#佐伯沙弥香について
"天窓" ~やが君②~
『やが君』を貫く"通奏低音"。それは『贖罪(=加害者意識)』。
この作品に加害者はいない。だがそれは"優しさに満ちた世界"とは違う。ここに在るのは『被害者』のみである。加害なき『被害』というのは存在するのだろうか。
"『而二不二』ではないもの" ~やが君①~
『皆が持っているバッグだから、欲しいに決まっている。』
『皆が持っていないバッグだから、欲しいに決まっている。』
あの男には、そんな当たり前のことがどうしてわからないのか。
(『対岸の彼女』角田 光代 著 より一部抜粋 )
「やがて君になる(仲谷 鳰)」はとても小さな作品である。
そして、大いなる佳作である。
高校の、入学から初秋にかけての数ヶ月。
それは恐らく、人生において最も濃密な"数ヶ