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アメリカで少年サッカー(前編)

まえがき

あっという間に前回投稿から3カ月経ってしまったDKです。
前回投稿では筋トレにはまっているという話を書きましたが、その後、いろいろな怪我・体調不良が重なり(*1)、筋トレができない期間が続きました。
その結果、当時できていた回数・重量ができなくなってしまい、必死でリカバリーしている最中です。健康の重要さを改めて実感しているところです。

さて、今回は息子のサッカーについてです。日本でいうところの少年サッカーをアメリカで1年やってみたので、どんな感じだったのか書いてみたいと思います。『アメリカで』と書いていますが、ご存じの通り(なのか?)、アメリカは広く、地域差も大きいので、あくまでテキサス州、それもダラス近郊の話と思ってください。


きっかけ

父(私)の話

息子の前に自分の話をさせてください。
私はもともとサッカーをやったことはないのですが、サッカーの試合を見るのが好きで、ミーハーに日本代表の試合は結構見ていました。
というのもサッカーそれ自体にも興味があったのですが、海外に挑戦しているサッカー日本代表選手達の姿に(恐れ多くも)自分を重ねて応援していたからなのです。なので、他のスポーツと比べてひと際、力をいれて応援していました。

それで、それなりの数の試合を見て思っていたのが、どうも「自分はサッカーのことを良く分かっていない」ということ。自身が選手としてプレーしたことがないためか、見ているプレーが正解かどうかわからないのです。
また、どうしたらチームとして勝てるのかというのもわかりませんでした。勝った要因・負けた要因の解説などを聞いてみたりしたんですが、どうも納得の行く解説がないなと。「こうすれば良かった」と言うのは簡単なのですが、できていない理由はあるはずで、何故できてなかったのかに言及してる人は殆どいないなとずっと感じていました。

そんなとき、Youtubeでレオザフットボールという人を見つけ、この人の解説は凄いと衝撃を受けます。(こちらです↓)


正しいのかどうか(当時の)自分には判断がつかなかったけど、絶対の自信=真理を持ってサッカーを見ていること、そしてその真理を淀みなく語ることに非常に興味をそそられました。
そこで、自分もある程度サッカーの見方を身につけたいと思い、実際に本を買って読もうとAmazonをぽちっとしてみました。こちら→

一方で、本のコメントに元日本代表の岡田さんの本を先に読んだほうが理解が深まるというものがあり、それもぽちっとして、どちらも読んでみました。

結果、本を読むと少しだけわかった気になりました。
それがきっかけて、段々、サッカーの本を読んだり、いろいろなサッカーYoutube番組を見るようになっていきました。

息子の話

それで息子の話です。
おそらくアメリカにおける大多数の子供はそうじゃないかと思うのですが、初めはYMCAが提供するスポーツ(*2)を季節毎に楽しんでいました。ご存じの通り、アメリカは季節毎にスポーツが交代していて、夏→野球、秋→サッカーorフットボール、冬→バスケ、春→サッカーみたいな感じで、一通りやってみる子が大多数だと思います。
息子も例外にもれず一通り(フットボールは結局やらなかった)やったのですが、野球は暑すぎるという理由でそうそうにドロップ。バスケは最初は楽しそうにやっていましたが、年が進むにつれ、だんだんフィジカルが重要になってきて、あまり体が大きくない息子は早々に不利を悟ったらしく、6歳の段階でサッカーに専念したいと言い始めました。

その時点で、すでにサッカーは2年(4シーズン)位やっていましたが、他の子と比べて特段上手いと思ったことはありません。ただ、とにかく一生懸命に取り組む姿勢が素晴らしいと思っていました。練習中、他の子供が気を散らしたり、ふざけていたりしてもコーチの言うことを良く聞き、真面目にこなしていました(日本人的もしくはアジア人的資質ですね)。その甲斐あって、いつもコーチには好かれていました。

クラブチーム

ということで、息子はクラブチームに加入しました。選んだチームはRenegadesというチーム。RenegadesはDallas地域でフランチャイズを展開しており、年代ごとにいくつもチームがあります。
テキサスではサッカーチームは8月後半位から始動し、6月には1年の活動が終了します。7月位にトライアウトやオープンプラクティスがあるのですが、いくつかのチームを体験して、こちらのチームにしました。
クラブチームでの練習は週2回で、週末に試合が1試合あるという感じです。

息子のコーチはコーチAという見た目も指導スタイルも鬼軍曹のようなコーチです(フルメタルジャケットのハートマン軍曹のような)。彼はイギリス出身で、サッカーをサッカーと呼ぶことに耐えられないらしく、よくリアルフットボールと言っていました(*3)。彼がよく言っていた彼の信条は、短期的な勝利よりもサッカーを通じた規律ある選手を育てることが重要というもの。彼の信条は私たちも気に入っていました。そして、練習中は結構怒鳴ります(笑)。アメリカ人からすると受け付けない人も多いと思いますが、息子は何故か気に入ったようでした。そしてコーチも息子を気に入ってくれることになります(*4)。

自宅練習場

そんな中、殆ど使ってなくて鬱蒼としていた裏庭にTurf(人口芝)を貼ったらどうかと妻が言い出しました。裏庭は木が生えていて、日陰がちで、芝生を植えてもあまり育たない環境でした。そこでは焚火をしたりしていたのですが、昨今はあまり積極的に活用していませんでした。
その提案に対して、当初はそんなに乗り気ではなかったのですが(値段も結構かかるため。大体$10Kほど。)、将来、家を売るときに手入れがされていない裏庭よりTurfのほうがいいのではないかという話もあり、投資としてやってみることになりました。

いざやってみるとサッカーの練習にピッタリで、親子でサッカー練習をするようになり、振り返ってみるとやってよかったことの一つです。

パパコーチ

自宅練習場ができてふと考えました。
「あれ、自分はサッカーのことをあれこれ本読んだりYoutubeで調べることが好きだから、これを息子に還元したらどうだろう?自分も楽しいし、息子もサッカーが上達できて一石二鳥だ!」
ということで、パパコーチが爆誕しました。遊びの要素をいれつつ、Youtubeや本で調べた練習メニューを息子と自宅練習場で行いました。日本のコンテンツには細かく練習方法があり、種類も無限大にあるため、非常に助けてもらっています。

また、週末はプレミアを見て(その時は遠藤選手を追っていたので、リバプールをずっと見ていました)、空き時間はNintendo SwitchでFIFA(FC24)をやる日々。サッカーが上手いことは格好いいと洗脳も施しました。その甲斐あって、そこそこのサッカー好きになった今は、ロンドンでプレミアリーグの試合を見たり、パリでPSGのスタジアムツアーに入ったり、私と一緒に楽しめる話題ができて、私も非常に喜ばしかったです。

一方で、あまり押し付けすぎて燃え尽きないように心がけました。サッカーが楽しいからやる、というスタンスを大事にしています。

飛躍

そんな個人練習と洗脳が実を結び、シーズンの半ばにはチーム内では一番上手い選手という地位を確立しました。その結果、キャプテンを任せられ、フリーキックやペナルティキックなどのキッカーも務めるようになりました。息子もキャプテンとして自信を深めたのか、仲間に積極的に声だけしたり、指示したりする姿も見られました。
普段はシャイな息子がチームを引っ張る姿を見て、我々両親は密かに感動していました(笑)。


長くなったので後半に続きたいと思います。


1) 手の平を火傷、原因不明の歯痛、アイビーポイズンに触ってしまったことで、腕・脚が水膨れのような状態になってしまいました。
2)正確にはYMCAがオーガナイズしてくれるパパさん・ママさんコーチのスポーツ。ここアメリカにおいて、コーチをやりたいパパさんママさんが多いことに感心しました。
3)アメリカではFootballはいわゆるアメリカンフットボールのことを指します。
4)彼はDallas Cup(ユースの国際トーナメント)で見た日本のチームの規律正しさに感銘を受けたようでした。そういう意味では息子のようなタイプとは相性が良いのだと思います。