「大丈夫って、言葉がきらいなんて。」
すごく唐突な感想になるけれど、僕のヒーローアカデミア第98を観た感想を端的に記しておく。
第98話、かっちゃんの活躍と成長を見て、刺激を受けたデクがB組との対抗戦に臨む最終戦第5試合。心操くんとの好戦に期待が持てるかな、なんて見ながら見ていたけれど、物間くんとの交戦中、デクのワンフォーオールに異変が。
物間くんかっこいいですね。全然物間くんのこと気にしたことなかったけれど、『ヒーローはヒーローであるために、時にヒーローらしからぬ振る舞いをしなければならない。』というセリフは、彼がどんな苦労をしてきたのか、そんなことは想像もつかないけれど、彼に思いを寄せたくなるセリフでした。個人的にとても好きになりました。
と、物間くんがかっこいい話はここまでで、ここからが今回記しておきたい目的の話になります。
98話、デクのワンフォーオールが暴走時、暴走の正体に気がついたお茶子がデクを助けにいく。そこでお茶子の回想シーンに入り、「わたしは、人の笑顔が好きだった。だから、人を助けるのは当たり前だった。その当たり前がどれだけ大変か目の前で見てきたから。」
「ヒーローが辛い時、誰がヒーローを助けるんだ。」
こんなシーンがありました。わたしは何も考えずに見ていて、何も感じることなく合計2回の視聴は終わりました。
でもその後に、ふとエンディングテーマが頭の中を流れてきて、
「いつだって君越しの世界を見てた、音もなくこぼした涙も知らず」「大丈夫って言葉が嫌いなんて、急に呟くから何も言えなくなる」「薄暗い空の先を信じたい、憧れは自分を打ち消すためのものじゃない」
わたしは今期のエンディングがなぜこの曲なのか、すごく気にかかっていたところがありました。
でも98話をみて、「これはお茶子の曲なのか〜!!(?)」なんて嬉しくて嬉しさのあまり倒れそうなほど閃いたのですが、お茶子に限らず、よく考えてみると、誰にでも当てはまることなのではないかと思いました。
「いつだって君越しの世界を見てた、音もなくこぼした涙も知らず」
お茶子は入学してからずっとデク越しの世界を見ていた。デクの背中を追って、デク越しに世界を見ることで、ヒーローとはなんなのかを考えた。そしてデクがいつも答えで、デクがいつも正解な気がしていた。
だけどそれを打ち切って“ヒーローとして何がしたいのか”を自覚できてきた、今回の98話。だったらいいな、なんて思っています。
そうやって誰か越しに見ている世界が崩れ、自分の前に立っているものが自分ではないと自覚し、真に「自分たちの戦い」になっていく。
この5期のエンディングは、彼らの戦いが憧れ追っていくものではなく「自分たちの戦い」へと変化していく過程に生じる、自覚すべき彼らの成長を表しているのだと思い、最高に好きなエンディングテーマになりました。
「大丈夫って言葉が嫌いなんて、急につぶやくから何も言えなくなる」
「大丈夫」と言ってしまいがちです。「大丈夫と言わなければいけない状況」に置かれてしまう場合もあります。
けれど「大丈夫」と言えてしまうのは、きっと誰か越しの世界を見て、「まだ大丈夫」と言ってしまうから。自分のことを自分ゴトだと自覚できるようになれば、「大丈夫」って言葉で自分の気持ちをまとめられなくなる気がするな、と自分のことを振り返っていました。
下書きを放出させよう作戦。第一。