェスを体感した。どこかエロく、でも彼らの本気が伝わってくるステージに感動した。そして、2023年2月25日26日大阪城ホールで行われたライブに初めて参戦した。2日両日ライブに参戦するということも人生初めてだった。ワクワクで言葉にできない興奮を感じていた。都会で暮らし始めて、ライブに行きやすい環境になったこともあり、ライブ前日でもワクワクする感情を無くしていた。しかし、クリープハイプのライブの前日はワクワクが止まらなかった。
クリープのファンは本当におしゃれ
行ったことのないアーティストのライブで悩むこと、それは「服装」だ。何を着ていけばいいのかわからない。お気に入りのネクタイでコーディネートを組んだ。会場について、クリープのファンのオシャレさに本当に驚いた。古着っぽい服装の人もいれば、地雷系の服装もいて、ジャンルは様々だったが、おしゃれだった。
本題のライブレポ2月25日編
初めて参戦するライブは、曲でどういう行動を取ればいいのか迷う。手拍子をする曲なのか、手を振る曲なのか、ファンが歌う部分がある曲なのか。そんな不安を持っていた。始まる前、会場に流れていた場内BGMはまさかのクラシック。行ったことのあるアーティストのライブは、洋楽や自分たちの曲が多かった。曲のボリュームが大きくなり、オーケストラの音が消え場内の照明が消えた。登場してきたメンバーを見て、「本当に存在しているんだ。」と納得した。私がこの日、好きだった曲を2曲紹介する。1曲目は、「傷つける」。私は高校生の時、眠れない夜この曲を聴いていた。この曲が私の眠れない夜を埋めてくれた。その曲をまさかライブで聴けると思っていなかったので、泣きそうになった。一瞬で高校生の眠れない夜を思い出した。2曲目は、「火まつり」。カオナシさんが、マイクの前にたち、カオナシさんが書いているエッセイとYouTubeの再生回数が伸びていないことに納得がいっていないという怒りをMCで述べ、「一つ炎上の歌を歌わせていただきます。」と言って、この曲を歌い出した。始まり方がカッコ良すぎる。思った以上にカオナシさんのファンがいることを知った1日目だった。この日の最後に歌った曲は、「二十九、三十」。この歌を歌う前に尾崎さんが言ったのは「普通に」について。正確な順番などは覚えていないが、普通に生活して、普通に好きな人と普通にクリープハイプの曲を聴いて、普通にまたライブに来て欲しいと言っていた。コロナが流行り、今まで普通にできていたライブができなくなり、やっと声出しをすることができたライブ。普通にが取り戻されつつある中で、改めて「普通」について考えさせられる尾崎さんの言葉だった。
本題のライブレポ2月26日編
私は、晴れ女だ。今まで雨予報だった重要な日を幾度となく晴れに変えてきた。しかし、今日は予報通り雨が降った。まぁそんな日もある。今日も相変わらずクリープのファンはおしゃれで、クラシックが場内に流れていた。セトリは1日目と同じ。今日は、尾崎さんのMCについて書く。尾崎さんが人間味に溢れていた。こういう言い方は失礼かもしれないが、どこか尾崎さんは斜め上から物事を俯瞰して見ているような気がする。しかし、今日語っていたMCでの言葉は、客観的に物事をまっすぐに見て感じたことを私たちに伝えていた。「どうしたら最近売れ出したバンドにお客さんが流れずにライブに来続けてくれるのか考える時がある。」そう言った。大阪城ホールを花道も設けず、ステージ裏に客席を作っても入るバンドもそんなことを思うんだと思った。その後尾崎さんは「でもどうしたらいいのかわかりました。今やっている当たり前をやり続けていくだけです。」と。その通りだと思った。売れてきたバンドが出てきたからと自分たちの曲のスタイルを変えたり、曲だけでなくバンドのスタイルを無理に変えることはファンが望んでいない。なぜ私たちはそのアーティストを好きなのか。それは過去に理由がある。好きになった瞬間、そこから沼っていった過程に理由があると思う。そして、今日は「当たり前」というワードが出た。これも昨日の「普通に」と同様、私の考えるタネになった。そして、この日のMCで私が1番心にきた言葉は、「いいやつとか優しい人はいっぱいいます。人生には悲しいとか悔しいとかムカつくっていう感情を教えてくれる人が必要です。」だ。大学生活を初めて人間関係で本当に悩むことが増えた。多分、この言葉は私の荷を軽くしてくれる。今日は、4人全員がMCで話してた。
2日参戦して
本当に最高の2日間だった。小学校6年生でクリープハイプに出会った自分を本当に褒めたい。2日間とも「イノチミジカシコイセヨオトメ」で「生まれ変わっても当たり前にクリープハイプになりたい」と歌詞を変えて歌っていた。私は、生まれ変わっても当たり前にクリープハイプに出会って、当たり前にクリープハイプを好きになりたい。いや、なる。
私に日本語の面白さを教えてくれた尾崎世界観。固い敬語を使いこなし、全てが丁寧で沼な長谷川カオナシ。ギターを弾きながら楽しそうに舞う小川幸慈。保険会社がいいそうな言葉で会場を沸かした小泉拓。
あの大阪城ホールを花道なし・バクステまでも埋めている時点でクリープハイプの音楽を求めている人たちの多さを言葉なくとも理解できる。
また、クリープハイプの音楽を全身で浴びにいきたい。
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