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日本DJ協会 presents【Spotlight DJs】渋谷の人気レストランで” DJ “を起用する理由とは?

今年から始動したインタビュー企画【Spotlight DJs】の第3弾。

DJといえばナイトクラブのイメージが強いと思われがちですが、近年ではその活躍の場が広がっています。スポーツ会場や企業イベント、そしてレストランなど、様々な場面でDJが求められ、その需要が高まっています。ナイトクラブ以外のシーンで活躍するDJにフォーカスを当て、インタビューを通じて、彼らが生み出す魅力に迫ります。

今回は、東京都渋谷区にある、夜景を望む道玄坂上ビル最上階のレストラン・Cafe Legatoの店長・宗像様と、こちらで活躍するDJ SHIN様にお話を伺いました。是非最後までお読みください。

左 : 店長の宗像様、右 : DJ SHIN様


◆Cafe Legatoの店長・宗像様へのインタビュー

ー DJをレストランに入れはじめたキッカケはなんですか?
キッカケはCEOの長谷川の発案ですね。世界的に見て、レストランでDJを入れているところが、多いのでそれ見て取り入れたのだと思います。
あと、元々ミュージシャンをよくキャスティングしていて、JAZZのLIVEをやったり、音大の方々をディナータイムに呼んで演奏してもらったりなどしていたので、その流れで、DJにも入ってもらいました。

ー今もそういったLIVEもやられているんですか?
Legatoでは今は入れてないんですけど、代官山にある系列店のタブローズでは、JAZZバントの方々などに入ってもらっています。

ー普段、DJは一日何人入っていますか?
基本的に、19時〜22時か20時〜23時のどちらかで一人です。
クリスマスやカウントダウンなどスペシャルな時は、DJの時間が伸びるので2人でやってもらっています。

ー音量についてはどのようなバランスを意識していますか?
会話の邪魔にならないボリュームを意識しています。

ー DJを入れることによってどのような変化が生まれましたか?
Legatoでは、ダイニングの時間帯に誕生日や記念日などのお祝いがとても多いので、それぞれの記念プレートを出すときに、DJにバースデーコールを入れてもらって、バースデーソングを流してもらっています。その演出でお客様がとても喜んでくれている印象です。
あとは、リクエストですね。お客様が来店された時点で、DJにリクエスト出来ることを伝えているのですが、リクエスト頂いたお客様の満足度も上がっていると思います。

ーリクエストはどの範囲まで応えていますか?
基本的に、J-POPはNGにしています。DJ達の判断でかける分には問題ないですが、リクエストでくるJ-POPをかけ続けるとカラオケ大会みたいな雰囲気になってしまうんでよね。
1番最初にDJを入れた時にそういったことがあったので、J-POPはやめることにしました。

ー DJを入れる時に選曲の要望はどのように伝えていますか?
CEOの長谷川が、Spotifyのプレイリストを30個くらい作っていて、それをDJがいない時はBGMとして流しているのですが、そのプレイリストをDJの方に見てもらって、その世界観に沿った選曲をしてもらっています。

ーDJ中に「もっとこうして欲しい」というような要望を伝える時はありますか?
今入って頂いているメンバーはずっとLeagtoでやってくれているDJ達なので、Legatoにあったプレイをしてくれているのでお任せしています。
メンバーを固定せず、色々なDJに入ってもらっていた時は意図を汲んでもらえないこともあり、苦労した覚えがあります。

ー 良いなと思うDJはどのようなDJですか?
今入って頂いているDJの方々は、Legatoの雰囲気に沿った選曲の中でお客様を楽しませてくれているし、MCでもしっかり盛り上げてくれているので、皆さんとても素敵なDJだと思います。

ー DJが入ったことによって、お客様の満足度は上がったと思いますか?
間違いなく上がったと思います。DJなしのLegatoは考えられないぐらいです。

ーDJが入ったことによって、新しい顧客の獲得にも繋がっていると思いますか?
DJによるアニバーサリー演出があるという所で、選んでくれるお客様がとても多いので、繋がっていると思います。
DJのコール希望の予約もとても多いですね。


◆DJ SHIN様へのインタビュー

−レストランでDJをするときに意識することは何ですか?
LegatoでDJをする際は、基本的に一人で3時間プレイするので、一日の中のストーリーを特に意識しています。
普段、19時~22時や20時~23時の時間帯を担当していますが、Legatoは人気店で、平日でもお客様が2回転、時には2回転半することがあります。2回転目のお客様が大体20時頃に来店されることが多いので、そのディナーが始まる時間に合わせてDJをスタートすることが多いです。そのため、お客様のフードのコースの流れを意識しながらプレイしています。乾杯から前菜、メインの肉や魚料理、パスタやピザ、そしてデザートという一連の流れに沿った選曲を心がけています。

会場全体の雰囲気や提供されるフードを見ながら、乾杯時にはテンション高めの曲を選び、その後は少し落ち着いた曲をかけ、お客様の酔い具合やテンションに合わせて選曲も上げていきます。メインディッシュの提供時が一番テンションが上がるタイミングだと思うので、その時には曲のテンポを上げたり、ヒット曲を多めにかけることもあります。最後は締めに向けて、ゆったりした流れに持っていくようにしています。
また、Legatoはオシャレな雰囲気だけでなく、盛り上がりやパーティー感も求められるお店なので、その中間を狙った選曲を意識しています。海外のレストランのように、オシャレ感とパーティー感を融合した雰囲気を目指しています。

ーLegatoでDJをし始めた頃に苦労したことはありますか?
Legatoは、豪華な内装と好立地による特別感や非日常感が魅力のお店です。そのため、お祝いに利用されることが多く、特に20代前半の女性グループが女子会で誕生日祝いをすることが頻繁にあります。

口コミで広がり、平日でも多くのバースデーコールがあります。3時間のDJ中に10回以上のバースデーコールを入れることもあり、あまりコールが続き過ぎると、普通に食事をしているお客様にとっては「またバースデーか」と思われることもあります。

お祝いは全力でしたい一方で、他のお客様の邪魔をしないように声のトーンや喋り方、言葉の数やテンション感を調整するのが最初は苦労しました。
クラブでのバースデーコールは得意ですが、レストランでは丁度いいバランスを探すのが大変でした。今では慣れてきましたが、その日の雰囲気によっても変わるので注意しています。

ーお客様からリクエストされることはありますか?
リクエストはあります。日によって異なりますが、全く来ない日もあれば、20曲ほどリクエストを頂くこともあります。

ーリクエストにはどのように対応していますか?
お店の意向として、お客様が楽しんでくれるのであれば、リクエストには基本的に応えています。ただし、レストランとしてのオシャレな空間を保つため、雰囲気にそぐわない曲やカラオケのようなノリになってしまう曲は避けています。

ーよくかけるバースデーソングは何ですか?
洋楽の定番バースデーソングを基本的にかけています。ただ、バースデー祝いが非常に多いので、1曲だけでは対応しきれないため、10曲から15曲のストックを用意しており、できるだけ被らないようにしています。
女性の誕生日には女性ボーカルの可愛いらしい雰囲気の曲を、男性の誕生日にはレニークラヴィッツやビートルズのバースデーソングなど、少し渋めの曲をかけています。

ーLegatoでよくかける曲はありますか?
女性客の割合が多いため、Dua Lipa、Taylor SwiftやAriana Grandeなどの女性アーティストの楽曲をよくかけます。
Dua Lipaのようなダンスポップはパーティー感を出す時にも、とても使い勝手が良いです。卑猥な表現や攻撃的なリリックが含まれていない曲が多く、Legatoの雰囲気に合うと思います。
また、ディズニー系の曲もよくかけます。例えば、「リトル・マーメイド」の「Part of Your World」や「アラジン」の「A Whole New World」などです。

ーー 季節やイベントによって選曲を変えたりしますか?
はい、イベントでいうとクリスマスやハロウィンの曲はもちろん用意しています。洋楽ベースでは春秋の感覚はあまりないのですが、夏や冬の曲はかけています。
また、時事ネタ系の曲も意識してかけています。例えば、流行っている映画の曲や、スポーツイベントのテーマ曲、オリンピックの時期にはオリンピック関連の曲などです。お客様の会話のネタに繋がれば良いなと思って、そういった曲をかけています。

ーレストランでDJをしていてやりがいを感じる瞬間はどのような時ですか?
日本ではレストランや飲食店でDJを取り入れる所が徐々に増えてきていますが、まだ少ないのが現状です。そんな中でLegatoでは基本毎日DJを入れている貴重なお店であり、そんなLegatoに対して「DJを入れて良かったな」と思われるような存在意義を出していきたいと考えています。
目立つことではなく、DJがその瞬間に合った音楽を選ぶことでお客様が楽しんでくれたり、良いお祝いの演出ができたと感じられることがやりがいです。
お店から「ありがとう」と言ってもらえたり、お客様からも好評を頂けた時には、非常にやりがいを感じますね。



『Cafe Legato』
『Cafe Legato』は、渋谷・道玄坂を登り切ったビルの15階に位置する。店内は両面がダイナミックなガラス張りで、一日を通じて空の変化を楽しむことができ、ゆっくり沈む壮大な夕日や、心が震える美しい夜景を堪能できる。

<場所>
東京都渋谷区円山町3-6 E・スペースタワー 15F

<公式WEBサイト>
https://cafelegato.com/

<instagram>
https://www.instagram.com/cafe_legato_tokyo/

『DJ SHIN』
2000年頃、東京でDJキャリアスタート。「Studio FLOWER」「SIX TOKYO」「SEL OCTAGON TOKYO」など、六本木地区のナイトクラブ数店舗でレジデントDJを務める。
2018年、2019年、国内最大の規模/知名度を誇る都市型フェス「ULTRA JAPAN」に2年連続出演。毎年8月に横浜で開催中、日本最大級の”船フェス”「夏クル」のイベントプロデューサーを担当。
2019年、「一生に一度は体験したいパーティー」として話題のサマーパーティー「泡パ® by Afro&Co.」のサウンドディレクターを担当。2020年、コロナ禍の自粛期間において「今だからこそクラブにしかできないエンターテインメントがある」をテーマに掲げ、日本全国述べ30クラブ以上を繋ぐ「ジャパンクラブフェスティバル」をオンラインパーティーとして企画・開催し、合計6日間で述べ約5万人の視聴者を集めた。
ジャンルレスな選曲やイベントプロデュースで、東京クラブシーンの核となる存在の一人として活躍中。

< Instagram >
https://www.instagram.com/djshin_jp/


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