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【本文無料】AIに桃太郎を中二病翻訳させてみた

はじめに

お疲れ様です。DKPです。
最近、ChatGPTに課金したのですが、中々凄いですね。
ちょっと遊びがてら「桃太郎(楠山正雄)」を中二病翻訳させたら、結構良いのが出てきました。やや中二病の学習が足りていない気配もしますが、o-1モデルでどれぐらいできるかお楽しみください。


漆黒ノ桃源譚(しっこくのとうげんたん)

第一章 闇ヲ照ラス桃ノ伝説

むかし、むかし――。
この世の理がいまだ定かならざる混沌の時代、ある辺境の地に、一組の老夫婦が静かに暮らしていた。ひとりは山に入り、漆黒の柴を刈る「老人」。もうひとりは川辺で穢れを洗い流し、白布に清浄を刻む「老女」。
老人は日々、山の神々が潜む森の奥に分け入り、朽ちた柴を刈り取っては、血の滲むような苦労を重ねて生計を立てていた。その柴はただの木切れにあらず。世に広がる邪の気を吸い込み、時折、怪しい煙を漂わせることもある、曰くつきの柴であった。老女は老女で、しんしんと流れる川のほとりで、呪術のような歌を口ずさみながら、衣を洗濯し、穢れを清めていたという。

この老夫婦は長らく子に恵まれず、その孤独を癒やすように二人きりの小さな家で慎ましく暮らしていた。だが、二人の胸の奥には、神か魔か、いずれにせよ何か大いなる力が子を授けてくれはしないか――そんな淡い願いが消えずにあった。

ある日のこと。老女が川のそばで、いつものように洗濯の儀式を執り行っていると、川上の方から奇妙な音が聞こえてきた。

「ドンブラコッコ、スッコッコ。ドンブラコッコ、スッコッコ。」

その不気味とも愛らしいともつかぬ擬音とともに、川の水面を切り裂いて漂ってきたのは、あまりにも大きく、あまりにも鮮やかな桃。川面を滑るそれはまるで、この世の理を嘲笑うかのように、悠々と回転していた。
老女は目を疑いながらも、これは神の思し召しか、それとも魔が仕掛けた罠か――そのどちらかであるに違いない、と強く胸騒ぎを覚えた。彼女は古より伝わる呪文めいた童歌を口ずさみ、手を叩いて呼び寄せる。

「あっちの水はかあらいぞ、
こっちの水はああまいぞ。
かあらい水はよけて来い、
ああまい水に、よって来い。」

するとどうだろう。桃は老女の前で緩やかに軌道を変え、その手の届くところまで近づいてきた。まるで意志を持つ果実のように。老女は微笑みながら言う。

「これはなんと見事な桃でしょう。おじいさんのお土産にいたしましょう。」

ここまでは穏やかに見える物語の始まり。しかし、老女には確信があった。
――この桃には、何かある。
そう感じずにはいられないほどに、桃から漂う妖しい気配は、世の常識を揺さぶるほど強烈であったのだ。

老女はその桃をそっと抱え、洗濯物と一緒にたらいの中に入れた。そして、不気味なほど晴れ渡る空の下、えっちらおっちら、家路をたどるのであった。

第二章 運命ノ子――桃太郎

夕刻、山より帰還した老人に向かい、老女はさも得意げに告げる。

「おじいさん、見てください。この大きな桃を拾ってきましたよ。」

老人は険しい山道で疲れきった体を休める間もなく、老女が差し出す大桃をまじまじと見つめた。その大きさは常識を超えており、見るからに只者ではない。

「こんな桃は見たことがない。おまえ、まさかそこらで買ってきたんじゃあるまいな?」

そう問う老人に対し、老女は首を横に振り、すべてをありのままに伝えた。
老人と老女が桃を囲み、不思議そうに眺めていると、その桃はにわかに震動をはじめ、突如としてぱんっと割れた。
そしてその裂け目から、光があふれ出す。光は一瞬、辺りを白く染め上げ、次いで紅蓮に変化して闇を穿った。その光の源は――まだ赤子だというのに、威厳さえ感じさせる産声をあげる“赤子”であった。

「おぎゃあ、おぎゃあ……!」

老夫婦は驚愕のあまり声も出ず、ただただ息を呑む。次いで恐る恐る赤子を抱き上げると、その赤子の体は神罰とも言える熱を帯び、瞳にはなにやら言い知れぬ力が宿っているように見えた。

「まあ、まあ……私たちがいつも子が欲しいと願っていましたものだから、神さまが、この子を授けてくださったに違いありません。」

そう言いつつも、老女の心には一抹の不安が渦巻く。神の導きか、あるいは闇の力の囁きか――。
とはいえ、赤子は無垢なる存在である。老夫婦は喜びを優先し、その子を「桃太郎」と名付け、何よりも大切に育てることを決めた。
こうして、人の理を超えた生まれを持つ桃太郎は、穏やかな愛情に包まれつつ、日々、成長していった。

第三章 破滅への萌芽

桃太郎は驚くほどの速さで大きくなった。十五歳になった頃には、村中どころか近隣の地域まで「怪力の若者」として評判が轟くほど。その腕力はすもうで敵う者などおらず、剛鉄の剣を軽々と操るほどであった。
しかしそれ以上に周囲の者たちを畏怖させたのは、その瞳の奥にある紅蓮の光だった。時折、桃太郎の瞳に燃え上がる焔のような輝きは、見る者の魂を射抜き、胸をざわつかせる。老夫婦には優しく孝行を尽くす桃太郎も、内なる闇の力を完全に抑え込むことはできなかった。
やがて桃太郎は、さらに広大な世界へと己の力を示しに行きたいと願うようになる。運命の声が彼を呼び寄せるかのように、その想いは日々募った。
そんな折、遠くの国々を旅した者から、とある噂話が老夫婦の家に届く。

「遥か海の果てに、鬼ヶ島という絶島があるらしい。そこには、いかめしい鬼どもが鉄の城を築き、各地から奪い集めた宝を守っているとか。」

桃太郎はその話を聞いた瞬間、すべてを理解したかのごとく呟く。

「……我が宿命、鬼の城を打ち滅ぼすことにあり。」

そうして桃太郎は、老夫婦に別れを告げ、鬼ヶ島へ向かう旅路に出ることを決める。老夫婦は戸惑いつつも、かつてない程に眼光を研ぎ澄ませる桃太郎を見て、その壮絶な覚悟を悟った。

「わかったよ、桃太郎。お前の好きなようにしなさい。ただ……気をつけておくれ。」

老女はせめてもの力になろうと、大きな臼を持ち出し、老人とともに「きびだんご」の製造を始める。これは昔から伝わる不思議なだんごであり、食べる者に力を与えるといわれていた。老夫婦は声を合わせ、古代のリズムで臼を突き、こね、そして練り上げる。

「ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ。ぺんたらこっこ、ぺんたらこっこ。」

こうして完成したきびだんごは、“日本一”の名を冠するほどの霊力を宿すと信じられていた。桃太郎は鎧のような陣羽織をまとい、腰に刀を差し、きびだんごの袋を携え、いざ出陣する。
老夫婦は門の外まで見送り、二人の姿が小さくなるまで桃太郎の背を見つめていた。

第四章 暗黒ノ従者

桃太郎が旅を始めたのは、朝陽が昇る時分。だが、その道行はどこか薄暗く、前途を阻むような風の音が鳴り止まない。不吉な予感とともに山を越え、森を抜け、荒野に至る。すると……。
最初に桃太郎の前に現れたのは、一匹の犬であった。名を「犬魔(けんま)」と名乗るその犬は、血染めのように赤い首輪をつけ、闇夜のような毛並みをしていた。犬魔は桃太郎に向かって、鋭い牙をむきながらも丁寧に頭を下げる。

「桃太郎様よ、何処へ向かわれる。」

桃太郎は余計な言葉は省き、「鬼ヶ島だ」とだけ告げる。すると犬魔は、桃太郎の腰についた袋を見て、その中身を察したかのように言葉を続けた。

「その袋にあるのは、もしや“日本一のきびだんご”か……?」

桃太郎は静かに頷く。犬魔の瞳は、渇望と忠誠心が入り混じるように怪しく光る。
彼は言う。

「もし、きびだんごを一つ賜れるなら、貴方の前に膝を屈し、従者となりましょう。」

桃太郎は即座に犬魔を試すかのように、きびだんごを一つ手渡す。受け取った犬魔はそれを口にし、瞬く間にその霊力を取り込み、その気迫はさらに漆黒の輝きを増した。
続いて桃太郎たちは森を抜け、大きな岩山の麓を歩む。そこに待ち構えていたのは、一匹の猿。「猿魅(えんみ)」と呼ばれるその猿は、黒い体毛の合間から紫電のようなオーラを放ち、身のこなしは疾風のごとく素早い。桃太郎に恭しく礼をすると、犬魔と同様に問いかける。

「桃太郎様、その腰の袋には“日本一のきびだんご”がおありとか。ぜひ、我が力と忠誠をお示ししましょう。共に鬼ヶ島へ赴かせてください。」

桃太郎はためらわず、きびだんごを一つ渡す。猿魅はそれを口にするや、目を血走らせ、両腕に雷光のような筋肉がみなぎるのを感じる。
やがて開けた野原に出ると、上空から鋭い声がした。見ると、一羽の雉が旋回している。名前は「輝雉(きき)」。長い尾羽は虹のごとく輝くが、その瞳には冷たい炎が宿り、視線は獲物を狙う猛禽のごとし。輝雉は舞い降りると、やはり同じように頭を下げて言う。

「鬼ヶ島に鬼退治に行かれるのですね。私も加勢いたしましょう。きびだんごを一ついただければ、嵐を呼び、敵を焼き尽くす力をお貸ししましょう。」

こうして、犬魔、猿魅、輝雉――三匹の従者を得た桃太郎一行は、不気味な風が吹き荒ぶ海岸へと辿り着く。そこには奇妙な船が一隻係留されていた。船の側面には呪印のような紋様が刻まれ、不気味に脈動している。
犬魔が漕ぎ手に、猿魅が舵取りに、輝雉が見張り役に。それぞれが自らの役割を申し出る。こうして船は夜の帳を裂くように漕ぎ出され、海へと滑り出した。

第五章 鬼ヶ島への暁光

伝承によれば、鬼ヶ島は幾年も船を漕がねば辿り着かぬほど遠い地にあるという。だが桃太郎が進める船の速さは常軌を逸していた。大海原を行くうち、嵐が起こり、黒雲が渦を巻く。雷鳴が轟くたびに、犬魔の牙が不気味に光り、猿魅の腕は雷を宿し、輝雉の翼は風を操る。
そんな三匹の力の結集により、船はまるで猛獣のごとく波涛を蹴散らし、短時間で鬼ヶ島の姿を視界にとらえる。そこには、磐石のように屹立する漆黒の城がそびえ立ち、その門を守る鬼の兵があまた立ち並んでいるのが見えた。
犬魔は低く唸り声をあげ、猿魅は舌なめずりをし、輝雉は冷ややかに羽を打つ。桃太郎は波止場に船を着けると、海岸に飛び降り、刀を抜いて鬼ヶ島への侵攻を宣言する。

「この地に巣食う鬼どもよ、運命に抗う力があるなら、かかってくるがいい。」

第六章 鉄ノ城への侵入

鬼の兵たちは不気味な咆哮を上げ、鉄製の棍棒や斧を携えて立ち塞がる。その姿は人間をはるかに凌ぐ巨体で、肌の色は血のように赤い者、青い炎を纏う者など多種多様。
しかし、犬魔が空気を切り裂く疾走で鬼の足を喰い破り、猿魅が懐に入り強烈な拳を叩き込む。輝雉は大空から正確無比に急降下し、鬼の目を凶器のようなくちばしで突き刺す。桃太郎は漆黒の刀で敵を一閃し、その軌跡にはまるで業火が揺らめくよう。
門番だった鬼どもは恐れをなして城内へ逃げ込み、巨大な鉄の門を閉ざす。だがそこへ輝雉が空から急降下し、門を押さえる鬼の頭を突き、猿魅がするすると城壁をよじ登って内部の錠を外してしまう。
開かれた門から桃太郎一行が雪崩れ込むと、鬼たちは怒声を上げながらも戦慄の表情を浮かべて後退する。城の奥から現れたのは、鬼の親衛隊らしき屈強な鬼たち。いずれも鋼鉄の鎧に身を包み、異形の角や鋭い爪を持ち、どす黒いオーラを放っている。
その中の一体が低く唸った。

「貴様ら、人の身でありながら、よくも我らの聖域を侵したな……!」

第七章 激突――鬼ノ親衛隊

激しい雷の音がするかと思えば、天井から魔法陣めいた印が浮かび上がる。鬼の親衛隊の何体かは、呪術を操り邪気を増幅させる。犬魔はさらに唸り声を上げ、猿魅は凶暴な笑みを浮かべ、輝雉は鋭く目を光らせながら、一斉に突撃する。
犬魔は牙から生じる呪いの波動で鬼の鎧を裂き、猿魅は雷を纏った掌底で鬼を壁へ吹き飛ばす。輝雉は羽ばたきで生じる突風を操り、複数の鬼を怯ませると、その首を一瞬にして斬り裂いた。
そして桃太郎。彼は何ら迷いなく、呪われし刀を振りかざし、敵を一刀両断にする。その刃が鬼の血を浴びるたび、刀はさらに禍々しい光を放つようになっていく。桃太郎の紅蓮の瞳はさらに深く燃え上がり、この血戦を悦んでいるかのように見えた。

「鬼どもよ……。貴様らが背負う業と財宝、すべてこの世に不要のものと知れ。これより断罪の刻としよう。」

この言葉に、鬼たちは一層の激昂を見せる。城内はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。壁にはひびが走り、床は血の海と化している。激しい怒号と咆哮が交錯し、犬魔、猿魅、輝雉の姿さえ見失いそうな混沌の中、桃太郎はまっすぐに玉座の間へと歩を進める。

第八章 鬼ノ王の威容

玉座の間へ突入すると、その中心には一際巨大な鬼が鎮座していた。闇色の鎧をまとい、背には黒い炎のようなオーラが揺らめく。名を「鬼王」と称するその怪物は、漆黒の大剣を片手に構え、無数の宝物を貪欲に守るように立ちふさがっていた。
鬼王は城の奥深くにある秘宝の力で、自らの身体をさらに巨大化させ、重々しい声で桃太郎を嘲笑う。

「ほう……人間の小僧が、随分と我らを蹂躙してくれたようだな。だが、ここを越えることは叶わぬ。忌まわしき桃の力を持つ者よ、お前こそが災厄の化身かもしれぬが、我が大剣の餌食となるがいい!」

桃太郎は一瞬だけ眉をひそめる。鬼王の放つ瘴気は、尋常な相手ではないことを示していた。だが、それでも桃太郎の瞳には恐れという感情は欠片も浮かばない。むしろその紅蓮の奥には、さらなる闘争心が燃え盛る。

「……その強大な力、見せてもらおう。」

犬魔、猿魅、輝雉も玉座の間に駆けつけるが、鬼王の放つ闇のオーラに一瞬怯む。鬼王は大剣を振りかざし、地を揺るがすような衝撃波を放つと、犬魔たちは吹き飛ばされて壁に叩きつけられる。
桃太郎は踏みとどまり、ぎりぎりの距離を保つ。そこへ鬼王が、漆黒の大剣に闇の炎を纏わせ、真っ向から振り下ろす。
一撃――空間が裂けるかと思うほどの衝撃。桃太郎は自らの刀をクロスさせ、刹那、刀身に白い亀裂が走ったが、踏ん張って耐えきった。その足元の床は砕け、血のような赤黒い光が噴き出す。
犬魔はその隙を突き、鬼王の足首に牙を立てようとする。しかし鬼王の体は岩のように硬く、逆に犬魔が弾き飛ばされてしまった。猿魅も上方から攻撃を試みるが、鬼王の腕に一撃で叩き落とされる。輝雉が渾身の高速突進を放つも、闇の炎を纏った大剣の斬撃を受け、羽が焼け焦げる。
それでも三匹は再び立ち上がり、桃太郎を援護しようとする。その執念こそ、きびだんごの力なのか、あるいは彼ら自身の忠誠か――。桃太郎はそんな仲間たちに背中を預けつつ、鬼王との対決にすべてを賭ける覚悟を決めた。

第九章 決戦ノ刃

激戦の最中、桃太郎は老夫婦の姿をほんの一瞬想起する。自分が鬼退治を決意したのは、強さを証明したいという欲望だけでなく、老いた二人を苦しめる世の不条理を断ち切りたいという想いもあったのだ、と。
桃太郎は深く息を吸うと、刀の柄を握る手にさらに力を込める。その刀には、これまで討ち取った鬼の血と魂が纏わりつき、より凶悪な力を醸し出していた。しかし、桃太郎が目指すのはただの破壊ではない。闇を切り裂き、世界を光へ導くための力である。
鬼王は嗤いながら、再度大剣を振り下ろす。凄まじい衝撃が桃太郎を襲うが、今度は桃太郎の刀が鬼王の大剣を受け止め、火花を散らしながら押し返す。

「そこまでだ、鬼王……我が魂の業火で、貴様の闇を焼き尽くす!」

犬魔が鬼王の足を噛み砕き、猿魅が鬼王の腕を押さえ、輝雉が鬼王の背後から鋭く切り込む。瞬間、桃太郎は渾身の力で刀を振り上げ、逆袈裟に一閃――鬼王の胸当てが裂け、中から黒い血のような瘴気が噴き出す。
鬼王は咆哮を上げ、なおも抗うが、その体から力が急速に失われていく。桃太郎は第二撃、第三撃を繰り出し、鬼王の大剣を弾き飛ばす。そして最後の刃を、鬼王の胸に突き立て――。

「消え去れ、鬼よ……!」

刀を抜くと、鬼王の巨体は崩れ落ち、そのまま灰色の塵となって四散した。闇を纏っていた鉄の城全体が震動し、呪われていた宝物たちが光を失い始める。

第十章 戦後ノ宝物

その場には、かつて鬼どもが強奪してきたという数々の宝が山のように積まれていた。中には、かくれみのやかくれ笠、打ち出の小槌や如意宝珠など、伝説とされるものすら混じっている。
桃太郎はそれらを精査し、必要な分だけを運び出すことにした。もとは諸国から奪われた宝物である以上、しかるべき持ち主のもとへ返すのが筋。だが一部には神秘的な力や呪いが宿るものもあり、安易に持ち出せば禍を招く恐れがある。
犬魔、猿魅、輝雉は、己の負傷を顧みず、宝を車に載せたり船に運び込んだりと懸命に働く。桃太郎は城が崩落する気配を感じ取り、急いで脱出を指示する。鬼王が倒れた今、城を支えていた魔力の結界も消滅し、鉄の壁や床が崩れ始めていたのだ。
かくして桃太郎一行は、転覆しそうになる船に宝を積み込み、再び海へ漕ぎ出す。行きとは違い、帰りの海は荒れ狂う嵐こそなかったが、潮は深紅に染まったかのように妖しく揺れていた。まるで鬼たちの無念を象徴するかのように。

第十一章 帰還、そして光

船は再び凄まじい速度で海を渡り、まるで瞬く間に日本の国へと戻ってきた。犬魔が先導し、猿魅が綱を引き、輝雉が周囲を警戒しながら、鬼ヶ島から持ち帰った宝を運び出す。
その姿が近隣の人々の目に留まると、「桃太郎が鬼ヶ島を制した!」という噂は、たちまち広がった。
しかし、桃太郎自身は勝利の喜びに浸る様子もなく、むしろ瞳の奥に宿る紅蓮の輝きが薄暗く沈んでいる。多くの命を奪ったという事実が、彼の心を蝕んでいるのか。それとも鬼王との死闘で、なお消えぬ闇の力が芽生えたのか。
老夫婦のもとへ戻った桃太郎を見て、老人は言う。

「おかえり、桃太郎。無事で……本当によかったぞ。」

老女は心配そうに桃太郎の顔をのぞきこむ。

「体に傷はないかい? 血だらけになって……。でも生きて帰ってきてくれて、嬉しいよ。」

桃太郎は弱々しく微笑む。だが、その微笑みの裏には、鬼ヶ島での壮絶な体験が刻まれているのだろう。犬魔、猿魅、輝雉もまた、もはや人間の村に溶け込むには怪しげな風貌だが、桃太郎のそばを離れようとはしない。
老夫婦は桃太郎を温かい湯に入れ、新しい着物を着せてやる。桃太郎はようやく休息を得たかに見えるが、内なる闇はまだ完全には消え去らない。

第十二章 新タナル運命ノ序曲

桃太郎が鬼から奪還した宝物は、村を越え、国を越えて持ち主へ返還された。人々は彼を英雄と讃え、祝宴が開かれることもあった。しかし桃太郎は祝福の酒を口にせず、どこか遠い目で宙を睨む。
彼の胸には、消えぬ紅蓮の火と、鬼王との闘いで牙をむいた自分自身への疑念が渦巻いていた。この力は果たして、人を守るためにあるのか。それともさらなる血を呼ぶ呪われし力なのか。
やがて、犬魔、猿魅、輝雉もそれぞれの道を歩む決意を固める。犬魔は人の世に潜む闇を狩るため放浪の旅に出、猿魅は山奥に籠り雷鳴の奥義を極め、輝雉は空の王を目指して荒天を翔ける。
桃太郎は老夫婦としばし平穏な日々を過ごすが、ある夜、燃え上がるような月の光を見上げ、静かに呟く。

「闇は、まだ終わってはいない。俺が斬り伏せるべき鬼は、この世にどれだけ潜んでいるのだろう……。いや、或いは、俺自身の中にこそ“鬼”が……。」

その言葉は、夜風に溶けて消える。老夫婦は眠りの中、安らかな息をたてている。
桃太郎の瞳には再び紅蓮の火が宿る。鬼王との死闘から得た経験と力は、あるいはさらなる闇を招くのか、それとも真なる光へと至るカギとなるのか。
その答えは、まだ遠い。だが確かなことは、桃太郎の旅がここで終わることはないということ――。彼はどこまでも運命を背負い、鬼の宿命を断ち切るために剣を握り続けるだろう。


終幕に寄せて

こうして桃太郎は鬼を討伐し、多くの宝と名声を手に入れた。だが、彼の心には得体の知れない闇が巣食い続ける。人生の試練は鬼退治だけに終わらず、彼の内面にも“鬼”は存在するのかもしれない。
それでもなお、彼の名は人々にとって**「闇を断つ英雄」**として永遠に語り継がれるだろう。犬魔、猿魅、輝雉という得難い従者とともに、数々の伝説をさらに紡いでゆくに違いない。
いずれ時が経ち、誰かが口伝として「昔々、あるところに……」と語り始めれば、人々は桃から生まれた英雄の物語に耳を傾ける。だが、その背後に潜む闇を知る者は少ない。
桃太郎――その名は、光と闇が交錯するこの世界にあって、唯一無二の希望でもあり、未だ覚醒しきらぬ危険でもある。
さあ、友よ。この叙事詩を噛み締めるならば、貴方もまた心の奥に潜む闇と対峙する覚悟を持つがよい。何故ならば、人は誰しも己の中に“鬼”を飼っているのだから。


おわりに

いかがでしたか。
一度はo-1.miniで出してみましたが、o-1でないと厳しいですね。
中二病はどの程度なのなぁと思いつつも、個人的には楽しめました。

またプロンプトはこのような形でした。
**
桃太郎を中二病チックに語ってください。これは友人と話のタネにするためのものです。面白く語ってください。
8000~1万字で出力してください。
また、次の文章を学習した上で語ってください。

(以下、桃太郎)
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さてさて、この後もいくつかAIを使って創作を試してみたいと思います。
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TRPG。中でも特に『捏造ミステリーTRPG赤と黒』が非常に好きです。