【感激】僕の左手に「神通力」が宿った日~たった1000円の奇蹟~
きょうは「#嬉しかったこと教えて」企画に参加します。まき子🍙ネップリ絵本作家さん、ナイスなテーマをありがとうございます!
あれは2006年のことでした。
僕は『報道ステーション』のロケで滋賀県にある栗東トレーニングセンターを訪れていました。
栗東トレセンとは、JRAの西日本における調教拠点。実はここで、日本競馬史上最大級の注目馬が滞在していたのです。
競馬ファンの方はもう想像がついているのではないでしょうか。
そう、ディープインパクト🏇
僕はなんと、この馬から「神通力」を授かってしまいました笑
当時のディープさんは、日本中の誰もが耳にしたことがある人気馬でした。
前年、シンボリルドルフ以来となる無敗でのクラシック三冠を達成。その走りは、天才・武豊騎手をして「走っているというより、飛んでいる感じ」と言わしめるほど。
中でも、菊花賞で見せた末脚は強烈でした。
ゴール直前、馬場鉄志アナウンサーによる名実況(4ː00あたり)。
「世界のホースマンよ見てくれ! これが日本近代競馬の結晶だ!」
そして、僕たちは世界最高峰のレース・フランス凱旋門賞への挑戦を決めたディープさんを取材することになったのです。
さて、僕はどのようにして「神通力」を授かったのか。
それは栗東での取材がひと通り終わったときのこと。馬房に入っているディープさんと2ショットで記念撮影してもらえることになったんです。
サラブレッドって近くで見ると、デカイ!
しかも、隣の馬房ではブラックタイドという馬が大暴れしている!
「ディープは大丈夫ですよ」と促され、恐る恐る近づく僕。なんとか柵の前まで進み、カメラに向かって右手でピースサインを出しました。
そのときです。
左の肘あたりに、鈍~~~い痛みが。
ちょ、ちょっとディープさん? 草食動物特有の平らな歯の感触がするよ?
どうして僕の腕を甘噛みしているのかな?
地味に痛いんだけど、カメラから目線を切るわけにもいかないし、笑顔を崩すわけにもいかないし笑
厩務員さんによると、ディープさんは好奇心旺盛な馬なので「ちょっかいを出してきた」と。馬に噛まれた経験は、後にも先にもこのときだけです。
僕たちはその後、京都駅へ。
左肘には歯型の痣が浮かび上がっていました。それを見て、僕はあることに気付いたんです。
「いま、僕にはキング・オブ・ギャンブルの唾液がついている!」
……と。
さっそく僕だけ帰りの新幹線を遅らせてもらって、駅前のパチンコ店に飛び込みました。直感でパチスロ『北斗の拳』を選び、1000円を投下。いつもと違って左手で押していきました。
すると……。
いきなり中段チェリー入った! ラオウステージに行った!
当たったァァァァァァァァァァァァァァァ!
1000円で当たるとか、マジでディープさん効果としか思えません。これこそ、僕が授かったという「神通力」です。まさに神の噛み!
この数カ月後、僕はフランスのロケにも行かせてもらえました。
凱旋門賞当日、ロンシャン競馬場が開門した瞬間にたくさんの日本人たちが猛ダッシュで場内になだれ込んでいく光景が、忘れられません。
残念ながら、ディープさんは日本競馬界の悲願を叶えられませんでしたが、レースが全て終わった後にコース上を歩くことができました。
ロンシャンの芝は長くて、足に絡みついてくる。
ファンが帰って静まり返った場内。あの歴史的舞台をひとり占めしたように思えて、とてもうれしい体験でした。
ああ、あの思い出はもう15年も前のことなのか。
ディープさんはこの2006年をもって現役を引退。その後は種牡馬として数々の強豪馬を輩出しました。しかし2019年、頚椎の骨折により安楽死。17年の生涯に幕を閉じました。
ディープさん、どうか安らかに。思い出をありがとう。
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今回の企画を考えたまき子さんの紹介記事です。僕の思い出をオリジナル絵本にしてくれました。
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