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お酒、好きそうですよねー


ランニングが趣味で、もうかれこれ10年以上、走っている。

アルコール依存症の他に、双極性障害(躁うつ病)という
精神的疾患を持つ私としては、
息が弾むくらいの有酸素運動が、精神の安定に良いらしく、
主治医の勧めもあって始めたのだが、ここまでハマるとは
思わなかった。

一緒に走る仲間がいるとさらに楽しい・・・ということで、
市民ランナーのランニングクラブにも入った。

練習会があると、

この後ごはん食べませんか?
とか、
今度飲み会をしましょう!

とかいう話になる。

一緒に走った仲間とは、自己紹介代わりに、
これまでに出たレースとか、普段どんな練習をして
いるのか、とか、いわゆる「同好の士」として
話が盛り上がるので、楽しいだろうなーとは思う。

実際、お酒をやめる前までは、

飲みに行きましょう!

は、私のセリフだった(←ごはん食べに、とは言わない)。

たとえ誰かにセリフを持っていかれても、
飲み会には100%参加する自分であった。

今は、飲み屋に入ることもできない(飲み屋の店内って、
空気がすでにお酒の匂いだということを、お酒をやめて
初めて知った)ので、100%不参加である。

僕、酒飲めないんですよー
スミマセン。今日はこれで失礼しまーす

そう答えた私に、メンバーの中でもお酒が好きそうな人は、

へー。そうなんですか・・・。
なんか意外ですね・・・などと言う。

私は苦笑い。
何故わかるのか??
厳密に言えば「好き」と「依存症」は違うけど。

でも、まあ、大抵の場合は細かい説明なんて不要である。

依存症でない人は「この人は飲めない人」と、
意外なくらい簡単に了解してくれる。

他人の無関心が、こういう場合には有り難い。

お酒をやめて数年の間は、
飲めないんですよ、と答える時、少し寂しい、
というか残念な気がしていた。

今はそういう気持ちは、あまりない。

ただ、次の練習会の時に、
飲み(飲みにケーション←死語)に行った人たちと、
飲まずに帰った私との間には、微妙な、でも
確実な距離ができていて、回数を重ねるごとに
それが大きくなっていくので、
それはとても残念だな・・・と、思う。

いつか飲み屋でウーロン茶でも飲みながら、
仲間とワイワイできる日が来るのだろうか・・・
断酒して8年。今のところは来ない気がする。



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