人工神経管について
はじめに
この前WBSにサイフューズの人工神経管が取り上げられるという思惑から
一気に動意づきましたが、
人工神経管は日本では
東洋紡のナーブリッジ①が先発で
その後ニプロからリナーブ②が出ています。
これらは、ヒトの組織に親和性のある人工的な素材で作られています
①はPEGで作った管の中にコラーゲンを充満させた管
②はコラーゲンで作った管の中にコラーゲンを充満させた管
これらは、断裂した神経断端をつなぐように縫合することで
神経修復の過程で邪魔になる組織の形成を阻害し
神経再生を促す役割をしています。
(神経が切れると周りにかさぶたみたいなものができ、神経が再度のびて修復するのを邪魔するので、そういうかさぶたができないように神経管で覆うというのがコンセプトです)
サイフューズの場合
iPS細胞から作った間葉系の細胞(コラーゲンを作る細胞)で
神経管を作っており、神経管自体が生きた管になっています
ここが、前者の2点と大きく異なる点です
問題は、神経修復過程において
生細胞が存在する必要があるのか?
生細胞でなくてもコラーゲンよりいいものを入れたら解決してしまわないか?
そもそも、先発の神経管より神経修復に優位性があるのか?
このあたりが明らかになったうえで、サイフューズの神経管で
著明な優位性を確認できれば、大きな一歩になると思うんです。
ただ、そこまでの優位性を認められない場合
神経断端と神経管の縫合がしやすい素材の方が
術者の負担が軽減でき、神経修復の結果が改善されるのでは
という議論になると思います
また、医療経済的にどうなのかという議論も起こると思います
まとめ
サイフューズが上向くかどうかの議論はもう少し先な気がします。
上記の議論を解決させるために掛かる費用面の問題もあるので
そういうリスクも踏まえて投資されるのがよいかと思います。
最後に
WBSで取り上げられると、ゴールが近いように見えてしまうので
株クラのみんなが考えることのできる材料を提供したいと思って書いてみました。
自分で調べるのが大事。これをきっかけに調べてもらえたらうれしいです。