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スタートアップあるある 『コア人材採用』でやらかすのはなぜか? - 地獄への道は善意で舗装されている by マルクス -

おじさんの予想通りになったよ

先日とある人材案件で事故った話がちらほらと耳に入ってきたタイミングで、新規事業や事業責任者といったコア人材の採用には、『(適切な)リファレンス大事』って言いましたよねって投稿してから数ヶ月後にやはり結末が予想通りになってたので改めて考察してみたよ。どろんしてたよ。

なぜ日本ではこんなに採用時のリファレンスがワークしないのか?

おそらくこれは日本独自の問題点が大きく影響してそう。(ちなみにタイでも同じです)
つまり、

人の悪い点を指摘すること自体が美徳に反すると考えている人が多く率直に意見をいう人などが煙たがれる

ことが多く(おじさんもこの属性なので煙いみたいw)、真実や事実だとしてもそれを好意的に受け止める人が少ないからだと考えている。そのくせ、匿名のTwitterでは他人の批判はするが実名では他人の批判をしない人が多いのは。。。。(これは個人的な感覚値として)

ちなみにオランダだとめちゃくちゃ率直に事実を言うみたい。アメリカ人がこの記事書いてるけど、日本と比べればアメリカや他の欧米はどちらかというとダイレクトに事実を言う方だと思うが。むしろ、事実を言わない人でごにょごにょする人を過小評価する、日本と逆の価値観な感じがする(外資勤務とかを通じて思うのは)。無論、上司にはおべっか使うのはグローバルに共通してるよ、ここはお間違えなく。

話を戻すと、その結果、実名でリファレンスを回答する人が対象の人物に対して、当たり障りのないいい側面しか話すインセンティブしか働かず、

『あの人いい人ですよ。』

『仕事としてて嫌な感じはなかったですね。』

『仕事のことはわからないけどいい人ですよ。』

とかっていう回答することが多くなっているのだろう(少なくても今回の案件ではそうなっていたらしい)。

実際そこまでズル賢いやつなのか?

これを悪用すること?(本人は意図的には悪用したつもりはなくとも自然発生的に悪用されるパターンが多く)で、採用されてしまうことがある。採用されたところで、能力やスキルセットが不足しているので数ヶ月で事故案件となるのが大半。(僕も過去に採用した人でこのパターンをやらかしたことがあります。)ただし、日系企業の場合、試用期間での解雇などを毛嫌いすることもありそのままずるずると居座られるケースも多い。

あと、もう一つ言えることは、そうした対象は、

『自己分析能力が低く、本気で自分の能力、スキルセットが高いと思い込んでいる』

場合などが多く、本人的には嘘をついている訳ではないので、そのスキルセットや能力を確認するためにはリファレンスや客観的事実が必要となるが、上記のようなことが起きているためちゃんとしたリファレンスを得ることが難しくなり(くそループ地獄に陥り)、『嘘言ってなさそうだしな』という謎バイアスが働き、対象の言動からの判断が比重として大きくなってしまい誤った意思決定をして採用をしてしまうのではないかと考えている。

嘘?ついて転職すればいいってことなの?(›`ω´‹ )

ちなみに同じ業界で職歴などをごまかせるのは通常2回。

1回目は繋がりが薄くて誤魔化せる、2回目は繋がりがそこそこできるので誤魔化しがききにくいのですが1回目の誤魔化しで職歴ロンダリングしてるのでそれに採用者が誤魔化されるケースが多い。で、3回目になると繋がりの多さが指数的に増え、さすがにうわさレベルでもそれができなくなる。その結果、たいていの場合はここでロンダリングが終了し、その2回のロンダリングした経歴を使って起業とかフリーランスの道を選び、繋がりから外れたところで活動を開始する。その結果、どうなるか。後は皆様のご想像にお任せします。

以上、スタートアップ分析おじさんからでした。

 追記

逆のパターンで能力の高い人、スキルセットを高い人の採用を逃すケースもあるのではというご指摘をうけましたが、それも確かにあります。

当たり障りのないリファレンスでの回答は、マイナスの側面を覆ってしまうケースが多いもの、プラスの側面を覆ってしまうケースもあります。その結果、優秀な人材が採用できないケースもありえますが、事故として表面化するケースのほとんどが『採用後』に分かるのでそのケースはあまり目立たないのと優秀な人材よりもダメ人材の数の方が圧倒的に多いので事故件数としてもかなり差があります。


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