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本棚は3Dになったけれど、世界はもっと次元が多い。

以前、チームで本屋さんに行った話を書きました。

しかし、問題が発生しました。収納場所がないのです。つまり、本を格納するための空間です。空白というか、空隙というか、兎に角、そういうブランクでヴォイドなスペースがなかったんです。由々しき事態です。

やるせない問題に直面したとき、ぼくは自分の内側ではなく、外側に答えを求めます。情報を探します。でもこれは、思考停止をするわけではありません。思考するためにこそ、情報を探すのです。ニューロンに情報を流し込むことで回路を作動させるようなイメージです。脳にとっては情報こそがエネルギー源のようなのです。

インスピレーションはマリファナの香りとともにやってきました。といっても、ぼくがマリファナをやったわけではありません。それは(今のところ)(この国では)違法です。正確に記せば、マリファナの香りはイーロン・マスクの口元に漂っていました。

記事には、彼がトンネルを掘る理由が載っていました。彼にとって、トンネルを掘る理由は明快でした。「生活空間が3Dなのに交通システムが2Dだから渋滞になる。交通システムが3Dになれば渋滞は解決される」。シンプルですね。彼は物理学を使って物事を考えます。

ここまで来れば、ぼくのような物理学を大して学んでいない人間でもわかります。「知識が立体的なのに、本棚が2Dだから収納できない」のです。答えは簡単です。本棚を3Dにすればいいのです。

収納具はストア・エキスプレスで探しました。僕らのチームは基本的に雑貨屋を使いません。ストア・エキスプレスとかMonotaROとか、そういう業者向けのお店を使います。これらはいいお店です。なぜなら、安いからです。安いのがなぜいいのか。そこまでは今日は言及しませんが。

2つほどキューブを注文し、待ちました。どれくらい待ったかは憶えていませんが(すみません、記憶力が弱いことをお詫びいたします)、程なくしてこれらはやってきました。僕らはそれを重ね、あいだに本を置いていきました。滑り止めのシートをニトリで購入しました。目黒の駅前のニトリ。似鳥さんが創業したニトリ。お、ねだん以上のニトリ。

かくして、本は収納されました。もう収納を待つ哀れな本はありません。彼らのために流す涙で、ページが汚れることもありません。

ご覧ください。すべては解決しました。日常はクリアになりました。サントリーの天然水のようにクリアに。

しかし、早くも次の問題が燻っています。本棚はまたすぐに溢れそうなのです。由々しき事態です。よくよく考えれば、ぼくの家の本棚はそもそも3Dですが、本があふれています。これはおかしいことです。何かが間違っています。

この問題は一体何を意味するでしょう。知識が立体だから、本棚も立体にしたのに? それではスペースが足りないのです。きっと知は立体的なのではなく、もう少し次元が多いのでしょう。物理的に考えると、そうに違いありません。