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3/29 ミュージカル 『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』 @札幌 昼を観た(ネタバレあり)

めっちゃ今更なんですが、ふせったーに眠らせとくのがもったいない感想だったので転載します。
当然ながらネタバレだらけ。

いちおうふせったーはこちら


札幌公演 2024/3/29 昼

全体

 前半の「スピードワゴンが2部でメキシコへ発つ前に残した映像」、「ツェペリさんがジョースター邸の火事直前からイギリスへ来ていた様子」や「ディオの父親へのトラウマ」など、設定上も説得力がある翻案が本当に良かった。

逆に後半はカット多めという印象も。バトル展開の連続だから当然ではある。ドゥービーとかゾンビ四人衆とか出してもしょうがないし。
ラストバトルからどんどん2人の愛の引力が強くなっていくのはちょっと同人みたいだった。でも良解釈ですね。



【第一部】

・原作通りの語り部・解説かつ、個人としても財団としても部を跨いだ人物、スピードワゴンから始めるの素晴らしすぎ。戦闘潮流の設定から始めるの最高。

・アンサンブルの良さ!近くだとよくわかる。一人ひとりの表情と身体の躍動が気持ちよかった。舞台であることに説得力が出る。執事が大勢いるのとか、世界に厚みが出る。

・松下くんの甘ちゃんぶりの良さ。ベビーフェイスの大男。主役全員脚なっげ。


・ディオと母との絆が示唆されるの辛い。虐待モノ。おやじの呪い、若干多すぎ?ディオディオディオディオ
・「星を見る」をディオのソロ曲から言わせるのすご。この弱さ・トラウマを解決する手段が怪物を産む。3部以降のDIOは父親のことなんか微塵も考えてなさそう…と思うとさらに辛み。

・「ひとりの囚人は泥(壁)を見ていた…」って6部からじゃなくて1部の冒頭に書いてたの?!しらなかった…知っておきたかった……こんなに二人を貫くテーマになるとはね。


・スピードワゴンのラップ。ストリート育ちをこう表現できるのは音楽の力を感じた。「サンライトイエロー」などの歌詞が出てくるのもにくい。

・しかし音楽は、良くないとまでは言わないがちょっとひねりのなさが目立った。「なあジョーースーター」(スーが特別ダサい)とか「ジョージョー↑ エーリナー↑」とか、日本の作曲家なら作詞家と合わせてもう少しカッコのつく響きを開発したんではないか?
あとhitaruの音響の良さを活かしきれてないのか、歌詞がはっきり聞き取れないことが多いのは残念だった。椎名林檎を観たときは最前列間近でもちゃんとしてたので、PAの腕のような気がする。
ツアーは大変ですよね。贅沢言ってすみません。


・石仮面のあとを追って古物商を訪れるツェペリさんの初登場!!アツい解釈。ツェペリさんはジョースター邸まで肉薄していたが一歩間に合わなかったのだ。
後ろ姿を長々見せるのも映像的かつ観客に期待をさせる演出でよい。


・ワンチェンの動き、ゾンビ以前から異常ですごかった。スピードワゴンvsワンチェンの構図があるのもよい。


・仮面の力初登場の部分 アステカの力(アンサンブル)が出てくるの超良かった
・柱を歩くディオ そういえばアニメでもカメラぐるーっと回るやつやってたかも?



【第二部】

・切り裂きジャックと警部が同一人物なの普通に気づかなかった。あの肩幅の狭さ、神経質そうさ、よい

・清水さんのエリナ。声出まくってた。ソロも完璧だった。なにかもうひと絡み、物語を動かす部分に絡ませられなかったかなーとも。


・ツェペリさんの衣装キラキラ。
・スーハー
・メメタァ
・ツェペリさんの陽の気ありがたいね。みんなシリアスだからね…「ナデナデ」もやってほしかった。


・スタンディング馬車ライディング。
・ポコは出ません。ポコの姉も。
・チェーンデスマッチの名残り、チェーン三つ編み


・ツェペリさんも極論言えばジョナサンの人生に急に関わってきて急に死ぬ人なんだけど、長年暗示されてきた自分の死を悟りながら戦うからこそかっこいいし厚みも出ると思ってるので、ちょっと駆け足ぎみに死んじゃって悲しかった。
とはいえ「親友と息子を同時に持った気持ちだ」ってなんて美しく辛い台詞なんだ。じゃあジョナサンはそれを同時に失ったということじゃないか。

・↑書いてて思ったが、ここもジョナサンとディオは鏡写しなのか。二人の父(実の父と人生の師)を失っている。舞台版のディオは特に、パパジョースターのことを軽く見ていた感じはしなかったね。


・「泥と星」がもう一度繰り返されるところ、二人に真上から照明があたり、ジョナサンは明るい顔が見えるが、ディオの顔には影が落ち真っ暗になるところ!あれはすごかった。いわゆる「影DIO」が完全に再現されていて度肝を抜かれた。あれは立ち位置次第で全然違うものになってしまうはず。


・ドゥービーも出ないしトンペティ師もダイアーさんもスト様も出ない。しかし「波紋入りのバラは痛かろう」はやる。

・「おれの世界」だーー
・「全ては結果」ディアボロじゃん。結局オタクはこういうのが嬉しい。
・二人の青春がフラッシュバックしながら戦うの、ベタではあるが最高の演出でしたね。
・ディオが首だけになったとも身体があるとも言わないの、なかなかかっこよかった。


・「この世界が一巡するまではスピードワゴンが見届ける」その通りなんだよ。語り部の重責よ。


・面白かったな〜、上演時間を延ばす決断ができたのは本当に良かったね(中止の影響を受けた人は本当にご愁傷様です)。こっから30分削ったらコマ送りだよ。


おわり。再演とか続編とか、やってほしいね。
相当大変そうだけどね。


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