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482 熊本県 木村知事「普通科はいらない」


はじめに

熊本県の木村敬知事が、県庁内で8月20日に行われた会議で発した言葉が今、大変に話題になっています。
この発言についてどのように考えますか?というメッセージをたくさんいただきました。そこで今日の教育コラムでは、少し簡単ではありますがこの件についてお話してみたいと思います。
因みにすでに知事は謝罪されていますし、文脈を理解しないといけない場面ですので、少し落ち着いて考えてみたいと思います。

どんな言葉を発したか

木村知事の問題の発言は、次のような内容です。
「一般事務とかはいらないんですよ。そういう若者を育てちゃいけないんですよ。教育長に過激な言い方だけど、普通科なんかいらないと思っている」「これからの時代に本当に必要な産業を今の求職者が希望していない。非常に未来を見据えたうえでのミスマッチ。事務職はもういらないですよ」

この言葉は、前後のやり取りも伴いますので一概に問題発言と考えるのは少し無理があります。
実際に、この発言について県庁に電話やメールで3件程度の意見が寄せられているとのことです。記者会見等で木村知事も述べていますが、熊本県の雇用問題について議論を活発化するための発言であり、けっして事務職をなくしたり普通科高校を廃止する様な意図ではないことはわかります。

4つの注意点

今回の知事の発言は、熊本県内で働く人材不足を解消しようとするための県庁内の会議の席でした。建築業、介護福祉、運輸、などの職種に対する人手不足は著しいことを踏まえて、逆に事務職を希望する人が多い傾向にある事態について熱弁をふるった結果だと思われます。
①真意を組み取れない人が多い事に配慮しよう
②誤解される言葉は、伝わるものも伝わらなくしてしまう
③遠い未来を見通す仲間を増やしていく意識をもとう
④不快な思いをさせることを気にしながらも、気にしすぎないようにしよう

熊本の経済

熊本の経済は、半導体関連だけではなく、飲食業や金融・保険など様々な産業で好調です。県民所得も2021年度以降、好調に回復し成長しています。
しかしながら特定の企業に人材や労働力が流れてしまうため、様々な業種で賃金の引き上げ競争が生じたり、人手の取り合いが起きているような状況です。木村知事はこの点を憂いて、もっと多様な職種を担う若者を育成していきたいと考えたのでしょう。
また、東京をはじめ大都市に若者が流出している今、好景気を背景に地元へのUターンを何とか促進したいという願いもきっとあるのでしょう。
今回の言葉の表面は、少し棘がありますがそれ以上にやる気に満ちた言葉に私は活力と勢いを感じてしまいます。

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