海外の六花の話
まあ聞いて欲しい。
ブリティッシュな【六花】の話を。
1.はじめに
2023年8月現在【六花】というデッキは比較的マイナーな非環境デッキという立ち位置である。
しかしTCG(海外)では【クシャトリラ】が蔓延する環境でありながらtear2~3の環境デッキとして扱われており、2023年のヨーロッパ最大の大会であるEuropean Champion Ship 2023では【六花】を使用したJessica Robinson氏が見事優勝し、チャンピオンとして世界大会の切符を手にしている。
【六花】は海外が研究の本場であるが、日本ではマイナーテーマであるが故、それらの研究成果が日本語訳されることはまず無い。そこで本記事では彼女の使用した【六花】について解説する。
英語に理解のある諸兄は彼女のYouTubeチャンネルを視聴した方が早いので、下記にリンクを貼るのでそちらを推奨する。
2.デッキ紹介
2.1.デッキ紹介の前に
デッキを紹介する前に、1つの誤解を解いておかなくてはならない。海外では《増殖するG》が禁止であることから展開系デッキが強い立ち位置にあることは広く知られているが、これは日本のプレイヤーに1つの誤解を招いている様に思う。
海外のデッキリストを見ると、多くのデッキが《原始生命態ニビル》《冥王結界波》《拮抗勝負》等のカードをメインから投入していることに驚くだろう。海外は《増殖するG》が無い環境であるため、先行展開の突破方法が日本に比べ「後攻のときしか使えない代わりに単体で威力のあるパワーカード」に依存しているのだ。
これが何を示すかというと《増殖するG》が禁止だからといって全ての展開系デッキが日本より強い訳ではないということである。日本に比べ《原始生命態ニビル》や《冥王結界波》といったパワーカードがメイン戦からポンポンと飛んでくる環境である、と言えば分かり易いか。
日本で《増殖するG》等の手札誘発に対する受けが良いデッキが流行する様に、海外ではこういったパワーカードに対して受けが良いデッキが流行するのである。この様な背景があって、【六花】というデッキはヨーロッパで環境デッキとして君臨しているのだ。
2.2.デッキリスト
ご本人がデッキ紹介動画を公開しているが、筆者は英語に明るくないため、今回は本リストを以下サイトから頂いた。
40枚ではなく44枚というデッキ枚数は初動カードを引ける可能性を落としている様に思えるが、後攻用のパワーカードが先行展開の際に手札で腐る可能性を下げる役割もある。デッキの枚数が膨らんでいるいも関わらず、優秀な効果を持つ各種カードの2枚採用が目立ち3枚投入されていないことや、初動として強力だがモンスターをコストにする必要がある《ワン・フォー・ワン》が採用されていないこと等から、先行での手札事故について研究の跡が伺える。
ここでEuropean Champion Ship 2023上位入賞者のデッキタイプを少しだけ覗いてみよう。
フルパワーの【クシャトリラ】、深淵の獣を筆頭とした【ドラゴンリンク】の存在から、日本で見る様な墓地利用を多用するデッキは壊滅している。【ラビュリンス】も散見されるが、そんな中でも《冥王結界波》3枚どころか《倶利伽羅天童》をメインに投入していることから、上記2デッキに対してメイン戦を妥協出来ないという意思を感じる構築である。
2.3.基本展開枠
メインデッキの29枚が基本展開で使用するカードである。展開方法は第3項で説明する。
最強の1枚初動である《聖種の地霊》と《予想GUY》に目が行きがちだが、各種六花モンスターも重ね引きしたとき非常に強力であり、相手の妨害を貫通する役目を担う。全体的に多様なカードが少ない枚数で採用されており、そのどれもが比較的緩い条件で発動可能なため、安定して手数を多く保つことも可能。強力な展開をとまではいかないが、《六花のひとひら》《ローンファイア・ブロッサム》に至っては1枚初動としても使用可能であり、手札事故の少なさが容易に想像できる。
2.4.自由枠
【クシャトリラ】や【ドラゴンリンク】に対して盤面を崩す足掛かりになる《冥王結界波》《無限泡影》、役目がダブったカードを処理しつつ初動や貫通札等の必要なカードをサーチ出来る《スモールワールド》、盤面崩しと《スモールワールド》の両者に効果がある《倶利伽羅天童》《ダイナレスラー・パンクラトプス》が採用されている。
一見すると不要とも思えるカードがデッキの枚数を膨らませてまで採用されていることから、十分な研究に裏打ちされた採用枚数の比率である様に考えられる。
尚、本記事はマスターデュエルでの使用を想定しているためサイドデッキには触れないが、サイドカードとの入れ換えはこの自由枠のカードを対戦相手と相性の良いカードとチェンジするもの思われる。
2.5.スモールワールド
《スモールワールド》が採用されていることから、採用されているモンスター、特に2枚以上採用されているモンスターの繋がりが気になるところである。下記ツールで各々のカードの繋がりを調べた図が以下である。
《スモールワールド》の主な用途になりそうなところで言うと《灰流うらら》《倶利伽羅天童》《聖種の地霊》の3枚がそれぞれ繋がっている。《灰流うらら》をサーチするのは日本では《増殖するG》を止めることがあるため視野に入れるべきだろう。手札でダブったり先行で腐ったカードを《聖種の地霊》か《灰流うらら》に変換出来る、それだけで《スモールワールド》の十分強力な使い道である。
2.6.何故このデッキが勝てたのか
Jessica氏は強豪プレイヤーだけあってYouTubeに対戦動画が多数アップロードされている。【六花】に詳しいプレイヤーには有名な話らしいが【六花】に関するプレイ技術は世界最高峰とのことだ。しかしどんなに技術があっても勝つのが難しいのが遊戯王というゲームである。
海外のデッキ分布と対戦動画から読み解ける【六花】の強みに触れてみよう。
対戦動画を観ると分かるが、海外の環境で猛威を振るう【クリャトリラ】のエース《クシャトリラ・アライズハート》に対する《スモールワールド》からの《倶利伽羅天童》や《無限泡影》がとにかく強い。サイドゲームからは相手も《クシャトリラ・アライズハート》の着地を警戒して《クシャトリラ・フェンリル》で止まる場面もあるが、《六花来々》からの《六花絢爛》でモンスター効果を介さずに除去しつつ手数を確保する動きがハチャメチャに強い。【クリャトリラ】に対する優位を理解したプレイが頻出するのだ。
【烙印ビーステッド】は海外では少し特殊な立ち位置だ。《増殖するG》が存在しない分《灰流うらら》を温存されてしまい、日本以上に《烙印融合》の通りが悪い。【ラビュリンス】等の分布が多いせいで《灰流うらら》の採用率は高いままであるため不遇な立ち位置だ。結果【ドラゴンリンク】という形のデッキが闊歩することになるがJessica氏はこれをサイドから重くメタしている。
そして【ラビュリンス】と対面する場面でも【六花】の強みが分かる。海外の【ラビュリンス】は《Destructive Daruma Karma Cannon》という通常罠が採用されることが多い。
通常罠版の《皆既日蝕の書》の様なカードなのだが、裏側になったカードも《六花精ボタン》や《アロマセラフィージャスミン》といったカードで有効に使用出来る。
総じて、高いプレイ技術、1度攻め始めたら大抵の妨害を貫通出来る手数の多さ、環境に分布するデッキに対して有効な手数がテーマ内に豊富に存在すること、そしてしっかりと対戦相手のデッキを予期したカードを採用したことが【六花】がEuropean Champion Ship2023で優勝した理由だと考える。
3.展開方法
主な展開方法はJessica氏ご本人が紹介しているので、本項はそれの文字起こしが主である。
是非リンクの動画を視聴して欲しい。
展開のロジックについては複雑過ぎて細かな部分は筆者もよく分かっていない、申し訳ない。一先ず展開ルートを記載するので一度回してみて欲しい。
3.1.《聖種の地霊》1枚の基本展開
3.2.《聖種の地霊》1枚の応用展開
基本展開と分岐する場面を太字にする。
基本展開では最終的にLPを900回復する形になるが、この展開方法ならLPを2200も回復した形で展開を終えることが出来る。マスターデュエルでは使うことは無いと思われるが、OCGではETに頻出する展開であるため必須知識だろう。
3.3.《予想GUY》1枚の展開
基本展開と分岐する場面を太字にする。
《聖種の地霊》を素引きしたときと比べると《予想GUY》で召喚権を温存出来るので、それを使って《六花の薄氷》を構えることで《冥王結界波》等に耐性を付与した展開。《森羅の舞踏娘 ピオネ》を使用した部分は複雑な展開になっているため、ミスしない様に注意が必要である。特に《森羅の舞踏娘 ピオネ》の①効果を発動してしまって《六花の薄氷》が墓地に送られてしまった場合、この展開は成立しないので気を付けること。
3.4.《聖種の地霊》と「六花」モンスター2枚からの展開
《聖種の地霊》と各種「六花」モンスターの重ね引き展開で、YouTubeの動画等を観たところおそらく最も頻繁に使用する必須展開である。
今回は例として《六花のしらひめ》と重ね引きした場合の展開を紹介する。
3.5.《六花のひとひら》1枚の展開
ここからは《聖種の地霊》以外の初動だ。
《六花のひとひら》1枚からの展開はJessica氏のデッキの展開では見られないが、【六花】を使用するなら必須知識と思われるためここで紹介する。
《六花聖ストレナエ》しか場に居ないが、墓地に存在する《六花のしらひめ》の効果で《六花聖ストレナエ》をリリースすることで、リリースされた《六花聖ストレナエ》の効果で《六花聖ティアドロップ》を特殊召喚出来るため、見た目の割には強固な盤面が完成する。
とはいえ、やはり先行盤面としては心許ない。
このデッキはメインデッキの29枚が展開札なのだ。《六花のひとひら》1枚しか手札に無いことは考え難い。次項からはこの《六花のひとひら》との重ね引きが如何に強力な盤面になるか見ていこうと思う。
3.6.《六花のひとひら》と《聖蔓の播種》の2枚展開その1
《六花のひとひら》の重ね引き展開の中でも、基本が詰まった展開である。
3.7.《六花のひとひら》と《聖蔓の播種》の2枚展開その2
3.6.項の展開では《森羅の舞踏娘 ピオネ》の効果で植物モンスターをめくることが出来なかった場合の展開を紹介したが、もしめくれていたらどうなっていただろうか。
パッと見たときの盤面の大型モンスターの数は3.6.項の展開その1に劣るものの、墓地に存在する《六花のしらひめ》と場の《六花聖ストレナエ》の存在から妨害の数は劣らない。加えて《六花の薄氷》をセット出来ていることから《冥王結界波》にも耐性を付与することができ、見た目に反して非常に強力な盤面である。
3.8.《六花のひとひら》と《六花のしらひめ》の2枚展開
少し変わった盤面を見てみよう。
《円盤闘技場セリオンズ・リング》が場に残っており、場のモンスターに戦闘破壊耐性を付与する展開である。この展開は《六花来々》を使用しない珍しい展開であるが、ターンが返ってきたときに場か墓地の《廻生のベンガランセス》と手札の《セリオンズ"リリー"ボレア》という高打点モンスターを構えることが出来るという点で強力である。
3.9.《聖蔓の剣士》での後攻ワンキル
最後は後攻で頻出する展開パターンを見てみることにする。初動は基本展開と同様《聖種の地霊》である。この展開は【サンアバロン】における頻出展開であり、必須知識となる。
基本展開と分岐する部分を太字にする。
この盤面で《聖蔓の剣士》の3200の2回攻撃、《廻生のベンガランセス》の2500が場に居るので、3500+3500+2500=9500で相手のライフを削りきることが出来る。加えて《聖蔓の剣士》は戦闘破壊したモンスターを自分の場に特殊召喚する効果を持つため、相手の場にモンスターが居たとしても相手のライフを削りきることが出来る。
余談であるが、次項で記載する筆者がランクマッチに挑んだ際、最も使用頻度が高かったのはこの展開である。
4.対戦レポート
European Champion Ship 2023の結果を受けて筆者は【六花】と【サンアバロン】のカード効果に初めて触れたが、その4日後にはマスターデュエルておいて同デッキでマスター5からマスター1まで昇格した。
これはこのデッキが非常に高いポテンシャルを持つ証拠になるだろう。しかしながら非常に苦行だったので【六花】でランクマッチに挑むことは推奨しない。正直【ティアラメンツ】なら1日で行けたところを【六花】は4日もかかった…という印象だ。
以下はそのレポートである。
4.1.2023年8月のMD環境
今回のマスターデュエルにおけるランクマッチはどんな環境であったか、分布するデッキについて少しだけ述べ、そこから導かれるメタゲームについても少し触れよう。
【ティアラメンツ】はtear1だ。他デッキタイプの追随を許さない圧倒的なデッキパワーがそこにある。ターンプレイヤーか否かなどお構い無しに展開する暴力的なゲームで、マスターランク内シェアの3~4割を占めている。
次いでシェアが多いのは【烙印ビーステッド】だ。【ティアラメンツ】の墓地効果をピンポイントで刺しに行く様相はデッキタイプとして確立されたメタビート…と思わせてデッキテーマとしても破格のパワーを誇る。ずるい。【ティアラメンツ】にも引けをとらない3割程度のシェアを有する。
上記2つのデッキテーマに次いで【スプライト】【アダマシア】【クシャトリラ】といったデッキもシェアが高いが、上記【ティアラメンツ】【烙印ビーステッド】含め色々なギミックを混ぜて瞬間的な爆発力でゴリ押すデッキが多い印象である。【ラビュリンス】も散見されるが上記の様な暴力的なゲームに蹂躙されてしまいシェアは減少傾向にある。
メタゲームに触れると、少し前は多くのデッキがメインスロットの自由枠に【ティアラメンツ】を意識した各種《深淵の獣》モンスターや《ケルドウ》《ムドラ》《ディメンション・アトラクター》といったカードを入れていたが、元々小手先の手札誘発で致命的なダメージを負わないデッキであるため、日を増すごとに《拮抗勝負》や【ティアラメンツ】【烙印ビーステッド】はミラーを意識した際の《超融合》の様なゲームエンドレベルのパワーカードの採用が目に入る様になった。
この傾向はなんとなくTCG環境に似通っている気もするが、《増殖するG》が存在する以上そう上手くはいかないだろう。では、そんな環境で【六花】はどう戦うか。
4.2.【ティアラメンツ】対面
いや、かなりキツい。そもそもパワーで負けているが、他にも難しいゲームになる理由が主に3つある。
1つ目は【六花】の先行展開が無力であることである。【ティアラメンツ】の初動は召喚成功時等のタイミングで発動する効果が多く《六花の薄氷》がまともに発動出来ない。うまく発動出来ても《六花聖ティアドロップ》が相手モンスターの墓地効果を誘発してしまう。《六花のしらひめ》が辛うじて機能するが、相手のチェーンブロックの組み方次第では無力である。つまり、頑張って先行展開を通しても盤面が仕事をしてくれないのである。加えて前項で記載した《拮抗勝負》等のパワーカードの採用増加は泣きたくなる様な話である。
2つ目は《増殖するG》の価値が高いデッキであることだ。【六花】は展開途中で《増殖するG》を打たれた場合、中途半端な着地点しか残されないデッキである。それでも後攻であればお構い無しに展開を続け、各種手札誘発を掻い潜ってライフを削りきることも出来る展開力がある。しかし《ティアラメンツ・ハゥフニス》といったカードが絡むとそうはいかない。先行後攻問わず《増殖するG》が通った時点でターンスキップとなるのは明確な敗因だ。
そして3つ目は【六花】の制約である。【六花】の様なランク4のエクシーズを使用する多くのデッキは《深淵に潜む者》を投入して【ティアラメンツ】の対策をするし、地属性を多様するデッキなら《崔嵬の地霊使いアウス》を使えば流行の《クシャトリラ・フェンリル》の強奪等で有利なゲームを作れる。しかし【六花】は《六花のしらひめ》を使って妨害を踏む関係上早い段階で植物族しか特殊召喚出来ない制約が付き、これらのギミックを盛り込むのが難しい。しかも《ケルベク》《アギド》でデッキから墓地に送られることで潰れてしまうギミックもデッキに存在する。流行のデッキに対して相性の良いギミックは数あれど、採用が限られていることが【六花】の弱みである。
以上の理由から現在【六花】で【ティアラメンツ】が蔓延するランクマッチに挑むのは勝利から遠ざかる選択と言える。
4.3.【烙印ビーステッド】対面
【六花】は光闇のモンスターを採用しないので有利対面…だといいのだが、実際は苦しい戦いを強いられる。その原因は《増殖するG》だ。
【ティアラメンツ】の項目でも述べたが【六花】は展開途中に《増殖するG》を打たれた場合、中途半端な着地点しか残されないデッキである。後攻で《増殖するG》を無視してライフカットに走ったとき、ビーステッドモンスターの共通効果が圧倒的なライフカットの妨げになるのだ。
4.1.項でも述べたがビーステッドモンスターは現在多くのデッキで採用されている。《深淵の獣マグナムート》の採用率は2023年8月13日現在50%以上となっている。《増殖するG》に対してライフカットで対抗しようとするデッキにとって現在のデッキ分布や採用カードの流行傾向は苦しいばかりである。
4.4.日本仕様の自由枠の提案
では筆者はどの様にしてマスター1までランクを上げたのか。
もうピンポイントでメタするしかなかった。先行展開中の《増殖するG》に対しては【六花】の展開を諦めて《暗闇を吸い込むマジックミラー》を伏せてターンエンドすることで無理矢理カバーすることにした。結局、都合よく先行でこのカードを伏せて【ティアラメンツ】等の効果を封じる場面は無かったが、後攻で盤面を捲ったあとの蓋として活躍してくれた。
《暗闇を吸い込むマジックミラー》が無い場合、盤面を捲ることが出来ても結局【六花】の先行盤面は無力なので蓋として機能し難く、《冥王結界波》《拮抗勝負》よりも殺意の高いカードの採用を考えた。
その結果メインフェイズ1で妨害を踏みきったあと、《増殖するG》に対してドロー枚数を抑えながら《聖蔓の剣士》と相手のモンスターでひたすらライフカットする手段が最も高い勝率を得た。
最終的に筆者は上記内容を考慮して2.3項の自由枠を以下リストにしたものを使用した。
くれぐれも現在の環境で【六花】でランクマッチに挑むのは推奨しない。
4.5.対戦で頻繁に使用した動き
対戦で頻繁に使用した動きについて記載する。
最低限の内容で必須知識だと考える。
4.5.1.召喚権
《六花のひとひら》と《六花のしらひめ》が手札にあるとき、相手に《増殖するG》を打たれたら《六花のひとひら》から《六花精ボタン》をサーチして《六花来々》と《六花の薄氷》に繋げる動きをすることが多かった。
そのため、いつでも《六花のひとひら》《六花精ボタン》に繋げることが出来る様に《聖種の地霊》よりも《ローンファイア・ブロッサム》の方が優先して召喚することが多い。後攻なら相手の妨害を踏む意味でも《ローンファイア・ブロッサム》から《六花のひとひら》や《六花精ボタン》を出すこともある。
4.5.2.高性能除去
《六花来々》からの《六花絢爛》を発動出来れば《六花絢爛》の発動コストとして相手の場のモンスターをリリース出来る。これは処理が難しい《迷宮城の白銀姫》や《暗黒界の龍神王 グラファ》《ティアラメンツ・ルルカロス》を一方的に除去しつつ攻め手を2枚もサーチ出来る非常に強力な動きである。そのため後攻で盤面を捲りに行く際は《六花来々》からの《六花絢爛》を全力で通しに行く意識を持つと勝ち易い。ただし《灰流うらら》で無効にされてしまう点に注意である。
4.5.3.倶利伽羅天童
筆者はマスター2に入ってすぐじゃんけんに13連敗し、泣きそうになりつつ後攻のゲームばかりこなしたが《倶利伽羅天童》での場の掃除が功を奏しギリギリ降格を免れている。《スプライト》等と対面した際はある程度妨害を踏んだあとにダブった召喚件を《スモールワールド》で《倶利伽羅天童》にするプレイを想像以上に頻出した。まったくじゃんけんの設定を調整して欲しい。本当に二度と御免だ。
5.おわりに
如何だっただろうか?
【六花】を使用している諸兄の中には海外での入賞報告を耳にして、European Champion Ship2023という大きな大会で優勝した【六花】が気になっている人も居たのではないだろうか?筆者は【六花】に元々明るかった訳ではないが、採用されているカードや展開の方法など、日本と異なる内容が多いだろうことは予想がつく。
しかし面白いデッキである。
かといって「勝ってるデッキだから俺も使おう!」と考え無しに使用すれば痛い目を見るだろう。海外で高い戦績を納めたデッキが何故日本では使われないのか?逆に日本で高い戦績を納めたデッキは海外で通用するのか?考えを馳せると面白いものである。こういった自分の触れたことの無い環境のメタゲームに知見を深めると、様々な環境で有利にゲームする技術も磨けるだろう。
長々と書いてしまったが、この記事を読んだ諸兄にも、是非、騙されたと思って、触れたことの無い環境のデッキの分析をしてみて欲しい。
以下は私のnote恒例のVTuberの宣伝だ。
にじさんじ所属の雪城眞尋氏は【六花】を使ってマスターデュエルの配信をしている。
かわいい。是非一度観てみて欲しい。
以上。
Thanks.