ヘリマネ
政治の爬羅
科学の剔抉
報道の蹉跌
人倫の桎梏
蒸発するインバウンド
兎待つテレワークの宴
いまのコロナ禍で思い出すのは
篠田節子「夏の災厄」でも
川端裕人「エピデミック」でもなく
三崎亜記「となり町戦争」だった
外国の短編小説をJ-POPに馴らしたような
ラノベとも違うジュブナイルのホリゾンタル
まるで「小説すばる新人賞」を受賞しそうな
小説すばる新人賞受賞作
"共通前提が失われた"という共通前提
それすらも失われつつある軌道上
cosmosの中のchaoticを描いたのか
chaosの中のcosmeticを描いたのか
最後まで解らなかった
彼女が
アンドロイドを模した女性なのか
女性を模したアンドロイドなのか
今でもよくわからない
"見えない戦争"と同一視するのは間違いで
いとうせいこうが"無機王"と名付けたように
庵野秀明が"ゴジラ"と名付けたように
これは"となり町"との戦争なのだ
コロナ禍が露わにしたのは
"感染症"を媒介にした
階層の顕在だった
流動性を切り売りしてきた
キャピタリズムの限界云々という
凡庸過ぎるほど凡庸な
ゆえに非凡となってしまう逆説
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