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552 兵庫県知事選挙 明日いよいよ告示

はじめに

今日も、明日いよいよ、告示となります兵庫県知事選挙について少しお話していきたいと思います。

候補予定者

候補予定をされていた方々の中で、中川さんと中村さんがそれぞれのご判断で立候補をご辞退されました。中川さんは、ご辞退された理由を動画などでも発信されています。大変重要なご判断ですので、私は解釈を加えたくありません。是非、コモさんのチャンネルをご覧いただければと思います。
また、立花氏が立候補されますが、10人程度斎藤さんを応援するために立候補者を立てるとの宣言をされていましたが、そちらの方も取りやめになったようです。ふざけていると勘違いされるといった理由でしたが、最初からその辺は判断がつかないといけないような気がします。また、同立候補者は自身の当選を目的としていないというお話ですから、これまたどのようなお立場か有権者が判断するには大変難しいように思います。
本日までの情報を整理すると明日立候補が確定する見込みなのは、次の7名となりそうです。

【兵庫県知事立候補予定者10月30日現在】
・兵庫県の斎藤元彦前知事
・政治団体「NHKから国民を守る党」党首立花孝志氏

・前同県尼崎市長の稲村和美氏
・参院議員の清水貴之氏
・医師の大沢芳清氏
・ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏
・レコード会社経営の福本繁幸氏

上記2名は、合法的に斎藤氏の当選を目的に支援を宣言されている立花氏とその応援を討論会等でも既に受けられている斎藤元彦氏となります。
それ以外の方々は、お一人ずつ独自に選挙戦を戦われるというものです。

全く違うよ

パワハラという言葉が今回の選挙のきっかけの一つになっているように思いますが、実は今回の選挙はそれが問題の発端ではなく、公益通報者保護法違反に関わる問題を含む、告発文書に対する初動の問題をどのようにとらえるかが重要だと考えています。例えがあまりよくないかもしれませんが、同じ兵庫県で出直し選挙が行われたことを選挙の性質を少し分析してみます。

今回の選挙は、様々理由はありますがその理由を付けずにタイトルを付けると「斎藤元彦前兵庫県知事の失職に伴う選挙」と言えるでしょう。
一方、2019年の明石市の市長選挙は「泉房穂元明石市市長の辞職に伴う選挙」と言えるでしょう。違いは、名前の部分、立場の部分、そして最も大きいのは「失職」「辞職」の部分の違いです。
言葉だけでその違いを述べれば、次のように簡単に言えます。

・「辞職」とは、自分から職を辞めることです。
・「失職」とは職を失うという意味です。

しかし、政治的な側面から考えると大きな違いがあります。
政治家が辞職を選ぶ場合、「政治的責任」を取る姿勢を示すことができます。この選択は、再度選挙に出馬し、改めて信任を得ることを目指す場合などに有効です。一方で、失職は「不信任決議を受け入れた」と見なされ、信任回復の機会を失う可能性があります。
また、不信任決議の影響を大きく受けている場合は、議会との関係も考えなければいけません。
議会との対立が深刻な場合、辞職を選ぶことで議会との対立の原因を解消し、自治体運営の安定化が進むことがあります。しかし、失職の場合は、議会との対立が解消されません。ですから選挙協力の在り方がその後バタつくことも失職の場合は存在するのです。

稲村氏の政策

稲村氏の強みは、3期12年にわたる尼崎市長の経験かと思いますが、私はむしろ特定の政治団体の応援を受けていない、無所属の強みを感じます。
政策本位で様々な既存のつながりに縛られることなく自分の立場を貫くことは、改革を前に進めていくためには大変重要な要素だと思います。そんな稲村さんの今回の兵庫県知事選挙に向けて打ちだされた政策は、6つの柱と30の項目から見ていくことができます。

発表されたこの政策の前に稲村氏が掲げているものがあります。
それが、元県民局長による告発文書問題について、県の一連の対応がどうだったのか、検証して混乱に終止符を打つというつよい意思の表明です。
この具体策として再発防止策の対応を述べられています。次の2つはその具体です。
・知事などの特別職、議員を対象にしたパワハラ防止条例の制定
・公益通報者保護法の理念の浸透と兵庫県で生じた事案を法改正に活かす
その上で、稲村氏の具体的な政策が展開されていきます。言葉を短くして紹介しますので全体の意図を読み解きたい方興味をもった方は稲村氏のホームページをご覧いただいたり、今後の街頭演説などをお聞きいただければと思います。また、同様に他の候補者の主張なども各自のホームページなどで発信されているものがありますので是非ご覧いただき比較してみてください。

【稲村氏の政策】
①「こども・若者が幸せになる兵庫県政」
 県内41市町の状況に応じた子育て支援がまず最初の政策として掲げられて
 います。県と市町が連携して使い道を決め、財政力に応じた再分配機能の 
 ある交付金の創設を目指すとされています。これはまさに未来への投資と
 その在り方を述べていると解釈できます。

②「時代の変化を乗り越える地域経済の実現」
 中小企業や地場産業などへの人材確保、Uターンを含む若者の県内就職・
 定着に向けた支援、市町と連携した企業誘致やスタートアップ(創業)の
 支援、兵庫の五国が持つ文化や資源を活用した観光ナイズの進化を目指
 すとしています。経済的な対策や地方創生につながるダイナミックな政策
 だと解釈できます。

③「さまざまなニーズに対応する医療福祉の充実」
 児童相談所の機能強化とDV被害者への支援、医師の地域偏在などの解消を
 打ち出したこの政策は、きめの細かな行き届いた福祉や支援の在り方を提
 案しているように解釈できます。

④「経験を踏まえた防災・減災対策の強化」
 稲村氏自身が当時、大学生として震災ボランティアに携わったこともあ
 り、国の防災庁設置に向けた議論をリードし、被災者の生活再建ノウハウ
 の伝承をはじめ、地震・風水害・感染症などとの「複合災害」への対策
 や、広域避難など災害への対応力の強化を図るというものです。昨今の甚
 大化する災害や県民の生命を守るという重要な防災、減災意識を高く持っ
 ていると解釈できます。

⑤「県庁の整備」
 建設費用を抑えつつ防災拠点機能を有する県庁舎の整備を進めていくこと
 を宣言されています。これは斎藤・前知事時代に経費面を考慮し、いった
 ん凍結した取り組みを尊重しつつ進めていく姿勢であると解釈できます。

⑥「豊かな環境・文化を守り活かす持続可能な社会づくりを推進」
 財政規模に対する負債の割合を示す「将来負担比率」が全国ワーストの兵
 庫県の課題として、対話重視の行財政改革、統廃合を含めたゼロベースで
 の県外郭団体の見直しなど課題を先送りせずチャレンジしていく姿勢であ
 ると解釈できます。

現職の斎藤さんは、現在までに進めてきた政策を引き続き前に進めていくという点ですでに2021年の選挙の際に公約を掲げています。その公約の達成率、実現率、着手率などが混ざった数値が98.8%ということで、もう残りはさほど残されていない状態だということです。どの程度の物を着手、達成、実現と述べられているかはわかりませんので慎重に見ていく必要はあるとは思います。
一方、現職以外の挑戦者の皆さんは、兵庫県政の今の問題点を分析し、その課題に向けて政策を提案しています。そうした目で選挙戦を通して各候補者の訴えを見極めていく必要がありように思います。

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