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34年前のプロ野球選手名鑑を発掘した。

北京五輪も閉幕し、2月もあとちょっと。プロ野球の春季キャンプは大詰めを迎えています。

この時期、僕がいつも楽しみにしているのが……、

選手名鑑です。

前にも書きましたが、阪急~オリックスという球団はマイナー球団すぎて、昔は情報がほとんど手に入らなかったんですよ。

そんな中、選手名鑑には驚くほどの情報が詰まっているわけです。しかも、お値段はたったの数百円。「こんなにコスパがよくていいんですか?」っていう1冊なんです。

僕が選手名鑑を初めて買ったのは、1988年のこと。阪急ブレーブスのラストイヤーですね。本棚の奥から取り出してみると……、

懐かしさが爆発しました。

今はどの名鑑もカラーが当たり前ですが、当時は白黒。でも、一番の違いはそこではありません。

なんと、住所、家族の名前、年齢が掲載されているゥ!

個人情報はまるで保護されておらず、だだ洩れ。むしろ、積極的に暴露しているではあーりませんか!

僕が持っている日刊スポーツのものは、酒量、たばこ量、小遣いの額まで載っていました。

ほんと、緩い時代だったんだなあ。

当時の選手たちも懐かしいですね。今、オリックスで監督をしている中嶋さんがプロ2年目の19歳。

好みのタイプは「中山美穂のようなキュートな女性」ですって。1988年2月というと『You're My Only Shinin' Star』が発売されたころ。こんなところからも時代を感じてしまいます。

僕はこの選手名鑑を読み倒し、個性的な選手を見つけるのが趣味でした。

中でも思い出深いのが、南牟礼豊蔵選手。

名前からして個性的ですよね。みなみむれ・とよぞう。でも、小学生だった僕を強烈に惹きつけたのは、特技の項目に書かれていた3文字でした。

「塀登り」

へ、塀登りってなんで? ボルダリングだって、パルクールだって知られていない時代ですよ。脱獄でもした?

ほかの選手は水泳だ、珠算だ、車の整備だ、カラオケだ、なんて書いているわけです。でも、南牟礼さんは……、

「塀登り」

謎でしかない! そう思いませんか?

しかし、この謎を解き明かすヒントがあったんです。15~16年くらい経ったころですかねー。僕は放送作家としてある番組に携わりました。

そこで、阪急OBの福本豊さんから聞いたのは……、

「当時、阪急の外野手はフェンスによじ登ってホームランボールを捕る練習をキャンプの時からしていた」

という証言。これで僕はピンと来ました。

南牟礼さんも、外野手。おそらく、この練習が得意だったのではないでしょうか。それで、塀登り。うん、きっとそうに違いない!

南牟礼さんは阪急・オリックスから中日、阪神と渡り歩いて1995年に引退しました。現在は兵庫県西宮市で接骨院の院長をしています。

機会があったら訪ねていって、治療がてら真実を聞きたいです。

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せき|放送作家|オリックス&ジャンプ好き
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