jukeの前のdj
ベルリンはとても良いところだった。
私はベルリンで今も仲の良い友達に出会う事ができた。
沢山のクラブに行きいろんな音楽を聴きまくった。
そして最終的にミニマルダブが好きだ と気づき、このジャンルでdjすべきだと悟った。
そしてワーホリビザでベルリンに帰ってこれる様、貯金すべく働くべきだと考え、私は平日は事務員として働き、週末はコンピュファンクでバーテンのバイトをし、音楽の知識を得ながらバイト代でレコードを現物支給でもらい、djとして活動する準備をしていた。週一回は24時間起きているというヘビーな生活だったが最高に楽しかった。
ある夜いつも通りコンピュファンクでバーテンをしているとき、1人の男がふらりと店にやってきた。
それは冴えない雰囲気の顔の濃い男で、レーベルや曲作りをしていると言っていた。djには知り合いが増えていった時期だったが、クリエイターに会う事がまだ少ない時期だったのですごい!とは思ったが、男の冴えない風貌から 私の好きな音楽ではないのだろうと決めつけた。なんて小さくハクのない声だろう。
フロアから漏れ聞こえる4つ打ちと、照明のほとんどない真っ暗な店。 男との会話に疲れた私は適当にジントニックを作って渡すとそれきり話さなかった。
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