【感想】 BAYCAMP 2018 (2018/09/09 - 10)
オールナイト屋外フェスBAYCAMPに行ってきた。地元北海道の事もあり、そわそわする気持ちもあり。そんな中でLIVEに行くのはなにか迷う気持ちがあったけど、自粛をするのは違う気がするし、家にいても何か変わるわけじゃない。そんな時だからこそ音楽って触れたいものなんじゃないかなって思い行ってきた。
簡単に各アーティストの感想を。
yonige
リボルバー / our time city / 2月の水槽 / ワンルーム / アボカド / 沙希 / 悲しみはいつもの中 / さよならプリズナー
一時期、渋谷の街中でパワープレイされまくっていた彼女達。 MCの感じは、ギターボーカルがけだるめで、ベースは関西人感バリバリ。そのギャップが良かった。 音楽的にもバランスが良いバンドだと思った。
吉澤嘉代子
月曜日戦争 / えらばれし子供たちの密話 / 麻婆 / 地獄タクシー / ユートピア / 残ってる
チラ見。アイドルとシンガーソングライター的なものの間。若干クラムボン感があった。もう少し経ったら好きになりそうな感じ。シュガービーンズさんのキーボードがよかった。
ZAZEN BOYS
Weekend / HIMITSU GIRL'S TOP SECRET / MABOROSHI IN MY BLOOD / 破裂音の朝 / Cold Beat / Asobi
楽器による大道芸を見ているような気分だった。とにかく技術がすごい。半端ない。スリリングかつエキサイティング。途中なんどもため息がでて、笑ってしまった。すごすぎて。
向井秀徳は「まつりスタジオから来ました。ZAZEN BOYSです。」というセリフを何度言うんだろう?ってくらいくりかえしていた。
曲と曲の間にビールをやたらと呑んでいて、ついに曲の最中に呑みはじめた最後の曲では、ビールを呑んでいるその姿そのものがパフォーマンスとして成りたっており、またもや度肝を抜かれた。
RHYMESTER
Style Wars / The Choise is Yours / K.U.F.U. / 梯子酒 / B-BOYイズム / ザ・グレート・アマチュアリズム / After 6
評論でおなじみのライムスター宇多丸さん。ラジオや評論には触れたことがあったけど、彼の音楽に触れるのは初めて。レジェンド感あふれる貫禄のあるステージととにかく面白いMC。
個人的には宇多丸さんのラップがすごく好みだった。うまい。ただただうまい。
大森靖子
ミッドナイト清純異性交遊 (リハ) / 魔法が使えないなら (リハ) / 音楽を捨てよ、そして音楽へ / TOKYO BLACK HOLE / マジックミラー / 絶対彼女 / PINK / 死神年いろいろと話題になったBAYCAMPだけに特別な思い入れを感じたステージだった。
ベースのえらさんリクエストという、「魔法が使えないなら」からの「音楽を捨てよ、そして音楽へ」の流れが秀逸だった。
去年はこの会場で翌日、夏の魔物があって、トリで聴いた大森靖子さんが最高だったから、その時の事を思い出した。
最後の死神の時に背筋がゾクッとした。グッときた。
リーガルリリー
三日月(リハ)(くるりのCover) / the tokyo tower / リッケンバッカー / overture / ぶらんこ / スターノイズ
人がたくさんいたのが印象的。静かな音楽をフェスで聴くのもいいな、と。
リハでやったくるりの三日月が良かったし、overtureとスターノイズはじんわりと聴き入った。
「私に邦楽ロックを教えてくれた人がスタッフにいて。それがなかったら私はもしかしたら今ここにいないかもしれません。青木さんだいすき〜!」
このMC、よかったなあ。
※青木さんはBAYCAMPの代表
the pillows
この世の果てまで / Skelton Liar / ニンゲンドモ / 王様になれ / Funny Bunny / Thank you, my twlight / ハイブリッド レインボウ / Advice
王道感と安定感。ライブで聴くさわおさんの声が好きだし、ピロウズは間違いなくフェス栄えするバンド。
クリープハイプ
5% / 鬼 / 火まつり / ラブホテル / イト / 栞 / HE IS MINE
前半は夜っぽい曲たち。5%をやったのは意外だったけどすきな曲だからうれしかった。
栞は色んな曲のギターリフをアレンジしたようなリフで、クリープハイプの歴史の博覧会みたいな感じがすき。出た直後のタイミングだったから絶対やってくれると思った。
個人的にクリープハイプは、2012年のRising Sun Rock Festivalの最小ステージdef garageで観たときがベストアクトなんだよなあ。初めて聴いた感動と、若さと、色んな補正も相まってあの時のLIVEをずっと自分の中で更新できない。一番声が出ていたようにも思うんだよね...!でも今のクリープもすき。
神聖かまってちゃん
自分らしく / 肉魔法 / 夕暮れの鳥 / 夜空の虫とどこまでも / フロントメモリー / ロックンロールは鳴り止まないっ
の子が金髪で出てきてびっくりした。笑 煽りのクセが強い&ゴリ押しで乗りきる度胸がすごいと思った。 10年経ってもかまってちゃんが活動を続けていて、こうしてフェスで大きなステージに立ち続けていることが感慨深かったし、「ロックンロールは鳴り止まないっ」はいつ聴いても最高の曲。
出てきた頃は一発屋になると思っていたけど、の子さんは名曲をたくさんつくり続けている。恋は雨上がりのようにの主題歌に抜擢されたフロントメモリーの歌詞とメロディのバランス、乗せ方は職人技だと思う。
MOROHA
YouTubeを御覧の皆様へ (リハ) / 革命 / 俺のがヤバイ / 勝ち負けじゃないと思える所まで俺は勝ちこだわるよ / ストロンガー / 五文銭
ベテラン勢をたくさん観たBAYCAMPだったけど、その中で全く引け取らなかったのがMOROHA。リハーサルから醸し出されるガチ感が半端なかった。
隣で観ていた人は開始と同時に瞬間に泣き始め、前の方で観ていた人は、「まじかよ!やばい!」って顔をした後にため息をついていた。
バラード的な曲は一切演奏されず、終始ゴリゴリのセットリスト。「俺たちはここからどんどんのし上がっていくぞ」という覚悟をひしひしと感じた。
深夜に聴くUKのギターは最高だったし、アフロのラップの切れ味と抑揚、感情の表現力がすさまじかった。大御所ライムスターを同じ日に観たのに全く引けを取らないというか、完全に新しいジャンルを確立していた。アスリート精神あふれるスポーツのような音楽。
1秒も見逃さまいとステージに釘付けにされ、わしづかみにされて振り回されるた。そして、ぐっさりと刺さってきた。他のお客さんもきっとみんなそうだったと思う。
竹原ピストル
オールドルーキー / LIVE in 和歌山 / よー、そこの若いの / Forever Young / Gimme da mic!! / みんな〜、やってるか! / Amazing Grace / おーい、おーい / ドサ回り数え歌
竹原ピストルも良かったなあ。”も”と言わせてしまう程の余韻、というか後遺症(笑)を煩わせてきたMOROHAを尊敬するしにくい。あれは呪いだ。
歌に魂をこめて磨いてきた人の歌を聴けてよかった。ひょうきんなMCと裏腹に刻まれるギターには緊張感があり、その歌声は深い。彼のような本物のアーティストが評価されて一般にも周知される本当にいい時代になったなあ。本物じゃないと評価されない時代の幕開けの予感がした。
泉谷しげる
助演男優賞 / ぬえの鳴く夜は / 紙様 / 聖徳太子フリースタイル / DJ松永ルーティーン / 合法的トビ方ノススメ / 朝焼け
TV番組を観てるみたいだった。さすがのベテランは観てる世界が他の出演者とは違う感じ。いいかげんにやっているように見えても決めるところはちゃんと決めるし、お客さんを巻き込む力がすごい。完全に芸能人。
後半ステージから降りてきて「俺の写真を撮れー!」と言いながら会場を放浪(笑)泉谷しげるを生で観たからには写真を撮りたい、だけど撮影は許されないというお客さんを完全に包含して壁をぶっ壊すサービス精神に恐れ入った。
Base Ball Bear
真夏の条件 / BREEEEZE GIRL / short hair / Tabibito In The Dark / The Cut / ドラマチック
ベボベは高校生の時に流行っていたMP3倉庫みたいな違法サイトで知った。当時の自分にとってはHYと同じような系列だったんだけど、ベボベはボーカルの小山さんがマニアックでヲタク的だし、スキルもすごいことは最近になって知った。
アイドルネッサンスに提供した曲たちが最高で、いつかベボベでセルフカバーしてほしい。
肝心のLIVEは、まさかの小山さんラップがめちゃよかった。ギターも変態的ステキ。天才的な変態がつくる曲ってたいていは大衆受けしないのに、彼らの曲はポップだからそれもまた異色。おもしろい。
忘れらんねえよ
僕らチェンジザワールド / 北極星 / ばかばっか / 寝てらんねえよ / この高鳴りをなんと呼ぶ / 踊れ引きこもり
個人的には、THE BOYS & GIRLSの方が好きだから、なんで彼らが売れてるんだろうって思っていたけど、全く別物なんだな、とLIVEを観て思った。
柴田さんすごいね。多動性の僕が観ても多動がすごいと思う笑ステージングだったし、煽りがいちいち最高。オーサム待ちのお客さんもいじって笑顔にさせていた。
後半ダイブしてPA前に来てビールを受け取り、ファンの上に立った状態での真夜中のコール!そしてビール一気飲み。これぞ都会の大学生魂。都会の童貞は勢いがちがう!(今は童貞じゃないけど)
あの一瞬だけ、場が「大学のサークルメンバーが集まる居酒屋の一室に変えてしまった。飲む前にビールがこぼれてファンの頭にかかっていたのがシュールだった。笑
Awesome City Club
Don't think, feel / アウトサイダー / Sunny Girl / 8月とモラトリー / ダンシングファイター / 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
ボーカルのatagiさんの謙虚さと生真面目さが伝わってきた。前に出演していた忘れらんねえよについて、「実は同じスタジオをお互いに昔から使っていて、古い仲なんですよ。」と説明してくれる丁寧さ。
サニーデイ・サービスに花を持たせるべくあえて「ASAYAKE」はやらない宣言。これまた誠実。深夜に聴くダンシングファイターは、音が夜風とまざりながら空に散っていくようで、きもちよかったなあ。
「みんなオールして、だるいなあ、口ん中ビールくさいなあ、よかったなあって思いながら電車に乗って、帰るんだろうなって思います。僕もそんな風に夜を明かす日々をおくっていた時がありました。思い返すとあの時間は本当に素敵な時間だったと思うから、みんなにも大事にしてほしいです。そんな気持ちを歌った新曲です。」
8月とモラトリー、グッと来たなあ。シチュエーションに曲をバツっと曲がはまってくるきもちよさたるや...!
シティポップ的なアーティストは、Suchmosとオーサムとネバヤンをチラッと聴く程度だったけど、彼らの音楽をこれからもっと聴いていきたいと思った。
サニーデイ・サービス
baby blue / 苺畑でつかまえて / 魔法 / 96粒の涙 / Tシャツ / セツナ / 白い恋人 / サマー・ソルジャー / 青春狂走曲 (アンコール)
正直体力がもう限界で、0時以降の部で一番楽しみにしていたサニーデイ・サービスだったけど、眠くて記憶が曖昧...前半は曲中何度か寝落ちしてぶっ倒れそうになった。
登り始めた朝日を見上げながら聴く、サマー・ソルジャー、良かった。最後の青春狂走曲の時の朝日なんて、ほんとに極上だった。くそー眠くない状態でリベンジしたいよー。
朝日と共に迎えるトリって、オールナイトフェスの醍醐味で、Rising Sunの最高ポイントだけど、ライジングは曇りがめちゃ多くて、2010年の「転がる岩、君に朝が降る」でラストを迎えたアジカン以来晴れた空にのぼる陽を眺めながら、朝は迎えれたことってなかったんですよね。
それに対して、今年のBAYCAMP。めちゃめちゃ晴れてくれました。文句なし朝日! 海と、まわりに立ち並ぶ工場の上に浮かぶ朝焼けは、言葉にできないほど美しくて、こんな贅沢を味わえるフェス、毎年来たいな、と確信した。
FREE THROW GARDEN30分押しによってtetoが観れなかったのと、最後体力が切れて眠くなったことはやや後悔だけど、それ以外一切の後悔なし。最高のフェスでした!
最高のアーティストに最高のタイムテーブル、最高のロケーションでの快適な運営。ありがとうございました!