営業で圧倒的な成果を出すのはヒアリングではなく、情報わらしべ長者である説
今回のnoteでは、一般的に言われている「優秀な営業=ヒアリング」という定説を否定してみようと思います。
もちろん、ヒアリングという手法を完全否定するわけではありません。
今回否定するのは大きく2点です。
①ヒアリングという名の尋問
②安売りしてしまう情報
また、これらの2点を気をつけることによって得られる効果は以下2点です。
①聞きたい情報を聞いても教えてもらえない状況
②不用意な値引き
では、さっそく本題に入ります。
①ヒアリングで得をするのは誰か?
営業でヒアリングをする。当然のような行動だと思いますが、深く考えてみてください。
ヒアリングをして得をするのは誰でしょうか?
多くの場合、売り手だけなのです。
買い手からしたら、
「なんかアレコレ聞かれているから答えているんだけどなぁ・・・」
という感覚に陥ってしまうこともあります。
場合によっては、鮮やかなSPIN式のヒアリングによって、買い手側が自ら問題、課題に気づくというコーチング的な要素もあるでしょう。
しかし、そんな事できる人は少数です。
ですが、多くの営業ノウハウでは、
傾聴
聞くのが7割
なんて言われています。
ずーーっと聞いているだけで売れる、僕はどうしてもこれが疑問で仕方ないのです。
もちろん、お客様に話していただくため場やきっかけを売り手が提供し、質問をするのでしょうが、
前提として、その質問を答えて得をするのは売り手だけだと思います。
しかし、質問に答えてくれるお客様もいらっしゃいます。
これはなぜでしょうか?
②お客様は情報が欲しいから質問に答える
インバウンドであろうと、アウトバウンドであろうと、お客様が営業と話をする時間を取っている理由を、お客様の気持ちになって考えてみてください。
ホームページの情報、レビューサイト、ホワイトペーパー、資料・・・
それらの情報で完全に理解をできていたら、お客様がわざわざ
「説明を聞きたい」
と問い合わせするでしょうか?
お客様が完全理解をし、さらにWeb上から購入できる導線があるなら、もうそこから買うんじゃないでしょうか?
つまり、営業と時間を取っているとうことは、
Web等の情報で理解できない点がある、確認したい点がある、その他直接会話をしたい。場合によっては、人と会話して安心したいということもあるでしょう。
③お客様が知りたい情報は主に5点
僕の経験上、お客さまが知りたい情報というのは、大きく5点に集約されると考えています。
①会社自体
②製品
③事例
④サポート
⑤価格/スケジュール
これはなぜか・・・というと、
会社組織として購買の意思決定をする時は、「買わない理由がなくなった時」という考えを元にしています。
※Salesforceでも使われている4つの不(不信・不要・不適・不急)という概念です。
※4つの不については、以下noteで解説していますので、こちらを読んで頂けますと幸いです。
すこし長くなりましたが、お客様が営業と会話する時間を作る理由は、
4つの不の解消をしたいのでは?
というのが私の持論です。
そして、先程お客様が聞きたい5点は、以下のように対応をしています。
④ヒアリングをやめてみる
ここまで、前提条件を諸々と書いてきましたので、実践的な内容に入っていきます。
お客様が知りたい情報が大きく分類して5点ある。
その上で、営業としても知りたい情報が沢山あると思います。
王道のフレームワークであるMEDDICだと6点、BANTだと4点、Salesforce流のSSMだと14点です。
※解説はこちら
すでに勘の良い方はお気づきだと思います。
お客様も聞きたいことがあるし、営業も聞きたいことがある。
という点です。
これを、ヒアリングという一方的な形にするのではなく、
情報のトレードをするというイメージをしていただきたいのです。
ポケモンカードや、遊戯王カードでお互いに欲しいカードを交換するイメージです。
ここで、営業が自分から様々な情報をペラペラ話しすぎてしまうと、お客様はお腹いっぱいになり、欲しい情報を入手できたと思います。なので、営業からヒアリングをしたところで、有耶無耶な回答しか得られない。
このような経験をされた営業の方は沢山いるのではないでしょうか?
それは、自分の持っているカードを最初に公開しすぎてしまったがため、交換ができない状況に陥っています。
価格を伝えた瞬間に、ヒアリングができなくなる。そんな経験有りませんか?
逆に、自分が相手のカードだけ奪おうとしても、お客様にメリットがありません。これがいわゆるヒアリングという名の尋問です。
ヒアリングではなく、情報のトレードを適切な順序で行っていく。
結果として、情報わらしべ長者になる。
これが理想の形だと思っています。
⑤情報わらしべ長者の具体例
自分が知っている情報をお客様は知らない。
一方で、お客様が知っている情報を営業は知らない。
でも、お互いはその情報を当たり前のものだと思っている。
これを念頭に起き、わらしべ長者的に情報を交換するのです。
例)お客様の決裁プロセスをヒアリングしたい
・お客様
→プロジェクトチームのメンバーや、そのオーナーが誰か当然知っている。
・営業
→値引きの承認者が誰か知っている
・提示内容(トーク例)
弊社の値引きの決裁者を連れてくるので、プロジェクトオーナーと面会の機会を頂けませんか?
・狙い
MEDDICのエコノミックバイヤーorChampionとの面談の機会
値引きの可能性の提示(価格は未提示)
このような形で、自身は当然知っている情報も、お客様はしらない。
そのため、トレードする情報のカードとして予め準備をしておく。
そのためのカードを常に多く準備しておき、
情報わらしべ長者を目指す。
というのが私のヒアリングの手法です。
一方的なヒアリングはやめてみませんか?
聞きたい情報を聞いても教えてもらえない状況や不用意な値引きを防げそうな気がしませんか?
⑥まとめ
・お客様が聞きたい情報は大きく5点
・営業が聞きたい情報はMEDDIC等のフレームワーク
・情報をカードとして準備する。交換する。
・情報を先出しで安売りしない
特に、エンタープライズのような、意思決定に多くの人が関わるケースでは効果が大きいと思います。
注意:SMBの意思決定が早い経営者との商談であれば、
変な小細工はしないで、情報を先に全部出してしまって、先方に判断を預ける。という方法の方が個人的には好きです・・・w
よろしければ実践して頂けますと幸いです。
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