④佐藤和夫のこれから:南部事変に向けて
【「③佐藤和夫が大切にしている言葉」から続く】
インタビュー最後には“これから”というお話を聞いていますが、やっぱり南部事変のことを語ってもらわないと、ね!
ですね!今年も、10月26日(土)に(岩手県)二戸市・「カシオペアメッセなにゃーと」という所でやります!
南部事変というイベントは、自分が刺激を受けた、手作りでやっている音楽イベントというものを絶やしちゃいけない、っていう思いがまずあって。少子化とも言われてるけど、若い人たちもたくさんいる。そういう人たちに“音楽イベント”というものを伝えたい、そして刺激を受けて欲しい。こちら側の老婆心なのかもしれないけど(笑)、こういう刺激を受ける機会も少なくなってきているとも思うので。
校歌を作る(後述)という機会にも恵まれたし、こういうイベントをやれる立場・やり易い立場でもあるとも思ってるのでもう、やるしかないなと。(地元の学校の)書道部やマーチングバンド、合唱部とかと絡んだりしながら、ロックバンドを見るハードルを下げる。そして今年は初めて、無料で開催しようと思ってて。
そうなんですよね!
無料の方が来やすいっていうのはあると思うんで、お金を生むのは違う形で頑張って。あと、SaToMansion(サトマン)として10周年が近づいてきてて、10周年でのトピックとして、二戸市に九戸城の城跡があるんですけど南部事変をそこでやりたいっていう目標があるんですよ。すごく良い場所だし、そこに到達したいっていう夢がずーっとあって。メチャクチャ広い場所だから、集客にはもっと認知を上げないといけない。だから今回は頑張って無料にして、まず南部事変というイベントと、SaToMansionを。今回、知ってもらいたい。
それで今回は、クラウドファンディングも利用して開催しますが(※クラウドファンディングはいよいよ10/6(日)まで!ご協力よろしくお願いします!)、クラファンといえば気になるのがリターンです。
ファンの人たちにはちょっと値段は大きくなってますけども、最前エリアのチケットとTシャツがつくとか。あと、個人もOKなんですけど企業様用として「のぼり」にお名前を入れるとか。当日はそれをバーっと会場に並べる感じで。
国技館みたいな雰囲気になるんだね(笑)。
“南部事変”っていうワードと、のぼりってすごくマッチするんだよね(笑)。のぼりは勿論、持ち帰ってもらってもOKだし。あと来られない方用にはタオルとかも用意してますし。
それと(クラウドファンディングの)目玉はね、特攻で使われる「キャノン砲」。銀テープが舞う、あの発射ボタンを押せる権(一同笑)。ちょっとギャグっぽいんだけど、ミスったら大変なことになるっていう。これってかなりの思い出になるんじゃないかなと思って。金額はちょっと高くて、“Go!Go!サトウ”で55,310円なんですけど。勿論(本番前に)ちゃんとレクチャーした上で押してもらうんですけどね。俺も1回押してみたいなと思って、でも自分のライブでは絶対に出来ない(笑)。あと、生演奏で1曲歌える権っていうのもあるね。(※キャノン砲&生演奏で1曲歌える権、どちらも支援者がつき在庫はありません)
リターンでおもしろおかしいものがある方が、エンタメとして良いかなと。だから全部、金額も語呂合わせしててさ、“Go!サトウ”で5,310円とか。そういうところもクラファンのページを見て、面白がってもらえたらと思ってます。
では今年の南部事変、どんな1日になるでしょう?
北桜(ほくおう)高校の生徒有志に校歌(後述)を歌ってもらいますし、近隣の福岡高校には書道パフォーマンスとして、僕らの演奏と共にその場でライブで書いてもらう、というのをやってもらうことになっています。書道とのライブは、サトマンのファンにとっても面白いんじゃないかな。あと去年みたいにゆるキャラもいたりね。
高校生にとってもすごく良い刺激になるはず。そしてSaToMansionのライブ、と!
地元で歌うって、何て言うのかなぁ…他とは違うんだよね。緊張もするんだけど、気楽な部分もあって、自分にとって難しい感情なんですよね。親戚とか友達も来るしさ、小っ恥ずかしい部分もありつつだけど、“その時”のSaToMansionを皆に見てもらいたい、って気持ちかな。
二戸の先輩方や企業様にも応援されてて、でもライブハウスに来てもらうのも中々難しいから、その皆さんにもライブを見せられる場でもあるしね。自分たちがやっていることをプレゼンするような場所でもあるのかな、だからカッコ悪いことは出来ない。
地元でのライブをうまく表現できないのも分かるしわたしもうまく表現できないけど、去年お邪魔して、いつもとは違うサトマンのライブが見られたなというのはあって。
何よりフェスの主催者でもあるから(笑)、色んな人も来ててビシッとしなきゃいけないっていうのもあるし、コラボとかもあるから気持ちは忙しいんだよね。
「南部事変」を見た次なる世代が、地元で次なる何か…と繋がっていけば面白いよね!
そうそう、そう!そうなったらもう、最高!毎年ずっと頑張っちゃう(一同笑)!
おじさん世代が元気なのは勿論いい、バカな大人がいないとダメだからさ。でも、おもしろおかしいおじさんが元気に一生懸命やってるだけじゃダメで、若い子が刺激を受けて次に繋いでいくのが良いんだろうなぁって思うし、そういうことを自分たちが今ちょうど、やり易い立場だと思ってるんで。
では最後に、度々出てきたお話・岩手県立北桜高校の校歌として「栄光」を手がけたことについてお尋ねしましょう。
たまたま自分の母校と兄弟が通ってた高校が合併することになって、そのタイミングで校章や制服も変わるけど校歌はどうする?っていう話の時に。公立高校なので県の教育委員長の判が押されないと進まないんだけど、教育委員長が“あぁ、サトマンね!”って、略称で呼ぶくらい知っていてくださったらしくて。正式に依頼をいただきました。
多分なんですけど、東日本大震災・10年の節目で書いた「明日を」っていう楽曲を「おばんですいわて」(NHK盛岡放送局)のエンディングで3年ぐらい使ってもらっていたりとか、グルージャ盛岡(公式応援ソング/「FLY AWAY」)のことだったり、岩手朝日テレビの高校野球(・純情応援歌/「VOICE」)でも使ってもらったりしていて、そういう積み重なったものがあるんだろうなって。それで、“SaToMansionだったら”っていうことになったのもあるのかな…って思う。
そもそも“東日本大震災から10年という曲を書いて欲しい”っていう依頼があった時もかなりプレッシャーだった。今もある悲しい気持ちとか、そういう全てを歌にすることにすごく、葛藤はあって。リリースもすごく怖かった…けど、「明日を」をリリースして、やればやっただけ実績というか…校歌を作ることが出来たのは、そういう積み重ねだったのかなって思ってますけどね。
完成した校歌、本当に良い校歌!
ありがとうございます。校歌って、複雑にするとダサいなと思って“シンプルイズベストって何だろう”って、色んな曲を聴きながらコード進行を漁って考えた結果、ものすごくシンプルでしょう。
歌詞にしても、言葉が綺麗に聴こえるように言葉が持つメロディを一番、大事にして作った。言葉のメロディを尊重してピースにはめていく作業ってすごい難しくて、曲を作る時にいっつも気をつけているところではあるんですけど、校歌ではね、特に。
入学や卒業だったり、節目で歌われていく曲だもの。母校の校歌を手がけられるなんて、こんな名誉なことはないよね!
ないよね、本当に嬉しいし光栄なことだよね。夢は(高校野球の)甲子園で歌われることだよね。これを機に、野球にも力を入れてもらえたら(笑)!
【「ひとのちから、まちのちから。」〜佐藤和夫さん(SaToMansion/TEXAS STYLE)編〜/完】