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20240101

大晦日の深夜から元旦の早朝にかけて、神社のお篭もりを体験。正月に向けて年末から国旗やのぼりの掲揚、清掃を進めてきたが、自分はお篭もりを担当することになった。
“おこもり”ってなんだか可愛らしい響きだが、その実態は掴めずにいた。近所の人になにをするのか聞いてもふわふわとした返答で、謎は深まるばかりだ。
「まぁ、あれよ。飲んだり、食べたりよ。それ以上は……」
僕はタブーに触れてしまったのだろうか。バツが悪そうな返答に、それ以上の追求は許されない不穏な空気が漂った。
結局のところ、防犯のための見張りだったのだが、神社に設けられた待機室が快適すぎて、それどころではなかった。電気カーペットに石油ストーブ、カップ麺におつまみ、酒類。グランピング並に環境が整っている。雪がちらつく中、凶暴な野犬に怯えながら焚き火で極寒を凌ぐ。時間感覚は鈍り、気がついたら仲間がひとりずつ消えていた。みたいな過酷な状況を想像していたので、拍子抜けした。
近所の人とのんびり会話をする機会もないし、真夜中独特の高揚も相まってか、しょうもない話ばかりで盛り上がった。誰も、何も、見張っていない。3時から6時という時間帯もあり、参拝者が訪れる気配もない。近所の人が言っていたように、本当に「飲んだり、食べたり」の状態が続く。
そんな体たらくでゆるみっぱなしの番人だ。不意に現れた参拝者を幽霊だと勘違いし、うろたえてしまう。
あっという間に当番を終え、後任に連絡をするが「明るくなったら行く」という不可解な引き継ぎをされ、僕たちは解散した。夜明けまでの失われた時間に、賽銭泥棒が現れたらどうするのだろうか。
「この辺にそんな悪いやつはいない」
それを言われたら本末転倒な気がするが、その言葉を信じたい。

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